Velidhu Island Resort
(ヴェリドゥ・アイランド・リゾート)


 

写真をクリックすると少しおおきな写真が見られます(一部写真のみ)。
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4回目のMaldivesへ


あれれ?Velidhu“Holiday”Resort
って書いてない? ま、いいか

今回が4回目の訪問となるMaldives。今回こそは首都のある南北マーレ環礁(アトール)を脱出し、少し遠い環礁へ足を伸ばしたいと思っていた。ここ数年のうちに、新しいリゾートがアリ環礁をはじめとして次々と建設(あるいはリニューアル)されていた。そんな中で今回候補に挙がったのが、バアア環礁の“Coco Palm Resort(ココ・パーム・リゾート)”とアリ環礁の“Maldives Hilton Langali Island(モルディブ・ヒルトン・ランガリ・アイランド)”、そして同じくアリ環礁の“Velidhu Island Resort(ヴェリドゥ・アイランド・リゾート)”だった。
今回の選定条件の中に、「ハウスリーフが素晴らしいこと」というのと「リゾートの快適さ」というのがあった。もちろんこれは毎回考えることなんだけど、なかなか両立の難しいポイントなのだ。予算にも限度があるし……優先順位をつけるのは難しかったけど、とりあえず、“ヒルトン・ランガリ”を第一希望に決め、さっそく手配会社に電話を入れてみた…が、しかし、なんとヒルトンはすでに満室だという。

他の旅行会社に当たってみてもよかったのだが、なにせ予算的にここの会社の値段でしかヒルトン・ステイは実現できなかったのだ。ココ・パームでも結局は一番お安いランクの部屋しか確保できない。
そんなとき、ヴェリドゥ・アイランド・リゾートの水上コテージならブッキングできる、ということになった。水上コテージ…!!どこのリゾートでも人気が集中し、値段が高いにもかかわらず一時は予約がなかなかとれなかったということで、私たちももはや水コテへの夢は諦めかけていたところだった。ヴェリドゥではまだ年内に水上コテージができたばかりで、新しく綺麗そうだ。雑誌などで見る限り、ハウスリーフも結構楽しめそうだし、島のロケーションとしては言うことはないけど、部屋の設備面などは必要充分…つまり質素な感じだったのが、新しい水コテということでこちらも期待できそう。宿泊費も他の水上コテージの相場より全然安い。もう、このチャンスを逃す手はない! 迷わず、予約を入れた私たちだった。

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出発〜Maldives入国

Maldivesへは既に乗り慣れたエアランカ、もとい、スリランカ航空を利用。そう、この年から、エミレーツ航空の傘下に入り、スリランカ航空として生まれ変わったのだという。エアランカ時代は成田発時刻が1〜2時間遅れたり、トランジットのコロンボ(スリランカ)での滞在時間が1時間から30分に短縮される、なんて日常茶飯事だった。今回はほぼ正午ころの出発だったが、これもさぞや遅れるのだろう…などと思っていたら、どっこい、きちんと定刻どおりに離陸したではないか!機体も塗り替えられ、ブルーベースの“SriLankan”の文字も目にサワヤカ。今までとどこか違う、今回のステイへの期待を乗せて、飛び立ったのであった。

現地時間で午後9時頃(日本との時差3時間半)に無事コロンボはカトゥナーヤカ国際空港に到着。いつも通りなら、ここで着くなり乗り継ぎカウンターへまっしぐらに進み、乗客どうしでの座席争奪戦となる。しかし、この場面でもいつもとは違った。実はシステムが変わり、成田にてすでにコロンボからの乗り継ぎ便の搭乗券も確保されていたのだ。ウソのようにゆったりとしたトランジット。帰りの乗り継ぎ時のために、あらかじめ空港内の土産物屋(特に紅茶ショップ)での物色もしておいた。ここで手に入る紅茶は美味しいと定評があるのだが、日本への帰国便が到着するときのみプライス・カードが密かに付け替えられる(つまり値上がりする) というまことしやかなウワサがあった。その真偽のほどを確認する意味もあった(なんちて)。

