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永い間「無医村」であったトカラの島々であるが、「十島村」の努力により最近急速に医療改善がなされている。有人七島には医師住宅を備えた「へき地診療所」が設置されているし、1名の看護婦が配置されている。そして、「中之島診療所」には1名の医師が常駐し、「口之島」「中之島」「平島」「諏訪之瀬島」の4島の住民の健康管理と治療にあたっている。以前の無医村であったトカラから較べると、格段に医療状況はよくなってきている。

トカラ出身者でIターンやUターン、トカラへの移住を考えている人たちの中には、この無医村というのがネックになって、決断できないでいる人も多かったと思われるが、これからは医療に関しての不安からトカラ移住をためらうことはないだろう。

しかし、まだまだ医師の数は不足している。平成の「あかひげ」を実践できる若い医師が一人でも多くトカラに医師として、骨を埋める覚悟で赴任してくれることを希望する。インターンの受け入れに関しても、十島村が最大限の便宜を計ってくれるのではないだろうか。僻地医療に興味のある若い医師が1人でも多くトカラに目を向けてくれることを願う。


口之島診療所

中之島診療所
右の大型ヘリは、救急患者を搬送する海上自衛隊のものである。トカラの各島には都会でも滅多に見られない整備されたヘリポートがある。
これも、「最高僻地5窮地」がなせる技か?
鹿児島に最も近い口之島でさえ、写真の大型ヘリで鹿児島まで約1.5時間。本土で陸の孤島といわれる偏狭の地でさえ、病院までこんなにはかからないであろう。
このヘリが出動しなくてもいいようになるのはいつのことだろうか?
どの診療所も台風にもビクともしないしっかりした造りである。


訪問診療光景
トカラでの日頃の診療は、「へき地中核病院」である鹿児島赤十字病院の指導のもと、月1回の定期診療を行っているほか、移動保険所や保健婦による保険指導を行っている。
また、鹿児島大学の協力を得て、眼科、耳鼻科、歯科の巡回診療を実施し、小児科についても、県内在住医師のボランティアによる巡回診療が定期的に実施されている。

さらに、年1回、定期船も特別ダイヤを組み、結核検診を実施している。(「フェリーとしま」が臨時の診療所になるのである)

これらの巡回診療を補完するために各診療所と鹿児島赤十字病院を電話回線で結んだ画像転送システムを導入し、早期診断の一助としている。

また、平成4年度から、鹿児島市鍼灸師会の協力による鍼灸師の巡回施術を実施している。

以上のように、巡回診療は順調にその効果を挙げ、村民の病気に対する不安の除去にも役立ってはいるが、如何せん都会のように、ちょっと気になる時に病院に行くという訳にはいかない。

緊急医療についても、各島にヘリポートはあるが、夜間の離発着は今のところ非常な危険を伴う。なぜなら、夜間照明装置がないからである。(トカラでは月や星が出ない闇夜になると、前に伸ばした自分の手の先にある指が見えないほど漆黒の闇に覆われる。明かりなしでは、危なくて歩けない。当然のことながら、上空から降下するヘリには非常な危険が伴うのである。)
十島村では、緊急医療(急患対策)の一つとして、ヘリポートの夜間照明装置の整備を充実させる努力をしている。

「としま」での検診1
 
「としま」での検診2

十島村でも急速な高齢化が進む中で、老人福祉やそれを取り囲む社会環境や生涯教育に関する問題が浮き彫りになり、村民の関心も高まってきている。
十島村でも、これまでお年寄りにできる限りのケアを行うため、家庭奉仕員の制度を取り入れ、70歳以上のお年寄りを対象とした給食サービスや定期船利用の際に無料乗船券の発行による鹿児島等での受信機会ののサポートなどに取り組んできている。
しかし、国の介護保険の実施や少子化対策を含む福祉事業全体の多様化、複雑化が急速に進んでおり、施設のバリアフリー化、リハビリ機器の整備、布団乾燥車、入浴車の整備等、福祉対象者のニーズに合わせたサービスの整備を進めようとしている。
また、老人福祉ばかりでなく、村民全員が豊かな社会生活を送るためのサークル活動や生涯学習の機会提供にも村としてできる限りの援助を行っている。

ゲートボールに興じる村民
ゲートボールは十島のお年寄りにも人気のゲーム。本土のチームとの競技や全国大会などにも参加している。
 

高齢者
コミュニティーセンター

開発総合センター

社会学級
家庭教育や幼児教育、人権教育等の学習機会を村民に提供している。
各島で月1回実施されている。

スティールドラム教室
トカラでは急速に人気が出てきたスティールドラム。
活動の主体は小・中学生であるが、近年幅広い年令層に受け入れられるようになってきた。

花いっぱい運動の
メンバー
十島村の「花いっぱい運動」はお年寄りばかりでなく、小学生なども参加し、全島的な広がりを見せている。
村では、この運動を積極的に支援し、このメンバーが中心になって取り組んでいる「トラノオ」の栽培は、トカラの産業の一つとして将来的に有望視されている。

空手教室
島の住民の中で、空手有段者が中心になって子供たちを中心に教えている。
心身ともにたくましい大人に成長し、将来の村を背負って欲しいとの願いが込められている。
※ 当初、このページでトカラは「無医村」と紹介していましたが、当ホームページをご覧になった方が、掲示板に医師が常駐しているという意見を寄せられました。従いまして、このページの「現在、無医村」という記事を訂正させていただきました。
「トカラ」の医療現場で奮闘されている「hiro」さんには、貴重なご意見をいただきましたことを感謝いたします。

 
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