足回り補強


 
今回の研究テーマは「足回りの強化」。UBSの足回りの問題についてはタイロッドが折れる謎UBSでクロカンをするコツで書いたが、何か対策を考えないと安心してクロカンができない。そこで、今回は足回りの補強を行う。



●トレーリングアーム

 トレーリングアームの補強は比較的簡単だ。アーム自体は複雑な構造をしているワケでもないし、調整する部分があるワケでもないのでアングル等で補強してやれば良い。ポイントとしてはにアーム自体のしなりを考えること。具体的には下図のようにアームの下側から全体に力を受ける形で補強してやると良い。

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 岩などの障害物のヒットを考えた場合、地面からの高さを考えるとアームの上側に補強を入れた方が良い気がするが、これだと、アーム自体が直接衝撃を受けてしまうので、アームの潰れや曲がりにつながる。
 溶接機があれば、アームの下側全体にアングルを数カ所点付けで止めてしまうのが手っ取り早いのだが、ボクは溶接機を持っていないので「なんかうまい方法はないかな〜」と考えていたところ、TRACでこんなものを作ってくれた。これならねじ止めだけ済むし、衝撃を面全体で受けるのでしなやかさも失われない。今のところ、特に不具合は発生していないが、何か変わったことがあればレポートする。


●タイロッド

 さて、肝心のタイロッドの方だがこれは難しい。タイロッドは、車検のサイドスリップ・テストで調整したりするので溶接で補強するワケにもいかない。因みにビッグホーンの場合、車高を上げるとサイドスリップはイン側に振れるので車高をいじった場合は調整が必要だ。

 次に考えられるのはタイロッドの作成。折れるのは真ん中のシャフトなので、もっと強度があってしなやかな金属があれば、それでワンオフで作成するのも手だ。但し、現状でもS45C(クランクシャフトなどに使われる金属)あたりでできているようなので、クロモリ鋼などで作成すればかなりの強度アップにつながる。但し、粘りや加工性、入手経路やコストなども考えなければならないので現実的には難しい。そういった加工の仕事をしている所があって、半端モノがあれば安く上がりそうだが・・・。しかし、もっと太いモノで作成(交換)するのが本筋だろう。

 そこで、他車のものが流用できないか? 例によって会社の駐車場で色々な四駆をチェックしたが、ビッグホーン並みの長さを持ったものはなかなか見つからない。2tエルフのタイロッドが長さもピッタリで太さも二回りくらい太いのだが、ボールジョイントも太くなっているのでナックル側の加工が必要だ。ナックル側の加工は可能だが、ちゃんとした加工をするためには治具等が必要になるので、これも結構高いモノにつきそうだ。
 折れる原因としてはタイロッドの角度の問題もあるので、ナックル側のボールジョイントの穴を溶接などで埋めてジョイントが上から刺さるように穴を掘り直すか、一度カットしてひっくり返して溶接するという手も考えられる。但し、ナックルは鍛造品か何かの強度のある金属だろうから、変に溶接するとかえって強度が落ちることも考えられる。


 で、考えたのが現状のタイロッドの補強。真ん中のロッドの部分を肉厚のパイプ等で包み込む(ちょうど首都高の橋脚補強ね)など、色々と考えられたが結局出来上がったのがコレ。ちょうどダートラ等でタイロッドを折ったときの応急処置用の物と一緒だ。

 普通に付けるとこんな感じ。写真では分かりにくいが、端にプレートが溶接されていてボールジョイントのボディーとロックナットをくわえ込むようになっている。
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 今回は、もう一工夫して真ん中に追加のボルトを打つと共に、シャフト自体も肉厚のパイプを打ち込んで補強してみた(かえって裏目に出るかも?)。
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 これが打ち込んだパイプ。色々探した結果、規格もので太さの合う肉厚のパイプがなかったのでガス管のジョイントを溶接で繋いで使用した。プレス等で打ち込むとピッタリ。錆止めの亜鉛メッキ加工もしてあってバッチリ! バッチリ!
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 付けた結果はこんな感じ。ちょっと写真が暗いな。
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