さて、コロンボでも定刻通り出発し(恒例の乗客数カウントはなかったようだ)、いよいよ一路Maldivesはフルレ国際空港へ。コロンボとは30分の時差で、所用フライト時間50分ほどだから、フルレにも現地時間で午後9時台の到着だったと思う。いつもは確か11時頃の到着だから、今までいかにのんびりしたスケジュールで運行されていたか、よ〜くわかった。
入国審査を済ませると、まず空港ビルの屋外にある、各リゾート・旅行会社別のチェックイン・カウンター(小さい屋台のようなもの)に向かい、バウチャーを見せて手続きしてもらい、帰りの航空券を預かってもらう。その後はいつもなら各リゾートからのお迎えのボートを待つべく、船着き場に向かうが、今回は一泊して、翌朝の水上飛行機にて目指すヴェリドゥ・アイランド・リゾートへ向かうことになっている。そこで、いつもの船着き場ではなく、空港島フルレと隣り島、首都マーレ間を往復している「タクシー」乗り場へと案内された。もちろんタクシーといっても自動車ではない。Maldivesでの足「ドーニ」というボートである。

マーレに着くと、現地人の旅行会社スタッフ、「アッディ」に案内されて、今晩一泊する“Kam Hotel(カム・ホテル)”へ。ここで、ちょっとしたトラブル発生。アッディが何やらフロントマンと口論している。どうやら私たちの泊まる予定の部屋が確保されていなかったらしい。Maldivesではダブル・トリプルブッキングなどというのは当たり前の世界。予約したはずのリゾートが取れていなくて、別のリゾートに無理やり部屋を換えられてしまうこともしばしばで、これを通称「島流し」という。幸い、私たちはまだ島流しに会ったことはないけど、新婚旅行初日にダブルブッキングの目に遭わされていることもあり、このくらいのことでは動じませんて。何とか、一時間くらいで部屋を準備してくれるという交渉が成立し(当たり前でしょう)、小さい部屋で休んでいるうちにその通り、用意してもらった部屋に通されてやっと落ち着く。

しかし、ここでも小トラブル。なんとスーツケースが開かない。輸送の間にボディが歪んでしまったらしい。これは、ダンナがシャワーを浴びている間に、スーツケースを叩いたり挙句の果てには床に投げつけたり(!)して、なんとか開くようになった。そして、とどめにはカベが薄くて、ベッドに入ったはいいけど隣りの客のテレビの音が筒抜けで眠れやしない。結構散々なマーレステイだったが、やはり旅の疲れか知らず知らずのうちに眠りに落ちていた。

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水上飛行機初体験〜憧れのアリ・アトール&Velidhuへ


マーレ街頭の映画ポスター(?)
マサラ・ムービーばかり

翌朝、朝食を取り、現地スタッフが迎えにきてくれる時間まではまだ余裕があったため、 7年ぶりのマーレの街を散策してみる。驚いたのは、車の多さとビルの多さだ。以前よりも、確実に乗用車の数と種類が増えている。しかも、日本車が多い。ビルのほうは、以前は確かエレベータが導入されていなかったために4階建て以上のビルは建っていなかったように思う。今回泊まったカム・ホテルもそうだが、エレベータも無事導入されて、高層とまではいかないが10階建てくらいのビル(その多くはホテルのようだが)が並んでいたのには本当にびっくりした。

散歩から帰るとチェックアウトをし、しばらくしてやってきた現地スタッフ(日本人女性)と前日のアッディとともに再び「タクシー」に乗ってフルレ空港へ。そこから乗合バスのようなものに乗り、水上飛行機の乗り場へ向かった。

水上飛行機は“Maldivian Air Taxi”という会社が運営している。乗り場にはチェックイン・カウンターがあって、行き先を告げて搭乗券をもらい、荷物を預けるのは通常の旅客機に乗るのと手続き上さほど変わらない。ちょうどその朝・その時間にはドイツからの便が到着するタイミングだったらしく、周りはほとんどドイツ人ゲストだった。彼らと共に行き先のリゾート別の搭乗時間を待つ。
飛行機は行き先のエリア別に、宿泊人数にもよるが近くにあるリゾート2〜3島を順に廻り、客を落としていくようになっていた。我々の目指すヴェリドゥはアリ・アトール(環礁)の北部に位置しているため、同じエリアの“Ellaidhoo Tourist Resort(エライドゥ・ツーリスト・リゾート)”とか“Halaveil Holiday Village(ハラヴェリ・ホリデイ・ヴィレッジ)”を廻ってから向かうらしかった。

そして、やっと私たちの乗る飛行機がやってきた。ここで現地スタッフとはお別れ。船着き場のようなところに赤いボディのプロペラ機がちょこんと待っていた。乗り込むと機内は本当に狭く、頼りなげな感じさえした。パイロットは二人。搭乗中の安全注意などを受けて、シートベルトを締め、いざ出発。


