泡瀬干潟埋め立て計画の場所    
 沖縄市の南西に位置する泡瀬。沖縄市提供埋め立て地図
その沖合に埋め立予定の「マリンシティ泡瀬」計画図。
泡瀬地区開発事業概要
整備目的  事業計画 
土地利用計画
開発コンセプト   環境影響評価
 右の写真右上の半島が泡瀬である。
 半島の左側から半島の先にかけて茶色(レキ)や濃い青(藻場・海草場)、白い砂浜が泡瀬干潟である。レキ干潟、藻場、海草場、砂浜などがパッチワーク状に連なりあって、自然のままの状態を保っている。このようにレキ、藻、海草、砂、沼地、マングローブなど多様性をもった干潟は他にはないそうだ。
 半島の先は、米軍の通信基地施設でありそこには、沼地が広がっていて水鳥たちは、干潮時に干潟で食事をして、満潮時になると通信基地の沼地や沖縄県総合運動公園隣のマングローブのある比屋根湿地へと帰っていくという。
写真提供:ジュゴンネットワーク沖縄
       「泡瀬干潟埋立問題」より 
 左の写真の中央部に見えるのがフリーゾーン埋め立て地域である。ここも泡瀬の埋め立て計画同様に出島方式を採用している。当初の計画とは裏腹にトカゲハゼのほぼ全滅。また埋め立て前は1000羽を越える水鳥が飛来していた場所が、現在では水路部分に10羽前後を確認するに止まった。出島方式で自然が守られないことがお隣りで分かっているのに総合事務局は、環境に最大限の配慮をするので大丈夫だと言い切る。
 毎年、フリーゾーン地区脇にある人工干潟に何百というトカゲハゼを放流している。それで環境を守っていると言えるのか?
 写真上部分の半島が泡瀬である。泡瀬も同じように出島方式の埋め立てであり、同じように人工干潟を作る予定である。
 沖縄には、復帰前まで多くの干潟があった。しかし、相次ぐ埋め立てで皮肉にも泡瀬が南西諸島最大となった。川田干潟(現在のフリーゾーン)は泥干潟でとても豊かな干潟であったという。昔の泡瀬を知る人が言うには、持ちきれないほど貝が採れたとか。
 左写真は、中城湾港新港地区工業団地の概要より
      (1995年頃の埋立工事中のものと思われる)
 この埋め立て事業の目的の一つに浚渫土砂の捨て場というものがある。
 浚渫(しゅんせつ)土砂とは、海底を掘り起こした土砂である。つまり、フリーゾーン地域に大きな船が入ると格好いいので、大きな船が入るように海底を取っちゃおうという安易な計画である。ちなみにフリーゾーン地区は、未だに多くの優遇税制等などで優遇された場所にも関わらず入居する企業がないという。今となっては、ぺんぺん草の茂る空き地となっている。多額の税金をかけ作ったが割に合わない開発だった。また、ものは言いようで総合事務局は、浚渫土砂の有効利用と言っている。実際は、廃棄物処理(不必要なもの)を泡瀬の干潟の開発にこじつけて押しつけているだけなのなのに。
 この埋め立て事業の本来の目的は、沖縄市のバブル期に計画された「マリンシティ泡瀬」である。とても採算がとれないということで一時計画倒れになっていた。そこに目を付けた国側と沖縄市の利害が一致したのがこの事業の始まりであった。公共工事が公共工事を生むという見苦しい事業である。沖縄の土木関係者の(後押しで)願ってもないことが実現したのであった。誰のための事業なのか疑問である。