明日の仕事の事とか……ん?
そろそろ今日の仕事になるんか?
一応考えるんだけど。
ここまで、俺を飢えさせたアンタが悪いってことで。
宜しいでしょう?
「たんく、から、なんて。お前、どれだけ、する、つ、もりっつ!」
抜き差しの再開なんて何時だってできる。
まだ荒い呼吸は否めないが、これ以上大佐の萎え発言を聞くつもりもない。
俺は中佐が吐き出した分の精液を綺麗にするつもりで、大きく突き上げては時々、ナニを
完全に抜く。
その都度、どっちのだかわからない白い液体が、ぬっとりとナニにくっ付いては溢れて、
滴った。
中がすっきりしたら、今度は俺のだけを孕ませれば、良い。
時間を考えても中佐は、中途参戦なぞしてこないだろうから。
「……わんこよぅ。その辺にしといた方がいいんじゃねーの?お前さんはさて置き、ロイ
にゃん仕事できねーぞ。若くねーんだし?寝かせた方がいいんじゃね?」
「……だいじょぶっす、よ。俺が満足するか大佐が失神したら仮眠室に放り込んでおきます
から」
後始末もちゃんとしてね。
専用のほよほよ抱き枕もセットすれば、短時間でも、夢すら見ない深い眠りが得られる
だろう。
精神的じゃなく、こうやって肉体的に追い詰めた方が大佐の眠りは深いんだ。
魘される事もない。
俺だけだったら、どうだったかしれないが、久しぶりに大好きな中佐に思う様突き上げられ
て、精神的にはものすごーく充実してるだろうからさ。
……むかっ腹立つけど。
仕方ねーよな。
感情のブレが動きにも出たらしい。
大佐は、すっかり揺さ振られるだけの人形になって、途切れ途切れの嬌声を上げている。
失神も、もちょっとかな?
「何時も、んな激しいSEXすんか?」
珍しく煙草なんかを吹かしながら、呆れた風に中佐が呟く。
「アンタ。煙草吸いませんよね」
質問には答えずに、質問をぶつけ返す。
「今日はお前にあてられた。ハボック少尉と一緒に居ましたっていえば、煙草臭いのも
納得して貰えるし。家に戻る頃には完全に抜けてっから大丈夫だ」
案外とすんなり、返答があった。
あてられた、というセリフに驚くほど喜ぶ自分がいる。
一瞬でも、中佐を凌駕する間があるなら、それはやっぱり嬉しい事だ。
大佐に、中佐より愛されている錯覚に陥れるから。
「で?何時もこんなんかよ」
「……ここまで時間かけるのは、大佐が次の日オフん時だけですよ」
「だよなぁ。淫乱ロイたんでも、こう真っ向から体力勝負でこられたら、もたねーと思うわ」
しみじみとした溜息がつかれる。
自分達の昔でも、思い出している風だった。
「やああっつ!はぼっつ!もぉ、駄目ぇっつ」
いきなり甲高い嬌声が上がったと思ったら、大佐の身体が崩れ落ちた。
アレからは、とろとろとした蜜が溢れて、俺を受け入れた箇所はひくんひくんと派手な収縮を
繰り返している。
イきながら失神。
見事な淫乱設定です。
「あーあ。いかれちゃいました」
「そりゃ、そうだろ。ロイは良く頑張ったと思うぜ」
「ですねっ、と」
締め付けがゆるまってゆく中を、がががっと突き上げて、射精に至る。
情緒も何もあったもんじゃないが、天にも昇る心地良さだ。
「満足そうだなぁ、わんこ」
「大佐ほどじゃ、ないっすけどね」
「……かもな」
二人揃って落ちた大佐の顔を、覗き込む。
疲れ切っているはずなのに、この上もなく幸せそうな顔があった。
「中佐?」
「わあってる。ロイが残した書類だろう?処理するさ」
「助かります」
「俺もリザちゃんは、怖ぇーよ。出入り禁止になっても困るし」
東方司令部の女帝。
実は本来のトップであるグラマン中将の孫にあたるのだが、そんなコト表に出さんでも、
大佐を完全制御できる時点で女帝決定なのだ。
「俺なんか、去勢されちまいますからね」
「んじゃあ、手伝うの止めっか?」
「死なば諸共ですけど?」