水上飛行機内の操縦の様子
も〜○〜、じゃないよね

海上を徐々にスピードを上げ、滑走(?)していき、ふわっと離陸(離水?)。恐怖感などは何も感じず、むしろ快適そのもの。あっというまに眼下にフルレ空港の全景が見えてきた。およそ40〜50分ほどのフライトだという。パイロット二人はどちらが機長だかわからないが、天井の上にあるスロットル(!)を二人で手を合わせるようにして握り、鮮やかに操縦している(ちなみに足はハダシだ)。
フルレや首都マーレは北マーレ・アトールの最南部にある。そこからヴェリドゥはほぼ真西に位置している。途中北マーレの環礁の南の縁のあたりを飛んでいったらしく、大小の環礁や島々が見えていた。あれはもしや○○島、こっちは△△リゾートでは…? ここぞとばかりに写真やビデオに収めた。

その後はしばらく、外洋の上空を通るため眺めとしては濃い色の海が広がっているだけだったが、やがてまた淡い水色の輪っかがポツポツと見えてきたなと思ったら、アリ・アトールだった。古くからリゾートが建設され、日本人ゲストも多い南北マーレ・アトールに比べ、アリはまだ手つかずの海が多く、魚もそれほど擦れていず、日本人も少ないという(それでも、マーレ・アトールに次いでリゾート数が多く、もっとレアな海を求めてさらに遠くのアトールを目指すゲストもいるが)。 ああ、ここがあの憧れのアリ・アトールなんだな、という実感はまだ湧かなかった。

2島ほどの他のリゾートにまず立ち寄る。バシャ〜ンという豪快な水しぶきとともに着水し、「ヒューッ」とゲストから歓声が上がる。そのうち一島は、水上飛行機の停泊できる桟橋を持たないらしく、海の上にプカプカと浮かぶ浮島(ポンツーン)に横付けされた。リゾート島からの迎えのドーニを待つゲストをポツンと残し、エアタクシーは飛び立った。迎えが来なかったらどうするんだろう。待っているゲスト達が心細げに映る。これもMaldivesならではの光景なんだなあ。しみじみ。


ヴェリドゥの全景が見えてきた

再び飛行機に乗り込むと、徐々に前方に見覚えのある三角形の島が見えてきた。あれが今回お世話になるヴェリドゥだ。できたばかりの水上コテージもちゃんと見えている。ヴェリドゥにはちゃんと水上飛行機用の桟橋があり、直接島にアクセスすることができた。さっそくリゾートのレセプションへ向かった。

 

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初めての水上コテージと、レストランのこと


水上コテージの外観(中央通路)
右手前の屋根の穴は
翌日塞がれてた

チェック・インも終わり、いよいよ初体験となる水上コテージへ。ヤシの葉で葺かれた屋根を持つ、ナチュラルな外観のコテージだったが、一歩足を踏み入れてビックリ! 広〜い! キレイ! 天井高〜い! もう大はしゃぎ。


テーブルの下はガラス張り

窓際にしつらえられたテーブルセットの床は、ガラス張りになっていて下の海面が見えるようになっている。このガラス張りの下(屋外)のところに、海面を照らす照明がついていたのだが、部屋に案内してくれたベルボーイが何度もこれを自慢気に説明していたのが微笑ましかった。その後しばらくすると、ルームボーイが来て、またまた同じ説明をしてくれたのには思わず吹き出してしまった。


部屋の中は意外と広かった

室内の設備やアメニティーや、外のデッキテラスからの眺めを一通り自分達でチェックしてようやく納得。島内散策に出かけてみる。まずは恒例のエクスカーション・チェックだ。ここではまだあまり多くの種類のエクスカーションはないようだが、シュノーケリング・ツアーやアイランドホッピングなどはあり、しっかり曜日と時間を確認する。

そして、そろそろ昼食の時間。Maldivesライフの大部分を占めるといっても過言ではない、この食事の質を見極めるのも大切なポイントだ。レセプションからほど近い島内唯一のレストランへと向かう。
Maldivesのメイン・レストランはビュッフェ・スタイルのことが多い。特に朝食・昼食はそうだが、ここでは夕食もそうらしい。夕食はサービス・スタイルが好きな私としてはちょっと残念だったが、特に不満というわけではない。

