5月2日、今日は今夜いや、コンヤです。トルコの中でももっともイスラム色が強い地域かなっと思いました。やはり、女性はすべて顔を覆い隠し、写真に撮られるのもいやがるようです。このあたりのことは理解の上で旅行しましょう。
コンヤと言ってもピンとこないかも知れません。でも、大抵の人はアサシンって言葉を聞いたことあると思います。そのアサシンの語源はこのコンヤにあるのです。
コンヤの街はそれほど大きくはありませんが、やはり古くからの街だけあって神学校なんかもあります。そして、その神学校の一部が博物館になってました。ここにはタイルに描かれた絵がたくさん見られます。その中でも面白いのが人の顔の描き方です。西から東へと地域が変わるにつれて、とがった鋭い描き方から滑らかな柔らかい描き方へと変化して行きます。東洋と西洋の違いがすごくわかりやすいです。下の鳥人の絵はちょうどその中間のあたりで描かれる絵です。
ハーピーとかセイレーンがこんなだったような。
なんか不思議な絵が多いなぁ。前のノミが悪魔の象徴っていうのもそうだけど、やはり自然が人格を持って神格になるっていうのが体系的にあるんでしょうね。人の顔と獣の体の組み合わせって意外と多いです。ハーピー、セイレーン、スフィンクス、ラミア、ケンタウロス、アケボロス、etc。
中には人の体に獣も顔なんてのもありますけどね。ミノタウロス(牛頭人身)とか、インドのガネーシャ(象頭人身)とか。こっちはちょっと滑稽な気がするなぁ。
ハッシシをやりながらちょいと一踊り。
さて、そんなつまんないことを考えた後に訪れたのがメヴラーナ博物館です。先に述べたようにここがアサシン発祥の地。有名な「アサシン」と言えば暗殺教団ですが、まあ、そんな過激なものではありません。
イスラム神秘主義の教団の一つにメヴラーナ教というのがあります。1200年代にジェラルディン・ルーディーが興した宗派でその特徴に僧による集団祈祷があります。大勢のイスラム僧が円筒形の帽子にフレアスカートみたいな衣装を着て円舞を行うのです。円舞だけにくるくると回り続ける踊りです。めがまわるなんてもんじゃないらしいです。
しかも、その円舞の前にハッシシを吸います。ハッシシは幻覚作用のある麻薬で、もちろん今は使用禁止です。メヴラーナ教団もその活動を今は休止し、年に1度だけ、ルーディー氏の命日前後4日間に踊るのみになってます。12月初旬だったと思うけど忘れました。
このハッシシを吸ってある意味狂人的な行為を行うことや、中には過激な宗教活動を行った神秘主義教団もあったため、アサシンのイメージが作り上げられたようです。
途中の休憩で見かけた良い味のバイク。
世界にはいろんな人がいていろんな考え方を持って、いろんな感性を持って、そうして地球は回ってるんだなぁって思うと、すごく世界が見えてくる気がします。気のせいかもしれないけど。
で、コンヤの街を後にしてものすごい長距離を走ります。その距離約800km。途中いろんなところで寄り道しながらお茶を飲んだり地元の人と話しをしたり。ガイドの美根子エレルさんが日、英、独、土と4カ国後が堪能なおかげですごく助かりました。トルコでも英語が通じるのは都市部のみで地方は全然。ドイツ語ならいくらか通じます。出稼ぎにドイツへ行く人が多いらしいです。
トルコの人はほんとに親日家が多くて日本人を見るとすごく久しぶりに会った友達のような感じで話してきます。ちんぷんかんぷんな言葉だけどすごく嬉しいですね。
やはり地方では主力輸送手段の馬車。
トルコの農村部ではすごく時間がゆっくりと流れていて、交通手段も上のようなものばかり。まあ、車もありますがそれはもっぱら遠出の時だけのようです。近所のコンビニに行くにも車を使っている自分がなんかちょっといけない存在に思えました。トルコの人ってゆったりしてるなぁ。
そうしたトルコの人たちとふれあいながらバスは走りつづけました。目的地はパムッカレ。綿の城として名高い景勝地です。文化遺産的なものから今度は一転して自然の偉大さを感じさせてくれるところだそうです。
どんなものかわくわくしながら移動していると一面に黄色い花が咲き乱れている原っぱがありました。思わずバスを止めてもらってくつろいじゃいましたね。気分は山村戊長。漢字会ってるかな?
ツアーで普通こんな寄り道するかなぁ?
この行為はトルコの人にとっては不思議だったらしく運転手やバスの助手はどうなってんだ?って感じでした。日本人だけがこんなことに感心してしまうんだろうか?
おそらく、彼らの住んでいるところにはまだ自然が多く残ってるんでしょうね。日本じゃ下手すると土を見ずに過ごす日さえあるらしいですし。(幸か不幸か、うちは田舎なので・・・)
すごく小さな集落の中のモスク。
そんな花を眺める小休止の後、さらにパムッカレ目指して移動を続けます。もうすぐらしいけどかなりハードな移動です。
途中、いくつかの集落や羊飼いを見かけました。そんな小さな集落の中にもやっぱり大きくはないけどモスクが建ってます。トルコを移動している最中に感じたことの1つ。モスク=人の営み。どんなに大きな街があってもそれを意識することはなかったけど、たった1つのモスクを見るだけで、ああ、ここにも人が住んでいて、私が会社に行ってる時も寝てるときも、人が暮らしてるんだなって感じます。当たり前のことだけど改めて思わずにはいられないあたりが旅のよいところ。
で、ものすごい長距離を移動してやっとパムッカレについたのは夜でした。当たり前か。ここのホテルにはハマムがあって屈強なおっちゃんが垢すりをしてくれます。最初に体中石鹸の泡にまみれて洗われた後、ごしごしとこすってくれます。すんごく気持ちいいよぉ。しかも混浴でした。('-')フフ
ちなみにここには温水プールもあり泳ぐこともできたんですが、お湯が炭酸泉のようです。お湯の中で「パチパチ」と言う音が聞こえ、すごく気持ちがよかったです。
おかげで疲れも取れてぐっすり休めました。
ハマムはこんな感じ。絵葉書
けっしていかがわしいものではありません。