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コミニケーション1

カードによるコミュニケーションが出来るようになるまで

              何を、どうやって伝えるか。悠くんからの要求をどうやって出すか。     
              サリーが取り組んできたことが書いてあります。    
 





実物でのやり取り

   絵も文字も写真も解らない状態
   でした。色の区別だけは出来て
   いるようなので、色と実物を使い
   ました。



    
    色のカード
    (100円均一で買ったパスケース)

  ・行き先の予告〔本人にとって必要な事だけを伝える。〕
     
予告したことは必ず実行する。
     行き先によってリュックを変える。
       保育所の黄色いかばんを見たら保育所だとわかるように
       見ただけで何処に行くか解るようにする。
     目的地に着くまでカードを持たせる。
       そのものの意味、何を伝えようとしているのかを理解して
       もらう。
          保育所          黄色いカード
          関西スーパー      赤いカード
          家に帰る         緑のカード
          バスに乗る        バス券

    ・おやつを実物2〜3個の中から選ぶ。
    
 好きなものの中から選ぶ。
       好きなものと嫌いなものを提示しても、好きなものしか
       目に入らないので、「選ぶ」ということが伝わらない。
       (一般的には嫌いなものと好きなものを提示して選ば
       せるようです。)
     要求したものが出てくるということを実感させる。

実物提示から写真へ

   いろいろ取り組んでゆく中で、絵や
   記号は解らないけれど、写真は何
   とか解るようでしたので、写真に変
   えました。


    
    食器棚に貼った写真


     
     冷蔵庫の食べ物ファイル


  
  お出かけ先を入れた写真ファイル


    
     ×と○とを伝えるために
     持ち歩きました。
     表が○で裏が×



    
     親用のカード帳


  
     学校用のカード帳
    毎日学校に持って行かせました。

  
  悠くんのランドセル
  お友達のものと間違えないように
  ケロッピーを描いちゃいました(^^ゞ

  ・おやつの選択を写真に
  
・すでに習慣化していて、声かけだけで行動できる事に、
   写真で提示をしてゆく

      
写真を壁に貼って、いつでも伝えられるようにする。
         食器棚  『ご飯』『おやつ』『飲み物』『空っぽのご褒美』
         冷蔵庫  食べ物の写真を入れたポケットアルバム 
        居間の壁 『トイレ』『お風呂』『寝る』『歯磨き』

          ★ 冷蔵庫に貼ってある『食べ物の写真のポケット
               アルバム』を、自分で取ってきて『パン』を食べた
               いと主張するようになりました。

              ↓

 
 ・伝える必要のあるものの写真をカード帳にして(親用のカード帳)、
   次の行動を必ず予告する。

      いつでも、何処でも伝えられるように携帯しました。

              

 
 ・『×』の意味を教える。
    「今日は『ポテト×』」で、出かけてみる。
      外出するときには、必ずマクドナルドでポテトを食べるものと
      思い込んでいて、ファーストフードのない所へは出かけられ
      ませんでした。家族にとってはとっても不都合なので、「ポテ
      トを食べないこともある」ということを伝えることにしました。
      

              

 
 ・外出のときには、本人にカード帳を持たせる。
      本人から要求が出そうなカードをまとめて、いつでも本人が
      要求できるようにする。
      要求が出たら出来るだけかなえてあげる。

        本人のカード帳  本人にとって必要な言葉だけを持たせ
                    ています。
                      ご飯、飲み物、おやつ、マクドナルド、
                      バス、電車、車、家に帰る、買い物
                      からっぼのご褒美(外食のときにデ
                      ザ−トを要求)
        母親のカード帳  伝える必要があるかもしれない写真を
                    すべていれて、持っています。

            ★外出時、カード帳を開けて『マクドナルド』を
             要求するということをし始めました。
     

    
そんなことをしてたら、子どもの言いなりになるじゃないかと
    思われるかもしれませんね。
    「要求を出す」ということが定着するまでは、言いなりでした。
    でも今は、出来ないことは出来ないと伝えていますし、「今日は
    出来ないけど、明日にします。」など、本人が納得するまで交渉
    しています。


              

 
 ・肩をトントンとしてから、要求する事を教える。

      

              

 
 ・本人のカード帳にそれぞれの場所など細かく要求できるように
   加える。

       
本人の要求が複雑になったので、要求が出るものを全て追加
                     (親用の写真帳が不要になる)


                                            本人のカード帳(コミュニケーションブック)  

        
意味のある発語がなく、言葉もほとんど理解出来ないので、  取り組みを始めるまで、何一つ伝える事が出来ずにいました。特に行き先を勝手に思い込んで、違うから怒り出す事がすごく多かったので、まず行き先を伝える事からスタートしました。
当時は写真も絵も解ってくれない状態でしたので、実物で示せるもの(バス券、地下鉄のラガールカード、病院の診察券など)は、そのままカードにして、実物を示せないものは色のカードにしました。これらのカードを、出かける前に手渡して、目的地に着くまで持っていかせる事から始めて、色だけのカードには、写真をプラスしてゆきました。
 (例えば、保育所の黄色いかばんの写真を黄色い枠で囲っ たもの)。

家の中では、食器棚の前、冷蔵庫の前、居間の出入り口に、それぞれに応じた写真を貼りつけ、クレーンでの要求が出たら、その写真のところへ連れていって、「おやつ欲しいの?これね」と、おやつを意味する写真(おやつを入れるお皿の写真)を示してから、お菓子の写真を並べてその中から選ばせる。というような事を続けていきました。

毎日続けていると写真が解るようになり、そして要求したものが出てくる事が解ると、自分から食べ物のカード帳を取ってきてめくって、欲しい食べ物や飲み物を要求してくれるようになりました。

食べ物はカードで要求できるようになった頃に、小学校の入学があり、いいチャンスなので、学校の中で移動する場所の写真(トイレ、教室、図書室、プレイルーム、学習室、校庭、体育館、ブランコなど)と道具類の写真(水筒、絵の具、鉛筆など)を、ポケットアルバムにして、毎日学校に持たせました。
先生には、言葉では伝わらないので、移動するときは、写真で示して欲しいという事と、どこかへ行きたがったり何かを欲しがったときは、写真を使って選ばせて欲しい事を、お願いして使っていただきました。

要求したものが出てくる、要求したところに行ける、要求すれば伝わるという事が解ってからは、自分からカード帳を持ってきて、行きたいところ、欲しいものの要求をどんどんするようになりましたし、写真もしっかり解るようになりました。

取り組みを始める時には「バスの実物ってどうするの?」と悩んでいましたが、今はスケジュールボードと写真でコミュニケーションがとれるようになりました。
『車』『マクドナルド』『買い物』と貼ると、『車に乗ってマクドナルドに行ってポテトを食べてから、買い物に行く』と理解してくれます。
嫌なスケジュールは、こっそりボードからはずしたり、やりたい事や行きたいところもこっそり貼っていたりします。
出来るだけ要求を聞いてあげるようにはしていますが、だめな事は『×(写真の上に×をつける)』と伝えています。
出かけるときは、本人が首からかけるカード帳を必ず持っていますので、トイレ、ご飯(お腹が空いた)、家に帰りたい、飲み物などの要求を出してきます。
                                    
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