LEDテールランプ


 テールランプをマーカーに変えて約半年、クロカンでは特に問題もなく結構調子良かったのだが最近になって若干気になる問題が発生した。そう、当初懸念したとおり暗い…。
 ランプをよく観察すると、当初は埃かと思っていた黒ずみは電球をノーマルの5Wから8Wに変えたことによる熱による黒ずみのようで、その証拠に、長時間点灯するスモールランプの方が黒ずみが多く、赤いインナーカバーは若干変形している…。
 ここは安全に関わるところなので早急に対処を行う必要があるが、どうしたものかと考えていたところ、怪しいジムニーがテールランプに廃車のストップランプ(LED)を使っているのを思い出した…。


● 調査

 早速、LEDについて調べたところ、最近は高輝度のものが入手し易くなっているようで、秋月電子通商マルカ電機工業あたりが色々と取り扱っている。

メーカー 型番 指向性
(deg)
輝度
(mcd)
順電圧(V) 順電流(mA)
東芝 TLRH180P 8 5000 1.95 50
台湾オアシス TOL-50aURsCEs 20 12000 2.25 20
東芝 TLOE180AP 8 7000 1.95 50
東芝 TLOH20TP 7 15000 2.0 50


 肝心の明るさだが、LED単体では電球には及びもつかないが、超高輝度と呼ばわれものを幾つか束ねればそれなりの明るさは確保出来そうな気がする。とりあえずは実験用にと秋葉原を徘徊し、はTOL-50aURsCEs、はTLOE180APを購入した。因みに、購入はマルカ電機工業でTOL-50aURsCEsは1個150円、10個で1350円。TLOE180APは1個120円。それと、廃車ファミリアからハイマウント・ストップランプを入手することができた。


● 回路検討

 さて、回路の方だがLEDによって流す電流が違うので注意が必要である。だいたい一般的なLEDで20mA、TLOE180APの場合は50mA.も必要になるので注意する必要がある。因みに、TOL-50aURsCEsは10個単位で買うと安いので、1個のランプに10個使うと無駄が無くて宜しい。LED 1個の順電圧は約2Vなので5個直列に接続すると約10V、これを2組作れば数的にはちょうど良いいのだが、車の場合、電圧が変動するのでよ〜く考える必要がある。

型番 電圧 5個順電圧(V) 順電流(mA) 抵抗(Ω)
TOL-50aURsCEs 12 11.25 20 38
13.8 11.15 67 38
TLOE180AP 12 9.75 50 45
13.8 9.75 90 45

 上の表から、LED 5個接続でバッテリー電圧の12Vで抵抗を計算してしまうと、エンジン稼働時の電圧(13.8Vと仮定)ではLEDに流れる電流が大過ぎてしまう。そこで、電流を一定にする良いデバイスは無いかと探したところ、最近は定電流ダイオードに容量の大きなものが出ているようで石塚電子のCRD E-153が15mAでちょうど良い。下の写真はTOL-50aURsCEsとCRD E-153。


 試しに、点灯実験を行ってみたところ電流が15mAの為か意外と暗い…。感覚的には超高輝度のTOL-50aURsCEsが普通のLED並みといった感じか…。抵抗で電流を調整した方が断然明るいので、しからばとLEDに過大電圧(3V)をかけてみるが特に問題もなく点灯する。
 参考までに、ファミリアのハイマウント・ストップランプの回路図を調べたところ、4個のLEDを直列に接続し抵抗だけで電流制限を行ってる。(LEDの数が少ない方が電圧変動の影響を受け難い) 抵抗値は実測で150Ωなので電源電圧を12Vとした場合、順電圧2VのLEDでは26mA、2.25VのLEDではちょうど20mAとなる。残念ながらLEDの銘柄までは分からなかったが、スペック的にはちょうどTOL-50aURsCEsあたりだろうか。

 以上から、多少(かなり?)の電圧変動はOKだろうということで、当初の予定通り5個のLEDを直列に接続し抵抗だけで電流制限することにした。写真は10個のLEDを点灯させたところ。


 こちらは赤いインナーカバーを付けてみたところ。


 絶対的な明るさを計測するテスターが無いので、UBSのブレーキランプを基準にして点灯試験してみる。やや光量が足りないが、それよりも点灯/消灯の差が分かり難い気がする…。


 やはり消灯している時はランプ自体が暗く(黒く)ならないと分かり難いので、ランプ自体に何らかの加工を行う必要がある。左がノーマルランプの状態。赤く塗った基板。


 ノーマルのインナーカバー(赤)を付けたところ。


 インナーカバーを外し赤い基板を置いたところ。


 結局、点灯していない時は赤と言うより黒に近い感じになった方が視認性が良さそうなので、赤い基板にインナーカバーを付けた方がより暗い感じになって宜しい。

 マーカーに基板を納めたところ。ここの上に赤いインナーカバーを付ける。


 点灯実験はこんな感じ。



 さて、スモールランプは以上でOKとしてブレーキランプは昼間も点灯させるので、より視認性を良くする必要がある。そこで、スモールランプの方は10個のLEDを2組にし、ブレーキランプ点灯時にも点灯させるようにする。



 点灯イメージ。左側は以前の状態でたいぶ明るくなったのが分かる。


 約10m離れたところ。


 約50m離れたところ。一応、認識できるので大丈夫だろう。


 さて、ウインカーの方だが、こちらもLED化を実験してみたがTLOE180APが予想以上に暗い。写真は真ん中が今までの8W球で右がLED。当然、消費電流も少なくハイフラッシャーになってしまうので、その対策も行う必要がある。が、よ〜く考えると、常時点灯しているワケではないのでレンズが黒ずむこともないのでこのままとした。


 一応完成! スモールランプ+ハザード点灯状態。


 ブレーキを踏んだところ。


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