軌道はここから小杉谷の分岐点まで川に沿って進みます、撮影には近くて便利ですが、あまり引きのあるところはなく、この区間は列車の時間帯登山者も結構歩くので、下手すると一緒に写ってしまう可能性があります。のんびり集中して撮るのであれば分岐点から先ということになりますが、軌道の様子はここから明らかに変化します。昼なお暗い森林軌道のイメージそのままに、枕木は苔むし、滑って非常に歩きにくくなり危険であります。ほとんどが引きのあるところがなく、途中「ヘリポート」になっているところを回り込むポイントと、以前の集材所のあったところなどはかろうじて開けていて撮りやすいです。それ以外は早朝である事と天気の悪いことで有名な屋久島のこと、なかなか露出がとれず苦労することになります。(私はほとんど+1増感でしのぎました。)

そして軌道は蛇行を繰り返し、高度を稼いで行きます。やがて現在の集材所のある川の前で軌道はぷっつりととぎれてしまうのです。聞けば一昨年の台風にやられて橋ごと押し流されたらしく、軌道は引きちぎられるようにねじれてなくなっています。もともとここにあった橋は強度に問題があったらしく、酒井はここまでしか来れなかったらしいのですが、その先端ぎりぎりに停まる酒井にあたしはびびりました。(このまま川へダイブするのかと・・・。酒井が水陸両用とは聞いていない・・・。)

   

山の上を見上げると崩れた崖のはるか上の方に古い軌道がぶら下がるように続いていました。愛林の方たちはここで二手に分かれて、一方はさらに奥の伐採した屋久杉のある場所へ、一方は無線で集材機を扱うためにここに残って作業することになります。午後の下りまで酒井はここで昼寝です。

余力のある人は沢を渡って、さらに続く軌道を辿ってみましょう。とんでもないものがありますよ、ふっふっふ。

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