機材編/オートガイダーの改造 Auto guider 戻る

近頃歳のせいか(苦笑)、オートガイダーを使って楽をしたくなってきました。 と、NS企画のオートガイダーVSTを 某ネットオークションで安く売っていたので、早速買ってみました。 ただし、ST-4互換のD-sub 15pinのコネクタは付いていますが、 専用ケーブルもないですし、そのままではEM-200には繋がりません。

普通だったら接続用の外部ボックスを工作するところですが、配線がややこしくなることには耐えられません。 で、どうせなら電源もEM-200からとって、コントローラも接続できるようにして…とできないものかと考えました。 出品者の方には止められましたが、現物を見て「できそうだ」と判断したので、早速改造しました。 これは、そのメモがわりのページです。

追記:さらに手を加えました。オートガイダーVST改造記はこちら
    EM-200Bコントローラのピン配列

私の持っているEM-200B(TemmaでもUSDでもない、旧タイプ)のコントローラに使われているコネクタは、 そこら辺に売ってるコネクタじゃなかったんです。 パーツ屋に頼んで、ヒロセ電機っつーところから、 取り寄せてもらいました。 オリジナルのコントローラ側(オス)のコネクタは、ケーブルと一体でカバー部分が樹脂になっています。 が、そんなものは受注生産で1ロット(当然、数が多い)単位でしか買えないとのことだったので、 金属カバー(もちろん互換品)にしました。メスコネクタは、あえばよいのでオリジナルと違うかもです。
右図は、コントローラのコネクタ(オス)を接続側から見たピン配列です。

コントローラ側(オス)
ヒロセ(HRS) HR212-10P-8P(71)

EM-200本体側(メス)
ヒロセ(HRS) HR12-10R-8SD(71)

EM-200コントローラ ピンアサイン
Pin
1DU
2DD
3Speed select
4(N.C.)-
5+12V
6RR
7RL
8GND

    NS企画 オートガイダーVST

これが、NS企画のオートガイダーVSTの内部です。 EM-200とのオススメの接続方法は、D-Sub 15pinのST-4オートガイダーケーブルでつないじゃうことです。 しかし、それだと電源を別の線で取らなければならないことや、 コントローラをつなぐためにはコントロール線を並列化する外部接続ボックスが必要になったりするのです。 そこで、どうせ改造するならば…と、

・オートガイダー本体は、EM-200と直接接続
 (コントローラの線を分岐する方法が一番工作は簡単らしいが、コントローラが扱いづらくなる)
・電源はEM-200からとる
・コントローラを接続するコネクタを増設
・ST-4オートガイダーコネクタ(D-Sub 15pin)は残す

という方針の下に、改造しちゃいました。

写真の下の方に写っていますが、基板上には DU・DD・RL・RR のラインが出ています。 ST-4コネクタにはここからリレーを経由して出力されますが、 EM-200にはリレーを介さずに直接接続できるとあるので、ここからコントローラと本体への 接続をすることにしました。

EM-200〜オートガイダーVST 間ケーブルの作成

EM-200側Pin
1(DU)
2(DD)茶/白
3(SP sel.)
4(N.C.)-
5(+12V)
6(RR)
7(RL)緑/白
8(GND)青/白

買ってきたケーブル(もともと外部接続ボックス用のつもりではあったけど…)が 6芯のシールドケーブルで線の数が足りませんでした(汗) 一応シールドをGNDとしたら7芯(相当)でイケそうではあったんですが、 結局ケーブルの外径が太すぎてコネクタカバーに入らず断念。 仕方なく、手持ちのRS-232Cケーブルをちょん切ってみたものの、3芯ケーブルで激怒!(笑)
後がなくなったので、イーサネットケーブル(これはちゃんと8芯)を使うことにしました。 それでも、太さがギリギリでカバーを付けるときに半田が外れたり苦労しました…OTL ツイストペアになってるために、表のようなへんてこりんな配色になってしまいました。

オートガイダーVST筐体への加工

これはカンタン!と思ったら、コネクタを付けるスペースがあまりなくて、 「ココしかない!」というところに穴を開けました。
他のコネクタ類が既に半田付け済みで外せないので、 筐体は組み上がったままの穴開け作業を強いられます。 なかなか神経を使う作業でした。

コネクタが入る15mmの穴(上)と、ケーブルが通る6mmの穴(下)を開けて終了。

コントローラ用コネクタとEM-200本体へのケーブルの配線

EM-200側PinEM-200〜VSTVSTVST〜コネクタコントローラ側Pin
1 DU 1
2茶/白DD 2
3 (直結)3
4- - - 4
5 +12V 5
6 RR 6
7緑/白RL 7
8青/白GND 8

VST内部では、DU/DD/RR/RLの出力と、EM-200本体と接続するイーサネットケーブル、 それからコントローラ用コネクタへの配線をしなければなりません。 EM-200とコントローラへの接続はVSTの基板上で並列化することにしました。 基板〜コネクタまでの配線は、カラーフラットケーブルを使っています。表はその色です。

改造後のコネクタ部

各線の導通と、クロストークがないかをチェック。 まぁ、外からの見た目は悪くないようです。 EM-200とコントローラの間に挟むように接続すると(もちろんビデオカメラはつなぎますよ)、 オートガイダーとして動作するはずです!

    オートガイダーVSTによる自動ガイド

テスト中のオートガイダーVSTです。

ガイド星がビデオ写野の中央付近に来ると、橙色のLEDが騒ぎます(笑)

スイッチをONにすると、キャリブレーションが始まります。 このとき、バックラッシュや移動量を測定するので、 コントローラのSpeed selectionは必ずlow側にしておかないと、ガイド星が吹っ飛びます(笑)

約2分ほどでキャリブレーションが完了して、オートガイドモードに移行します。 LEDがゆっくり(ほんとにゆっくり)点滅している間は、オートガイド中です。 十字に配置された赤いLEDが、不規則に明滅を繰り返します。

ガイド鏡の焦点距離は、写真鏡より長くないといけないので、Radian 10mm での拡大法に落ち着きました。 が、FC-76のドローチューブが短すぎて、そのままではピントが出ません。 ので、BORGの2インチアダプタを延長リングとして使えばよいようです。

テストの結果、ほぼ満足のいく結果でした。C8の1260mmという焦点距離でもオートガイドしてくれそうです。 あとで、ガイド鏡の合成焦点距離でも計算しておかないとな…。

撮影中は車の中でモニタをチェックするだけです。いやぁ、非常に便利です(笑)

    おまけ
ブッた切ったRS232C-RS422変換ケーブル ブッた切ったイーサネットケーブル オートガイド中
工作用に購入した6芯ケーブルが太すぎてコネクタにつけられなかったので、 手持ちだったRS232C-RS422変換ケーブル(MIDI音源用に買ったもので、\2000くらいの値札がついてました) を切って使うことにしました。9pinもあるのに、なんとケーブルの中は3芯!泣きながらも激怒です(笑) 仕方がないので、イーサネットケーブルを買ってきました。これなら8芯あるので安心です。 片方だけちょっと長めに切ってあるのは、私が小心者な所為です。あとで再利用できるかな…とか(汗) ですがこのケーブル、意外と固いので寒い屋外での取り回しに苦労するかも… 写真にはガイドの様子を監視するためのモニタが写っていませんが、車の中に置いてあります。 当然、エンジンをかけてエアコンの効いた状態です。ついに長年の夢だった“ぬくぬくガイドセット”の 完成です!
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