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 ここばかりを責めると、今度は先端に強い刺激が欲しくなって身悶えて懇願してくるのが
常だったが、さて今回はどうなる?
 どこまでも、楽しむつもりで。
 嫌がるロイの気持ちを一方的に踏みにじる行為を続ける。
 心の底からロイが嫌がっていたら俺も引けただろうが。
 こいつは、本当にしたくない、もしくは出来ない時は身体が反応しないのだ。
 だから、表面ではどんなに嫌がっていても、身体は俺を求めているのだと信じて疑わない。
 「やっつ、それっつ、やめろっつ」
 「それは、やめろ?じゃあ、違うコトして欲しいんかよ」
 「っつ!」
 「素直じゃねぇな。乳首の先端弄ってって、言えば。声嗄れるまで弄ってやるのにさ」
 「鋼のっつ!」
 あれ、戻った。
 快楽が過ぎたんかな?
 「……エドワード」
 「……えどぉ……」
 「ん、可愛いからよし。何だよ?」
 「弄って……」
 「どこ」
 「ん、ここ」
 震える指先が俺の顎に掛かったので、乳首から唇を外してやった。
 ほう、と零れたのは何の吐息か溜息か。
 「ちゃんと、言葉にしろって。最初に言ったのはアンタだったんだぜ」
 どこまでも俺を甘やかし蕩かす優しさで、子供に言い聞かせる、噛んで含める口調で。
 『鋼の?言葉にしなければね。伝わらない事もあるんだよ。どんなに親しくても、だ。言葉を
 ね。惜しんではいけない』
 それは、俺の弟に対する態度を見かねての警告でしかなかったのだが、俺は曲解して受け
取った。
 目の前の存在にしか、言葉を尽くさない。
 そう、決めたのだ。
 「乳首の、先っぽ。いっぱい、弄って?」
 俺好みの、上目遣い。
 舌足らずの縋る声音。
 
 ああ、早く。

 どこからどこまでが、俺の知るアンタなのか。
 そして、それはどのくらいの頻度で、表層に出るのか。
 どれだけの時間出ているのか。
 極力、正確な所を知りたい。

 「よぉく、出来ました」
 俺はロイの表情が見えるように、顎に歯を立てながら、乳首の先端を爪の先で潰して
ぐりぐりっと押し付けてやった。
 「ああっつ!いいっつ」
 紛れもない肯定の嬌声が、ささくれた俺の心を束の間、癒してくれる。

 「もっと!弄って。たくさん!可愛がって」
 「可愛がって、か。たまんねーよ」
 「んっつ」
 オネダリに応じて、右の乳首を歯先できゅっと噛み上げ。
 左の乳首は、指の腹。
 そおっと、そおっと弄ってやる。
 感じにくい右はきつめの、感じやすい左はゆるい愛撫を贈れば、ロイは益々相好を崩して
ゆく。
 一気に陥落させるのもそのギャップが大好きだけど、ゆっくりじっくりと時間を掛けて蕩か
すのも大好きだ。
 「あ!それ」
 「これ?」
 右の根元を爪でぐりぐりと苛めつつ、左の全体を口の中に入れて全体を舐め回しながら
可愛がる。
 「いいっつ、うんっつ」
 「本当に?」
 「んっつ。よすぎ、て。はぁっつ。こまっちゃ……」
 「遠慮なく困れよ。何ならここだけでイかせてやってもいいぜ」
 有り得ない感度の良さだよなぁ、と何時も思うが。
 ロイは乳首への刺激だけで、射精できるのだ。
 ま、時間がかかるし?
 力が抜けまくって、くたくたになっちまうから体位が限られる。
 俺の好きな騎乗位が無理になってしまうから、今日はするつもりもないんだけど。
 「やだっつ。いやだっつ。エド、の。入れてくれなきゃ、やだ」
 「俺のでいいんかよ」
 「ん。エドのおおきいの。入れて?」
 「……んなに、大きかぁ。ねーだろうが」
 身長はロイを越えてる。
 体重も当然。
 ナニの大きさだって、俺のがでかいけど。
 もうちょっと、さ。
 でかくっても良かったかも、とか思う。
 ロイの最奥まで、ぎりぎり届かない気がするんだよ。
 心が、届かないのなら。
 どうしても、届かないなら。
 せめて身体だけでも掌握したいって、考えるじゃん。
 心底惚れた相手なら、尚の事……さ。
 「大きいよ。私の、手にはぁあああ。ん、くんっつ。いつ、も。手に、余る」
 「そりゃ、アンタの中が狭いだけだって」
 入り口も、中も。
 蕩けて、俺をきゅんきゅん絞って、やわやわと包み込んでくれるけど。
 初めての時から、今の今まででも。
 ゆるいなんて、思ったことない。
 普通これだけしてれば、ちったぁ緩くなったりするんじゃないかと考えるけど。
 ロイの中は例外らしい。
 「イイとこ。たくさん、届くし……おなかも、おかしくなりそう、だよ?」
 「あーまー。激しく突き過ぎるかんなぁーごめん」
 お腹の調子が悪いのに、中出しとかやっちまうし。
 うーん。
 やっぱり俺。
 好き勝手しすぎたんかな?
 だから、こんな目に合うんかな?
 最中に、他の男と間違えられるような羽目に、さ。




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