暖機スロットルバルブ修理



 さて、ボクの73もオドメーターはそろそろ10万キロを指そうとしている。その為か、最近、ときどき CHECK ENGINE のランプが点灯する。灯き方は非同期で一定ではないので、この手のトラブルは一般的には原因の特定が難しいが、ご存じの通り4JX1は殆どがコンピュータ制御なのでダイアグを使って原因の特定を行う事ができる。
 と言う事で、電脳のエンジンは一長一短あるが、今回は一短なお話し…。


●診断

 障害の診断にはTech2を使うのが簡単で確実だが、修理工場でもないと持っていないので、メーターパネルのダイアグを使って原因を特定する。

 運転席センターコンソールの付け根、フットレストの近所にDLC(データリンク・コネクタ)があるので、6番ピンと4番ピンをジャンパー接続する事により、エンジンを制御するECM(エンジン・コントロールモジュール)のメモリーに記憶されているダイアグ・トラブルコードを読み出す事ができる。

 ●DLCコネクタ




 ジャンパーを接続し、イグニッションをONにすると、CHECK ENGINE ランプが点滅しダイアグ・トラブルコードの表示を行う。

 ●ダイアグ・トラブルコード ”3 1”の場合


 点滅は、複数のダイアグ・トラブルコードがある場合には、3回ずつエンドレスに表示される。
 今回の表示されたコードは"74"なので、インテークスロットルポジション関連のトラブルと考えられる。


●修理

 さて、インテークスロットル関連のトラブルだが、2つの原因が考えられる。1つはバルブを制御するステッピングモーターの不良。もう一つはスロットルポジションセンサーの不良。ダイアグでは、”インテークスロットルポジションセンサーの高電圧/低電圧”しか表示されないので、モーターが悪いかセンサーが悪いか調べる必要がある。


 こちらがインテークスロットル一式。左側がステッピングモーター。右側がスロットルポジションセンサー。


 通常、この手のセンサーは5Vで動作しているので、センサーの信号をタップして出力とステッピングモーターの動きを観察する。(半分興味本意) 因みに、インテークスロットルは、暖機時とEGR時の吸気絞りおよび、エンジン停止時の吸気ストップ(エンジン停止時の振動抑制)を行っている。

 結果、現象は再現されなかったがステッピングモーターは動作しているので、スロットルポジションセンサーの方が怪しい…。(一般的にセンサーの方が早く壊れるという事はよくある)


 当研究所のテストベンチ(超高級定電圧電源とテスター)でスロットルポジションセンサーの出力を確認する。
 

 な、なんと! センサーの出力がバルブの角度に比例して一定しない。いわゆる、昔で言うガリオーム状態である。(古い!)

 センサーにマーキングを行い(バルブの角度と出力電圧は校正されているため)分解してみる。センサーの中はブローバイらしきオイルもどきが溜まっていて、これが接触不良の原因だろうか?(そもそも、ここはシールされているハズ…)


 接点復活材攻撃でかなり改善したのでこの場は納めたが、2〜3週間してまた再発するようになった。やっぱり交換か…。


 仕方がないので、いやな予感がしつつイスズの部販に行くと、アッシーで3万円とのこと!





 何考えてんだ〜 イズズ!

 必要なのはセンサーだけなんだ〜!
 頼むからセンサーだけ売ってくれ〜!


 と叫んでも売ってくれるハズもなく、されとて、たかが数百円の部品に3万円も払うのはバカらしい。たぶんセンサー自体は部品メーカーの汎用品だろ〜し、EGRの制御はエンジンの運転全域に効いているハズもないので(たぶん)、暖機運転やエンジン停止時のセンサー出力もおおよそでOKと思われ、校正もそれ程シビアな値を要求されないハズ…。(勝手に解釈)
 色々当たってみたが上手いのが見つからず、ちょうどヤフオクで73の部品取り車が出ていたので、インテークスロットル一式で12,600円(高い!)で購入。
 で、これで解決と思いきや、お話しは未だあって、送られて来た部品はバルブの動きがイマイチで分解してみるとセンサー側のバルブのシャフトが錆びてる…。(;_;)

 どうも水没車らしいです、ヤフオクの車…。 因みに、未だ出品されてますぅ…。

 仕方がないので、センサーだけ移植して無事解決! 高いセンサーになってしまった。



 ヤフオクに出てる部品って、街の中古部品より程度悪いものが多い気がする…。



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