中城湾進行地区の野鳥数の推移
 上のグラフは、中城湾港新港地区工業団地川田干潟跡地)の野鳥数をカウントしていた沖縄野鳥の会の山城さん提供のデータをグラフにしたものです。
 上のデータから野鳥が明らかに激減していることを見て分かると思います。泡瀬の干潟埋め立ても川田干潟の埋め立て同様に、出島方式を採用した埋め立てです。出島方式にすれば干潟の自然は、残ると埋め立て開発を推進する沖縄総合事務局は豪語しています。しかし、同じような埋め立てで本当に自然が守られるか疑問が残ります。彼らの自信は、どこから来るのでしょうか?総合事務局の担当者が言うには、「専門家の意見を聞いたから大丈夫だ」と言います。しかし、その専門家の名前を聞くと証せないと言います。どうして名前が言えないか聞くと「最初からその専門家の方とは、そういう約束であった。」と理由にならないことを言います。こういう開発担当者の訳の分からない言い訳が、この埋め立てへの不信感を増長させている。泡瀬の干潟を埋め立ててできる「マリンシティ泡瀬」を調べれば調べるほど、奇妙な点が見つかります。
 これら開発側の雑な対応や答えにならない返答は、開発側の傲りがあったと思われます。沖縄では、これといって大きな産業もなく復帰してから、基地との重圧を理由に7兆円近い財政投資が行われた。これらはインフラ整備にあてられ、沖縄の建設業者に仕事を与えて沖縄の復興に多大な影響を与えた。しかし、今その構造は変わらず復帰して30年近くなる沖縄においては、相変わらず建設業者を主対する開発が続く。泡瀬の干潟もそういう時代の歪みが生んだ開発の一つである。30年経っても変われない経済構造をもつ沖縄と、基地の重圧を押しつけ続ける日本政府の思惑が今後も続く。そして沖縄は、その母なる海さえも今失おうとしている。