家で一人上手でもして、持ち帰った仕事をする方が遥かに効率が良かった。
「キス、なら!」
「ガキじゃないんだからさー」
「どこまで?」
「最後までに、決まってるでしょうが」
顎に指をかけて、ついっと持ち上げる。
普段ならば許されないだろう仕草も、夜二人きり、もしくは中佐と一緒の時に限り許される。
飼い主が、飼い犬に成り代わる瞬間。
「……最後まで、したら。仕事できなくなるだろう?」
「今更ナニ、いい子ちゃんぶってるんです?でも、まー。やらせて下さるんでしたら、一緒に
怒られてあげますよ」
早く、白旗揚げてくれないと。
真剣に、強姦しそうなんですけど。
「二時間、ぐらい……か?」
時計を見てSEXに爛れられる時間を正確に見極められる、そんな冷静さも全部奪ってやり
たい。
中佐相手だったらきっと、中佐が望むだけ自分が欲しいだけする癖に、何て考えたら、益々
遣り切れなさが募ってくる。
「フェラだけだったら、もっと早いっすよ。穴に突っ込まれるのが嫌だったら、口、貸して下さ
いよ」
自分でも酷いセリフを吐いている自覚がないじゃない。
でもまー。
言葉にする事で、セーブをかけようとしてるって訳。
余計興奮してきちまって困るんじゃねーの?とか思わないでもない、諸刃の感情だなんだけ
ど。
「口、か?」
「そ。中佐仕込みの灼熱のフェラ。たまにはしてくれたっていいっしょ?」
「……承知、した」
迷っていた大佐の瞳に、きゅっと光が集まる。
濡れた瞳は既に、完全に勃起しちまってる俺のアレを射程距離内に納めていた。
今までの逡巡が嘘のように、あっさりと膝をついた大佐は、部下の俺の股間に顔を寄せてく
る。
「たーいさ?どーせだったら、お願いしたいコトあるんスけど」
「…ナンだ?」
「上目遣いのまま、手を使わんでジッパー下ろしてくれません?」
「随分と高度な技を要求するな」
「得意技っしょ」
何度か、中佐にはして上げているのを見せ付けられた。
「苦手では、ないかな」
希望通り濡れたまざしの上目遣い。
ズボン越しでも、あらあらまあまあ、こっ恥ずかしい状態になっちまってねぇ?
ってなアレを、舌全体で舐める振りをして、ジッパーを歯の先で噛み、引っ掛かりを上手く
攻略して行きながら、ゆっくりと下ろしてゆく。
その際、ファスナーが下着を噛んだりしないように、ズボンに縋っている風に見せかけて
いる指先が、そっとズボンを広げているのだ。
日頃の不精で不器用な所からは、想像も付かないマメさ加減。
中尉辺りが知ったら、ぜひ仕事にも導入してください!と真顔で言ってきそうだ。
一番下まで行ったジッパーから、大佐の歯が抜ける時も、ちょっと舌先を出してジッパー
を舐める仕草なんか、もう堪らない。
いちいち煽って見せるのが得意なんだ、この人は。
中佐に躾けられたままに。
本人知らぬ部分でも。
悔しさがどうしても、嫉妬と焦りに成り代わるのを深呼吸一つで押さえ込んで、大佐の頬を
撫ぜ上げる。
続きを急かす動きだと、大佐もよく知っていた。
たまたま履いていたビキニ型の黒パンツな下着の上、大佐の鼻先がアレに擦りつけられて、
すん、と臭いを嗅がれる。
とんでもなく淫らで、なんかもう、勃起し過ぎでスンマセンってな気分になってきた。
「オス臭いな」
あんまりなセリフに、ずくんと反応したアレは、も一つ硬直度を上げる。
「おお!大きくなった」
ここで、無邪気に喜ぶの辺りが大佐らしいっつーか、なんてーかこう。
滅茶苦茶に苛めてやりたくなった。
「早く、銜えてくださいよ。大きい口じゃないんだから。全部入らなくなっちまう」
「……言うがな?お前のは、勃起する前から全部銜えるのは無理だと思うぞ」
俺は我ながら、すんげーイヤラシイ事考えてますよ!ってな、笑顔を浮かべた。
「そ、でもないっスよ」
「や、嫌だぞ!ディプスロートは!」
さすがにSEX慣れっ子な大佐だ、反応も素早い。
「できる癖に」
苦しいのは知っている。
中佐にしてる時、何度もえづいていたのを見た。
かなりのS気がある中佐は、涙をぽろぽろ零しながら、背中を跳ねさせる大佐の頭をがっし
と掴んで容赦なく出し入れしたものだ。
「物事には順番ありますし。怪我もさせたくないから、無理にたぁ言いませんがね」
「…等価交換とか、言うつもりだろう?」
「俺の口からは言いませんよ。でも、あんたの口からその言葉が出るって事は、そーゆー
話なんじゃないです?」
「う…」
SEXの最中って、妙に無防備だったりするんだよね、この人。
まーそれも計算の上だったりする時も多いから、一概には言えないけどさ。
「何にせよ、続けて下さいな」
「……わかってる」
下着の上、鼻先でナニを擦り上げられて、呻きが漏れてしまう。
また、大佐の荒い鼻息があたるのにも、興奮した。
「凄いな、下着からはみ出てきた」
にょきってな感じに、硬直したアレが下着の上部分から顔を出し始める。
先端には、蜜が溜まって雫になっていた。
下着と同じ色とまでは行かないが、いい感じに黒光している自慢のアレ。
硬さ大きさ、ついでにそれ以外の性能にも自信はある。
持久力とか、膨張率なんかも。
「しかし、どこまで大きくなるんだ……」
「あんたが、望むまでですよ」
「私は、こんなに大きいの……困るぞ?」
「上のお口ではさておき、下のお口では楽勝でしょうに」
「今はとにかく、上の口だからなー」
手に余る、と苦笑している大佐だが、その目はきらきらと好奇心に輝いている。
とても受身とは思えない好戦的な貪欲さで、俺のナニをどう料理しようとか、考えちゃってる
んだぜ、この人。