レストランに着くとテーブルに案内される。ここMaldivesではレストランのテーブルは滞在中、同じ場所を指定され、決まったウエイターがつく。ビュッフェ・スタイルとはいえ、ドリンクの注文を取りに来たり、空になった皿を下げてくれたり、食後のコーヒー・紅茶を運んでくれるのが彼らの仕事なのだ。さて、今回のウエイターはどんなヤツ? 毎回、楽しみのひとつでもある。やってきたのは、首の長い、昔一世を風靡した「クシャおじさん」みたいな顔をした、「アディル」君だった(現地語の発音は日本語でうまく表記できないから、アディルとしておく)。

メニューはカレーなどエスニックな感じのものからドイツ風・イタリア風など、わりと種類が豊富。
朝食はMaldivesはほとんどどこでも同じだったが、卵料理専門のコーナーがあって、そこのコックに好きな焼き方をリクエストすると、鮮やかな手さばきで調理してくれる。私はここでサニーサイドアップ(目玉焼き)を作ってもらって、日本から持ってきた醤油をかけて食べるのが好きなのだ。以前行ったリゾートでは、雌鶏の食べているエサのせいか、黄身が白い卵を使っていてどこもかしこも白い目玉焼きだったが、ヴェリドゥの目玉焼きは目玉がきちんと黄色かった。

また、昼食と夕食時になると「スープオヤジ」が登場した。これは何かというと、やたらとスープを勧めるオヤジ(というか料理人)のことだ。どんなに熱くてフラフラになっているとき(オイオイ、危なくないか?)でもこいつに「べ〜じたぶ〜る、すぅ〜ぷ?」とあの調子で訊かれるとつい「プリーズ」とボウルを差し出してしまっていた自分がコワイ。 でも、なんだかんだいって、この熱い中ですするスープもなかなかなのよね。

絶好の海に囲まれたMaldivesリゾート、午前中はたいていお魚と戯れ、泳ぎまくる。熱帯の日差しは強いし、昼食時の消耗は思ったより激しい。からからになった状態で、レストランに来てまずオーダーするのが、キンキンに冷えたビールだ。今回、グラスに注がれて出てきたため銘柄はよくわからなかったが、たぶんTiger Beerだったと思う。主にビール好きのダンナがこれを注文し、最初は私はソフトドリンクなぞを頼んでいたのだったが、あまりにもダンナがウマそうに飲むので、たまらずいつしか私もこれをオーダーするようになった。滞在の中盤あたりからは、ほぼあの一杯のビールのために、午前中を力いっぱい過ごすという状態になりつつあった。

また、海外旅行と切っても切れないのがミネラルウォーターだ。ここMaldivesでは、レストランで食事の際にオーダーすることになる。まず最初にペットボトル1本を持ってきてもらい、食事中はこれを飲む。食事がおわると、部屋に持ち帰ってもいいし、そのままテーブルに残してキープしてもらってもいい。滞在中のテーブルはずっと同じわけだから、ヌルイ水を飲むことに慣れてしまえば日本から持参した醤油の小ビンやらと一緒にテーブルキープさせてもらっておくと、甚だ便利である。


どことなく“クシャおじさん”似の
アディル

さて、私たちが滞在中お世話になったアディルのこと。最初はとっつきにくい印象だったが、ここヴェリドゥは日本人ゲストがまだ少ないらしく、日本語があまりよく話せないせいだとわかってきた。以前に行ったビヤドゥ・アイランドなどでは、日本人ゲストが多く、日本語が堪能なスタッフが数人いる。しかも、日本語の源氏名?みたいなものまで持っていたりするのだが、さすがにここはそこまで擦れていないらしい。それがまたいいと思った。帰国までにアディル、君にもいい日本語名を付けてあげるよ、なんて思ったんだけど、適当なのが思いつかなかったので結局アディルのまま通した。

このアディルが最初の印象はどこへやら、結構押し付けがましい(?)ヤツで、私たちから日本語を吸収する代わりに、 やたらとディベヒ語(Maldivesの言語)を教授しようとする。食後のコーヒーの時、シュガーポットを指差して「ハクル」「ハクル」とうるさい。なんだよぉ〜と反応すると、どうやら砂糖=ハクルというらしい。他にも皿・カップ・おしまい(食事が)…などいろいろと教え込まれたのだが、残念ながら帰国とともに全部脳味噌から消し飛んでしまった。彼の努力はいったい……?!(T^T)よよよ…

