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 悲鳴はそれぞれに、同時。
 「駄目ぇっつ」
 でも、大佐のソレが一番必死ではあった。
 締めつけるだけじゃなくって、うねくりまくる中。
 ホント、どーゆー構造になってんだろう?
 ……って、悠長な事考えてなきゃイっちまう!
 ここで、出したら中佐に何言われるかわからん!と、唇を噛み締める。
 と、同時にぎりっと歯軋り。
 中佐も似たような状態らしい。

 歯軋りの他に、片方だけきつく目を瞑っている。
 俺と、全く同じ風に。
 そういえば、大佐が。
 そうやって射精を耐えている時の、お前の顔は好きだな、と。
 言っていたのを思い出す。
 何もSEXに慣らされているのは受身の大佐だけじゃなくて。
 むしろ、攻め手の俺等なんかとすら考えてしまう。
 極々、一瞬。
 「あ、あああ……」
 呆けたように開け放たれた口から、切れ切れの嬌声が零れ落ちる。
 今この体勢でキスができるのは、俺だけだという優越感に突き動かされるようにして、
唇を塞ぐ。
 震える唇が、すぐさま俺のキスに答えて、濡れながら絡まってくる。
 舌が絡まるキスってーのは、よく耳にするけど。
 唇が絡まるキスってーのは、中々。
 すんげぇ、ディープちゅうな気がする。
 「……よし、ちったぁ、解れたかな」
 先に進める気だと、その声で理解して。
 中佐と同様。
 ホント、慣らされてるよなという、バッチリのタイミングでお互いのナニの進入を続ける。
 「ひうっつ!」
 俺の唇を振り切って悲鳴を上げる大佐の唇を、また奪って唇を塞ぐ。
 中佐は、背中全般へのキスで大佐を宥めているらしい。
 大佐の中が、僅かに緩む隙を狙って。
 ひぅ、ひぅっていう、その声だけでイけそうな、愛らしい声を何度もさせて。
 ようやっと。
 「ひああああっつ!」
 二人して、根元近くまで捻じ込んだ。
 俺のが数センチ余ってるのは、ちょっとだけ俺のナニの方が長いっつーかデカイ証拠。
 大佐の唇を塞ぎながら、優越感に一人にやける。
 「……にやけてんじゃねーよ?」
 俺の思考を正確に読み取った中佐が、大佐の中というよりは、俺のナニを擦り上げる
ような動作をした。
 「だから!俺はアンタとする趣味はないんですって」
 根本的に男は大佐しか抱かない人だけど。
 自分の立場を知らしめる為、自分よりがたいのイイ男を組み敷けるだけの器量がある男
なのだ。
 世に言う総攻めって奴だね?
 俺もまぁ、大佐がどうしてもと望むならさて置き。
 根本的に、誰にも尻貸すつもりなんざないが。
 立場をわからせる為の手段に、SEXは使わないからなぁ……。
 「俺も、てめーとするつもりはねーぞ?」
 考え込んでいれば、にやあっと、笑われた。
 何とも酷薄な笑み。
 大佐が見たら、マジに怯えそうだよ。
 す、と中佐が息を吸い込む。
 ぴく、と大佐の項に緊張が走る。
 俺は瞬時目を瞑り、下腹に力を入れた。
 「本格的に、動くからな、ロイ?」
 覚悟を促すセリフに、大佐の身体が硬直する前に、二人。
 正反対の動きで大佐を攻め始める。
 俺が入れれば、中佐が引く。
 中佐が入れれば、俺が引いた。
 「……!……!……!」
 大佐の唇は、あ、という形を作ったままで、震え続けている。
 感極まってしまったのか、声がないのだ。
 蕩け切っている癖に、全く締め付けを緩めない上に、ナニにちゅうちゅうと吸い付いてくる
ような、タマラナイ感触を与えてくれる大佐の中と。
 逆の動きで、大佐どころか俺までをも追い詰めようとする中佐の動きに、限界はすぐ
やってきた。
 それでも、大佐の中イけ顔を見た後に出した自分を、褒めて欲しいくらいだ。
 「あ、つぅっつ!」
 あ、痛い、じゃなくて。
 熱い、なんだと思う。
 大佐が珍しく額から汗を滑らせながら、中での絶頂を向かえて一、二秒後。
 「くぅっつ」
 俺は我慢に我慢を重ねた射精を自分に許した。
 と、いうよりは、とうとう持っていかれた。
 そんな気分。
 「ったく。すっげぇ量出しやがって。んなに種つけしてーんかよっつ」
 まだ、俺の射精が完全には終わらない内に、中佐も飛沫を散らせた。
 「ああ……あああ……」
 大佐は、またしても中イけしたらしい。
 女でもいない、過敏体質だ。
 嬉しい事この上もないけどよ?
 「……ちゅーさ。まだ、やりますか?」
 「……や。俺ぁ休憩しとく。いっくらやっても、これ以上は緩まないみたいだし。ちっと、
  きついや」
 大佐の中がきついのか、中佐の精力体力気力がきついのか。
 ……全部なのかな?
 大佐とのSEXって、満たされる分。
 色々と持っていかれるから。
 「んじゃ、抜けて下さい。俺は大佐が失神するまでやりますから」
 「……え?は、ぼ?」
 俺のとんでもないセリフも、大佐の脳に届くのには時間がかかるらしい。
 きょとんとした表情は、俺の罪悪感をちょっとだけ煽った。

 「だってこれでようやっと、永遠の俺ターンですもん。タンク空になるくらい頑張っちゃいます
 よ?」
 普段だったらここまではしない。
 これでもアンタの忠犬だからね。




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