ジオン内痔核硬化療法

1.ジオンの成分

ジオンの成分は、硫酸アルミニウムカリウム(明礬)とタンニン酸です。

2.作用機序

硫酸アルミニウムカリウムは、痔核間質組織に無菌性炎症をおこし、それが修復される過程で組織の繊維化がなされます。その結果、粘膜層、粘膜下層の癒着・固定がおき、内痔核の硬化退縮が図られます。こちらの作用は持続的です。

他方、タンニン酸は、収斂作用により蛋白が凝固し、血管収縮・血液量減少がおき、止血及び痔核の縮小が図られます。こちらの作用は即効的です。

3.投与方法

仙骨硬膜外麻酔や局所麻酔により肛門括約筋を弛緩させ、病変痔核の各々に、以下の手順でジオンを局所注射します。

第1段:痔核上極部の粘膜下層

第2段、第3段:痔核中央部の粘膜下層と粘膜固有層

第4段:痔核下極部の粘膜下層

4.副作用

肛門痛、発熱、 直腸潰瘍など。

5.手術の段取り

当院では、別ページに記述通り、午前中の日帰り予定手術です。麻酔方法は仙骨硬膜外麻酔です。

術後約1ヶ月間の経過観察を行なっています。当院でのジオン実施の成績は、こちらを参照して下さい。

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