でも、アディルに教えられたうちでこれだけは忘れられないことがある。ビーチの往復をしていたときだったか、レストランの中庭の茂みにいる彼によびとめられた。手招きをされ近づいてみると、豆電球くらいの大きさと形をした、青い実を枝から取り、口に運んでいた。「ビニマグ」の実だという。恐る恐る食べてみると、初めは酸っぱいけれど爽やかな後味が残った。それほど青臭さもない。赤道直下の国Maldivesではこれを食べることで、清涼感を得てのどの渇きを癒してきたのかな。それ以来、その場所を通るたび、ビニマグの実を食べるのが習慣になった。今でもあの味ははっきりと覚えている。
最初は何、コイツ、なんて思ったけど、虫刺されで参っていたダンナにムヒクール(!)を貸してくれたりと、結構いいヤツだったなあ、と今改めて思ったりして。

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極上のパウダーサンド・ビーチ、そしてハウスリーフ


ビーチコテージを陸側から見たところ
島じゅう至る場所の砂がさらさら

朝食の後には、速攻ビーチへ。島内を歩いていたときにもうすうす予感していたのだが、メインとおぼしきビーチにでてみてそれは確信へと変わった。これぞパウダーサンド・ビーチの名にふさわしい、ふわふわっとした、粉砂糖の上を歩いているような感触の極上の真っ白な砂だった。しかも、ビーチだけではなく、島中至るところにこの砂が敷かれているのだった。というか、たぶんこれがこのヴェリドゥ島のもともとの砂質なのではないか?と思った。普通は他の島から綺麗な砂を運んでくるものだと思うけど。 いつもこの感触を足の裏に感じていたいがために、熱くてたまらないとき以外は、裸足で歩くことにした。

さらなるお手並み拝見、と海の中へ。さすがに、前年の世界的な海温上昇によって、ここヴェリドゥのハウスリーフの珊瑚もだいぶ白化現象が進んでいるようだ。以前は確かに素晴らしかったに違いないという面影はあったが。

ハウスリーフ(島の周りの珊瑚礁エリア)が発達しているリゾートでは、大抵リーフのところどころにパッセージといって、ダイバーやシュノーケラーがやたらと珊瑚を荒らさなくともリーフエッジまで出られるように珊瑚の一部を切って通り道としている場所がある。ヴェリドゥでは、古い桟橋の横がパッセージになっていた。ここを通ってハウスリーフの外に出て、向かって右回りの方向へと泳ぎだした。

いきなり、モルディブ・アネモネフィッシュのお出迎え。アネモネの住処であるイソギンチャクは棚のやや深いところにくっついているから、今までは遥か上から見ているという感じだった。ところが今回は一味違う。前年に訪れた久米島にて特訓をつんだおかげで、なんとかジャック・ナイフ(海面から垂直に潜行すること)をマスターしていた私(威張るなよ)、鼻先がくっつくくらいの至近距離で、アネモネちゃんをじっくり観察することができた。

パウダーブルーサージョンフィッシュサドルバックバタフライフィッシュなどのインド洋固有種にも次々ご対面できた。でも、気のせいかブルーサージョンの青色が他のところより薄い感じがするんだよなあ。もしかして、珊瑚の白化が影響しているんだろうか。彼らはいつも珊瑚の密生しているドロップオフの棚のあたりに多く住んでいるからな〜。ちょっと悲しい。


人物より海の色に注目のコト…?!

そして、圧巻だったのが、クマザサハナムロタカサゴの大群に囲まれたこと。シュノーケリングでこんな体験ができるなんて思わなかった。夢心地で、彼らのあとを夢中で追いかけながら泳いでいた。彼らはいくつかの群れをなして、ひとつが行き過ぎると次のがまた巡ってくるというように何度も何度も往復していたから、飽きるまでずっとそのあたりを漂っていればいやというほど一緒に泳ぐことができた。しかも、その後いつその場所に行っても、例外なく遭遇することができた。これが今回のシュノーケリングのメイン・イベントだったのだと思う。ナポレオンやカメなどの大物には会えなかったが、充分お腹一杯になった。


海から上がったばかりの海坊主
(…じゃないってば)

