「バスから、出てからじゃ駄目、ですか?」
「くらくらしてしまったのかな」
「少し、だけですけど」
湯あたりのないように、お湯はぬるめに設定してあるし。
だいたいまだバスにゆっくり使っていないのだが。
一度いってしまった身体では、そんな風になるのかもしれない。
何しろ感じやすい身体なのだから。
「ふむ……それではお風呂に浸かりながらしよう。私がいったらベッドに連れて行ってあげ
よう」
「それでは余計に、眩暈が酷くなってしまいますっつ!きゃぁ」
腰を軽々と拾い上げて、二人一緒にバスに沈む。
ばしゃんと、随分の湯がバスタブの外に溢れた。
「おや?少なくなってしまったね。たし湯をしておこう」
蛇口を捻ればぬるめの湯が、勢いも良く流れ落ちてくる。
「すぐ出るのに、もったいないですよ?」
「全く、そんなに所帯じみなくても良いのだよ」
「でも、キングが稼いでくださったお金ですし。大切に使いたいです」
「そういう考え方は好きだが、風邪を引いてしまっては元も子もないのだろうに」
掌に湯を掬い、マスタングの肩にかける。
肌の上を滑ってゆく水滴に、やわらかなバス特有の照明が反射した。
「あったかく、しないと?」
「お湯だけで、十分あったかですのに」
「私が、したいのだよ、ロイ」
はい、と頷いたマスタングは湯の中、覗き込むようにして太ももの上に乗ってくる。
ふ、と肩で大きく息を吸い込んでから、そそり立つ肉塊にゆっくりと花びらをあてる。
湯の中でもわかる、濡れた感触に自然笑みが浮かんだ。
ペニスの形を確認するように数度、擦りつけた後で入り口が開かれる。
何時もは引っかかる場所も、今日は珍しくスムーズに抜けた。
それだけ、私が欲しかったと言うことなのだろう。
湯の温かさとは明らかに違うぬくみ。
通常の体温は低めのマスタングだが、膣の中は、ペニスよりもずっと熱い。
「あ、あ……ラースっつ」
「いっぱい、入ったね?」
「はい。あのお湯も、ちょっと入ってしまったので、しゃぷしゃぷします」
「おや。お湯が入る隙間があるとはね。私が小さかったのかな。それともロイのおまんこが
広がってしまったのかな」
人間に完全防水昨日がついているはずもないのだが、マスタングは赤く色づいている全身
を更に鮮やかに染めて、小さく首を振る。
「私の、ここが……広がってしまったのかもしれません」
申し訳なさげに、肩を竦めて。
「ラースの、すごく……大きいから」
「可愛らしく、おねだりできるようになったものだ。私のペニスは大きいのか」
「とても、大きくて……おなかの奥まで、入ってます」
そろそろと腹の辺りを擦る手首を掴んで、己を首に回させる。
「でも、ロイ。まだ全部入っていないのだよ。気がつかなかったようだが」
華奢な腰を掴んで、ぐいと押し付ける。
「やあっつ!やっつ……ラースっつ」
首を仰け反らせたマスタングが全身を震わせる。
「おや、ロイ。またいってしまったのかね」
どうにかこうにか根元までを入れ切った瞬間。
ナニが恐ろしく淫らな蠢きで愛撫される。
吸い上げて締め付ける両方を、膣と襞だけでやっけのけるのは天性の名器という奴だろう。
「いわな……言わないで……くだ……さっ……」
「泣かなくてもいいよ?怒っている訳ではないのだから」
えくえくと喉からしゃくりあげるようにして、苦しげに体を揺らすマスタングの目の端に唇を寄せ
る。
涙特有の塩辛い味も、湿気を帯びたバスの中では舌をほんのりと擽る薄味だ。
「ロイが上手に動いて、私をいかせてくれれば後は、ベッドでゆっくりしてあげよう……できる
ね?」
「今は、今はできない……できませ……」
「どうして」
お湯ごと腰を揺らす。
ちゃぷんと湯の揺れる音に紛れて、ちゅぷんとペニスが出入りする音がする。
「あ!ああっつうんっつ」
「どうしてだね、ロイ」
「やぁっつん……いった……ばっかりで……このまま、した、ら」
赦しを請う仕種で、頬が摺り寄せられる。
「おかしく……おか、しく…なってしまいます」
「いいじゃないか?幾らでもおかしくなりなさい」
「でも……らぁあっつ!」
立て続けにと到達を迎えた体は休息を欲しがって、私の腕の中しんなりとしなだれてしまって
いた。
私は折れそうに華奢な腰を抱えて、強引な出し入れを強いる。
「あ!あ!あ!っつ……ああああっつ」
瞳からは愉悦の涙が幾筋も伝う。
顔も体も湯の熱と追い立てられる体の熱で、これ以上は無いだろう鮮やかな紅に染まってい
る。
「赦して!許して下さいっつ。もう、らあす。ああううん」
「また、いったね……と、いうよりはいきっぱなしなのかな」
吸い尽くさんばかりの絞り上げも、やわやわと永遠に包み込まれていたいような蠢きも、先刻
よりずっと続いていた。
普通の成人男性ならば軽く三度は、出しているだろう。
それこそ、鋼の錬金術師ならば。
「おねがいっつ!お願い・・…しますっつ。もう、いって。出してください。私の中に、せぃえきを
出して……いって…お願い、だからぁ」
「後少しの辛抱だ」
「駄目っつ。もぅ、もぅ……ああ、またっつ」
「いくのかね?」
「ひあっつ」
壁に頭をぶつけてしまうのではないかと危惧する激しさで、首を仰け反らせるので、慌てて首
を引き寄せて自分の肩に寄りかからせる。
「ほら、もういくから。しっかり縋ってるんだよ」
「は、はいっつ」
バスから立ち上がりマスタングの背中を壁に押し付けて、抱えた腰をペニスの上に容赦なく
突き落とした。
「あ、深い……ふかっつ!」
「いいね。ロイの奥は。私はこの、こりこりした個所がたまらなく好きだよ」
たぶんそれは未成熟な子宮の入り口。
先端を吸い付く勢いのまま、突き放してくる弾力にとんだ個所。
全身から伝い落ちる湯が、交接部分に終結したように派手な音が響く。