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 壬生さんにとってはできる限りの、最後の抵抗も、大量の触手に阻まれては、
僕の行動を妨げるものまでにはならなかった。
 触手が引いた途端に、きゅっと硬くすぼまってしまった秘所に、自分でも驚く
ほど大きくなってしまった肉塊をあてる。
 「や。め……ろ…霧、島っ!」
 「って、言われて。やめる男なっていないでしょう?」
 腰に爪をたてる強さで掴んで、つぷんと先端だけを入れれば、予想を遥かに
越えた締め付けに、腰が蕩けた。
 「ん…」
 またしてもすぐにイきそうになってしまう。
 「恐ろしく、淫猥なんですね。壬生さんの、ここ」
 背筋に沿って舌で嘗め下ろせば、必死に背中を丸めて、挿入されるのを拒
んでくる。
 「一度、中に、出しますよ」
 ゆるゆると眉間にしわを寄せながら、根元まで押し込んだ所で、またいって
しまった。
 「ふ、う」
 二度も続けてこんなに早くイったのは、初めてだ。
 少なくとも僕は、淫乱のさやかちゃんを満足させるだけのテクニックと耐久力
があるはずなのに。
 壬生さんの前では、童貞よりも経ちが悪い。
 「う、あああ」
 中に出される衝撃に、壬生さんの蒼ざめた唇から押し殺した悲鳴が零れた。
 先刻までは赤かった唇が、ふと気が付けば蒼白くなったのは、僕に出される
屈辱に唇を噛み締めていたからか。
 心なしか体温まで下がってしまった気もする。
 「そうですよね。僕ばっかり気持ち良いんじゃあ、盛り上がれないです
よねー?」
 ぴくっつぴくっと震える蠢動に、萎えてしまうはずの肉塊が急ピッチで抜き差
しができる硬さに猛ってゆく。
 これなら、抜かずにもう一度吐き出すのくらいわけもないだろう。
 乱れる様子を少しでも感じようと、壬生さんの身体を入れたままの状態でひ
っくり返した。
 目を頑なに瞑っているのが、唯一の抵抗で。
 身体は触手に蝕まれているので、淫らに開放的だ。
 「ああ。触手が介添えしなくても、ちゃんと勃起してくれるんですね。
  僕の、これ。気持ちイイですか?」
 「……いい、わけ、ないっ!!」
 言葉での反応が返ってくると思わなかったので、子供じみた口調が、何だか
嬉しい。
「嘘は、駄目ですよ?」
 くちゅんという濡れた音を伴いながら腰を引けば。
 「ああっつ!」
 切羽詰った喘ぎと共に、壬生さんの中が僕の肉塊を逃すまいと締め付けて
きた。
 「ほら、ね。こんなに欲しがっているのは。気持ちイイからでしょう」
 「よく、ない」
 「本当に、強情ですね。まあ、壬生さんらしいですけど」
 僕相手じゃなければ、とっくに陥落もできただろうに。
 勃起からは蜜を滴らせて、秘所はやわらかく蕩けてほぐれているのに、 心
だけが今だ、緊張しきったままで。
 引いた腰を浅く突き入れる。
 ほんの先端だけの出し入れをしながら、壬生さんの腰周りや太もも、乳首な
んかに指を這わる。
 さすがに押さえが利かなくなった体の反応は敏感この上もなく、可愛らしさを
際立たせた。
 『紅葉って本当、可愛いやねー』
 不意に龍麻先輩の口癖が脳裏を走った。
 龍麻先輩はそんな意味で言ったのではないけれど。
 僕の腕の中で悶える壬生さんは、途方もなく愛らしかった。
 「僕も三度目ですから。少しは引き伸ばせると思うんですよ。今度は一緒にい
  ってくださいね」
 初めて壬生さんの肉塊に触れる。
 大きさは僕と変わらないか、少し小さいくらい。
 細身で綺麗な形。
 剥き出しになっている先端に、とろとろと溢れつづける透明な蜜を擦りつける
ようにして愛撫をする。
 「だ!…いや、だっつ!」
 大きく首を振る度に、散る汗が僕の愛撫にダイレクトに反応してくれている証
のようで、思わず口の端が上がってしまう。
 しっとりと湿ってしまった髪の毛が、一筋ふた筋、頬に張り付いているのがた
まらなく艶っぽい。
 さやかちゃんを楽しませるために、何人かで行為に及んだことは合ったが、
男の人を抱いたのはさすがに初めてだ。
 いわゆるホモ、なんていわれる人の気が知れなかったけれど。
こうして壬生さんの乱れる様を見ていると、SEXに男女なんか関係ないのだと
、思い知らされる。
 どうしても征服したい相手がいれば、性別なんてどうでもいいのだ。
 現に、僕の身体は大切で愛しいはずのさやかちゃんを抱く時と比べ様もない
くらいに猛っている。
 「…凄い、ですよ?だらだらと、おつゆ垂らして。イきっぱなしって、こういうの
  をいうんでしょうね。初めて見ました…可愛いなあ」
 「…いい加減にっつ!!」
 「イかせて欲しいですか?」
 やめてくれ、と続くはずだった言葉を、あえて畳み込む。
 「一緒に、いきたいんで。まだまだ我慢ですよ」
 三度目の射精ですら、どこまで引き伸ばせるかわからない。
 壬生さんの肉塊を握り締めて擦り上げる度に、僕を銜え込んでいる中が一体、
どんな風になっているのか調べてみたいくらいに、貪欲に蠢く。
 「先端を擦るのと、根元から扱き上げるのと、どっちが好みですか?」
 先端をいじくれば、太ももがびくびくと震え、リズムも良く肉塊を擦り上げれば、
中がうねくる。
 気持ち良いのには変わりないが、僕がより楽しもうとするならコスって上げた
方がいいのかもしれない。
 「…だ…だ…も、う…」
 頼まなくてもまるで、以心伝心な触手が壬生さんの肉塊の根元を固く戒めて
いる。
 射精をしたくてもできない状態で、延々と愛撫を与えられれば、篭った熱が解
放されずに、ひたすらに狂ってゆく。
 ましてや、僕の拙い愛撫なんか目じゃない、触手の責めを長時間に渡って受
けてきたのだから、おかしくならない方が異常だ。

 
 

                                                                 
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