タカサゴの群れと反対側に泳いでいくと、数は少ないがムスジコショウダイ(インド洋固有種としてはインディアングラントというらしい)やカスミアジヨスジフエダイにも会えた。今回はAPS対応の水中用カメラを使って撮影したのだが、出入国の際のX線のトラブルか、フィルムが傷んでしまって、あまり鮮明な写真が撮れなかったが、いくつか掲載しているのでそちらをご覧いただきたい。

ちなみに、水上コテージの横からも海にエントリーできるが、はっきりいってここはお勧めしない。ナマコだらけなのだ。恐ろし〜い。前回訪れたParadise Islandでは水コテ側の海にもちょっとした根があって、ヨスジフエダイやミノカサゴ、マダラトビエイなんかにお目にかかれて楽しめたこともあり、ちょっとは期待したのだが、その希望ははかなく消え去った。

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ビーチ・バーのおかしなオッサン

泳いでいるばかりでは疲れる。ビーチに適当な場所を確保してチェアに寝転がり、ぼ〜っと海のほうや、ビーチで遊んでいる他のゲストを観察するのも楽しい。ここヴェリドゥはドイツ人ゲストが多いようだが、イタリアンらしきファミリーや団体もちらほら見かけた。ジョバンニだかエンリケだかいう名前の少年がいたずらをしては母親にどなられている。桟橋のほうでは「デルフィーノ!」とか何とか、叫んで子供がニ、三人駆けていった。そのあとをあわてて、大人たちも追いかけていく。そのときはぼ〜っとしていて状況を呑み込めていなかったのだが、どうやらイルカの群れが桟橋の向こうを通っていったらしい。気づいたときはすでに遅し、群れは遠くへ去ってしまった。ダンナは「見えた、見えた」といっていたが…。


桟橋が見える場所に陣取ったところ

陣取っていた場所はビーチに面して作られたバーのオープンテラスのすぐ脇だった。それで、バーにいるのが常連客だということがわかった。どうやらあれもイタリアンっぽい。毎日カード・ゲームを飽きもせず楽しんでいる。ほんとによく飽きないよなあ〜。
バーを挟んでさらに向こうを見ると、ビーチバレーのコートがあった。ここも、いつも誰かが試合をやっていた。日当たりが一番よく砂も熱いだろうに、よく平気なカオしてやってるよな〜、と感心。それぞれに、目いっぱい楽しんでいる様子でこちらまで楽しくなってくる。

日も暮れてくると、ビーチを引き上げていったん部屋に戻り、シャワーを浴びてさっぱりする。シャワーブースからは直接海は見えないが、全面擦りガラスになっているので外光がたっぷり入ってきてとても明るい。明るいうちの入浴(というかシャワー)もMaldivesでの醍醐味だ。
髪を乾かしがてら、デッキテラスに出て部屋の冷蔵庫内にあるビールやソフトドリンクをぐいっと飲む。太陽が海の向こうに消えていき、全く色合いの違うはずの空と海のブルーがだんだんと溶け合い、区別がつかなくなっていくのを見届ける。うう〜ん、この時間がたまらなくよいのだあ〜。

たまには、陽が落ちきらないうちにビーチ・バーへと出かけてみたりした。道々、サンセットを拝む。水平線すれすれのサンライズとサンセットが両方見られるのもMaldivesのいいところ。昼間は太陽をじっくり見たりしない(直接見たら目が潰れるからネ)から気づかないだけで、太陽が昇るまで、あるいは沈むまでの一部始終を改めて見ていると、なんて速く動くのだろうとびっくりする。なんか、宇宙の営みっちゅうものを感じますね、うん。Maldivesは星空もきれい(しかも赤道近くだから北・南半球両方の星座が見える)で、以前訪れたビヤドゥ・アイランドではくっきりと天の川が見えちゃったりしたのだが、今回はあまりよく見えなかったのがちょっとだけ残念。


水コテへの桟橋から見る日没

ビーチ・バーに着くと、カクテルなんぞをオーダーする。ダンナはだいたいビールか、カンパリ。私はそのときの気分で適当に。おつまみはナッツか何かだったのだが、実は3度目のMaldivesとなった前回のParadise Island Resortでのステイのとき初めて味わって、やみつきになったつまみモノがあったのだった。思い切ってそれをオーダーしてみた。ウエイターは最初少し渋い顔をしていたが、やがて「任しとけ!」って感じの表情になって、店の奥へ消えていった。