「それもそっか。俺は書類分けすっから、お前さんはロイを仮眠室へ連れてけ」
「あいっさー」
敬礼をして、とろとろのべしゃべしゃ状態になった大佐を、毛布で包んで抱き抱える。
「それじゃあ、任務に行って参ります」
「ああ、そっちは任せた」
既にゴミ捨て場と勘違いしそうな大佐の机の上、締め切りのヤバそうなものをひょいひょいと
拾い上げる中佐を尻目に、俺は仮眠室へと向かった。
俺等の仮眠室とは違う、高級仕官用の仮眠室のドアに鍵を入れる。
ちなみに、この鍵。
中尉も持っている。
大佐捕獲用だ。
東部に居る高級仕官で、仮眠室使う人なんてこの人ぐらいだから、ほとんどが大佐専用
仮眠室になっている。
故に、上はグラマン中将から下は一般兵までが、せっせと大佐の為の貢物を運び込んでいた。
趣味に合わない場合は、定期的に入って中尉が処分しているが。
ま。
中央にも、ここまで個人嗜好でカスタマイズされた仮眠室はないだろう。
大佐が家に帰らずにここに連泊したがるのも、わかるやね。
何故か何時来ても綺麗にベッドメイクされているベッドの上、そっと大佐を置く。
疲れが酷いから、途中寄った給湯室で仕込んだホットタオルで、全身を簡単に拭く。
俺と中佐のを孕んだ場所は少々念入りに。
今日のお供枕は頭が沈み込むような羽枕。
長時間睡眠の時はしっかりした枕を好むんだけど、短時間睡眠の時は軽い枕が良いんだっ
てさ、大佐の場合。
掛けるモノをタオルケットにするか毛布にするか、しばし悩んでいると。
「まだ、熱が落ち着かないからタオルケットで良い」
元々意識があったのか、案外と明瞭な大佐の声がした。
「はいはい」
俺は頷いて、汗吸収率抜群の綿100%タオルケットを、その薄い胸まで引き上げる。
「だいじょぶです?」
「なんとかな。加減しろ、と言いたい所だが、乗ったのは私だ」
おや、素直。
「ヒューズが居るとどうにも箍が外れて、困る」
「ですね」
どうしたって悔しいけど。
中佐に依存する大佐も、ひっくるめて大佐だ。
嫉妬はするが、それを受け入れる気構えはある。
「……はぼ」
両腕を差し出してくるので、背中に腕を回させて、そっと抱き締めた。
「少し寝て下さい。書類は中佐と俺で片付けます」
「ほとんどヒューズが、だろ?」
「まぁ、そうっスけど」
中佐と少尉では決済の権限が格段に違う。
大佐が見直しもしなくてすむ書類を仕上げる事が出来るのは、無論。
中佐の階級だけではなく、その切れすぎる頭があるからだ。
正直、俺に同じ事を求められても困る。
人間できる事と、できん事があっからな。
「よろしく頼むと、伝えてくれ」
「あいさー」
「起こす時は、お前が来い」
「ちゅうで起こしていいのなら」
「……でぃーぷちゅうじゃなければ、良い」
不承不承頷く顔が可愛くて、頬に口付けた。
拒否の色はない。
腕を外して、瞼にキス。
そうやって目を閉じさせると、頭を撫ぜながら顔中にキスの雨を降らせる。
俺がルージュでも塗っていたら、えらいことになるだろうと、阿呆なことを考えながら繰り
返した。
大佐の力の抜けきった指先が、それでも俺の手の甲をなぞる。
「……おやすみ、はぼ」
完全に寝入る寸前の甘い声。
「おやすみなさい、たいさ」
唇にキスをすれば、ん、と声がする。
次の瞬間、大佐はすこんと深い眠りに入っていった。
「おし、任務完了」
俺はそっと大佐の額にかかっていた髪の毛を掻きあげて、名残惜しくて仕方ない気持ち
を額へのキスに変えて、仮眠室を出ることにした。
END
*長かったですよ!ついに完結です。しつこくえろえろと三つ巴の、二輪差しを書けた
んじゃないかなーとか、思っています。その内違うメンツでも書いてみたいですね。
これの前編にあたる作品を人様に貢ぎました。ノクヒュロイ(笑)
その内、どこかのオフセに入れるかもです。 2008/08/06