やがて、彼が持ってきたのは、「スライス・ココナッツ」。ヤシの実の白い身の部分を薄くスライスしただけの、素朴な食べものだ。ヤシの実のジュース(実の中の透明な液体)は飲んだことがあったけれど、白い身の部分はじっくり味わったことがなかったから、前回のステイでバーやシュノーケリングツアーのボートの上で初めて食べたとき、最初は「なんじゃこりゃあ」って思った。でも、海から上がったあとや、潮風に当たりながら飲むときのツマミにはこれが一番なのよねえ。本当はメニュー外のオーダーだったようなのだが、あとでお土産にひとつくれるとまでいう。このウエイターが「サラ」というヘンな男だった。

サラは人懐っこく、その後も私たちを見つけると、店の外だろうがスス〜っと近づいて来てにこやかに声をかけてくる。「ハネムーンか?」とか「どこから来たの?」とかのありきたりな質問のあとに、「次にやってくるときは子連れだね」とくる。なぜか、毎回毎回同じ会話の繰り返しなのだ。私たちのことを覚えているのかいないのか…最後まで謎の存在であった。

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エクスカーションに参加

ステイの間、いくつかのエクスカーションにも参加してみた。まずはシュノーケリングツアー。ヴェリドゥのハウスリーフも良かったが、もっとハイレベルな海も見てみたいと思うのが人の常。3か所ほどのポイントに案内してくれたのだが、ドリフト・ダイビングというか、ドリフト・シュノーケリングというか、まず海流の川上(?)でボートからエントリーし、30分後など決められた時刻に川下で拾ってくれるというスタイルが多かった。初めてだったのでボートの場所を見極めるのに最初戸惑ったけれど、流れに身を任せて泳いでいればよいので慣れるとこのほうが楽チンだ。

ステイ最終日の前日には、アイランドホッピングにも参加した。アリ・アトールの北部はリゾートがまばらで、通常は一日で無人島を含め3〜4島は廻るのだが、今回は2島だけとのことだった。でも、その中の1島があの「Nika Hotel(ニカ・ホテル)」と聞いて俄然楽しみになった。イタリア系の隠れ家的超高級リゾートで、ハリウッド俳優や世界の著名人がお忍びできているという。日本からのブッキングは不可能に近いとまでいわれてきた(現在は予約もとれるようになったと聞く)。
ドーニに乗り合わせたゲストの服装を見て、何かいや〜な予感がする。女性が皆、この熱いのにGパンやロングスカートをはいている。片や、私ときたら短パンにTシャツ、その下は水着だ。や、やばい…。

まずはドーニで1時間近くかけて、漁民の島“Mathiveri(マティヴェリ)”へ。近づくにつれ小屋のようなものが林立しているのが目に入る。何か進駐軍キャンプ(?見たことないけど)のような印象を受ける。上陸してみるとそれらの小屋は観光客相手の土産物屋だった。漁民の島とはいえ、こうした観光客からの収入に頼るところが大きいに違いない。
それにしても、今までのMaldivesステイで訪れた漁民の島のなかでは、規模が大きそうだ。国際電話のボックスまである。ガイドのドイツ人女性にも「あら、パレオとか持ってきてないの? しょうがないわねェ…」と呆れ顔をされてしまう。あ〜あ、やっぱり露出の少ない服装で来るべきだったなあ、と反省。

土産物屋では、イタリア人らしい親子がパレオを手にとって、あれこれ会話していた。父母と、顔立ちの綺麗な娘が二人(小学生と中学生くらい?)。どうやら、母は娘が日に焼けるのを気にしているらしい。娘はあまり気が乗らなかったようだが、無理やりに目の醒めるようなブルー系のものをひとつ選んで、さっそく着せていた。いずこも母は強し。
男性陣はすぐに飽きてしまったのか、店の外でタバコなんぞ吸っている。あねもねダンナも例外ではなく、プカーっとやっていたら、一人の背の高い男性に話しかけられたらしい。彼はダンナに「Maldivesへは何回目?」と聞いて、4回目だと答えると尊敬のまなざしで、過去のステイ経験をいろいろ問いただしてきたらしい。そんなこととはツユ知らず。

土産物をひとしきり物色してから、島内観光(?)をする。モルディビアンたちが、塀の中からこっちを見ている。8歳くらいの少年が、貝殻を1ドルで買わない?と持ちかけてくる。
島の真ん中あたりに、背のものすごく高い木が生えていた。ガイドさんいわく、「ベンジャミン」だという。え〜っ、これが、あのベンジャミン?? うちにもちっちゃいのはあるけど、こおんなに大きくなるのねえ。しかも捩れていないし。


Nika Hotelへの石造りのアプローチ

さてそのMathiveriを後にし、いよいよニカ・ホテルへ向かう。ほどなく石造りを基調とした、地中海風のたたずまいを見せる静かな島に到着した。桟橋からのアプローチといい、ただならぬ高級そうな香り(?)が漂っている。一目見て自分たちには無縁な場所と知る。
桟橋からすぐ入ったところにある、カフェで休憩となる。ここはカプチーノが美味しいことで有名らしい。しきりにガイドが勧めている。んで私もそれを頼むことにした。ダンナはこのクソ熱いのに、何を好きこのんでそんなもの飲むんだ、といってビールか何かをオーダーしていた。マイペースなヤツ。

その私たちの向かい側に、先ほどの漁民の島でダンナに話し掛けてきた、あの黒人青年とそのガールフレンドが座った。お国は聞かなかったが、彼はアフリカの出身で、ドイツに渡り働いている間に知り合ったその彼女といっしょにMaldivesにはバカンスで今回初めて来たという。Maldivesはとても気に入ってくれているようだ。よしよし。二人の意思の疎通はほとんどドイツ語でしているらしい。私も大学でドイツ文化を専攻していたが、あえて黙っておいた。カプチーノは結構いけた、と思う。サイゼリアのとどう違うか、と聞かれると困るけど。( ..)ヾ ポリポリ

お茶のあと、またも島内を散策。各コテージは高い塀で区切られ、ビーチもコテージごとに独立していて、プライベート性が徹底して保たれているのがよくわかった。かえって気が休まらないのでは、なんて下々のよけいなお世話。どっちみち私たちには手が届かないし、好んで来ようとも思わないし。
島の中ほどに生け簀があって、巨大なロブスターをさばく料理人がいた。どんな高級なディナーに上るのかしらね。想像もつかないわ。

さてさて、やっと庶民の味方、スーベニア・ショップにたどり着く。ここで悔し紛れに「Nika Hotel」のロゴ入りポロシャツなどを買う。ここでまたダンナがあのアフリカンにつかまった。どうやら細かい現金が足りないらしく、店にもお釣りがないといわれて困っている、両替してくれないか、ということらしい。私たちも両替できるほどの持ち合わせがなかったので、数ドルを貸してあげると非常に喜んでいた。

ニカでのフリータイムが終わり、帰途に着いた。夕暮れの中を静かに進んでいくドーニ。今日は潮の加減と風がまったくないせいで、海面がまるで鏡のように凪いでいた。こういうとき、イルカの群れに遭遇したら感動もんだなあ…と夫婦して目を皿のようにして探したが、とうとう会えなかったなあ。

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アクロバット・ショーの夕べ

ビーチ・バーでは毎晩、何がしかの催しを行っていたようだ。現地ダイビング・ショップのスタッフが撮影したらしいビデオの上映会は、一度観にいった。そして、アイランドホッピングの夜に「アクロバット・ショー」なるものが開催されるという。何やら面白そうだ。こういうものは後々の話題のためにも、見ておくに限る。ニカで知り合ったアフリカン×ジャーマンのカップルも、借金を返しにやってくるというので、時間になるといそいそと出かけていった。

おうっ、まさかの超満員。所狭しとありったけのテーブル・イスが敷き詰められ、押すな押すなの大混雑だ。ヴェリドゥに到着した当時は我々二人しかいなかった日本人だが、途中の便でやってきたのだろう、この席には3組ほど見える。試しに近くの日本人に話しかけてみると、埼玉からきたという。おお〜、ご近所さんではないですか?! でも、彼らはハネムーンだったらしく、現実に引き戻されるのを嫌がっていたのか、迷惑気な雰囲気がありありだったので、それ以上話題が発展せずに終わる。ま、いいか。
そのうち、例のカップルがやってきて、ドルを返されて握手を求められ、「Thank you」というとそそくさとまた出て行った。彼らはアクロバット・ショーなる催しには全く興味がないらしい。

そのうち、怪しげな音楽とともに二人の大道芸人が登場。やんやの拍手喝采。テーブルが用意され、小さいほうがその上に仰向けになり、大きいほうに手渡された小道具を足で回したりする。ときどき失敗する。ふ〜ん、アクロバット・ショーっていうからにはもうちょっとアクロバティックなものを想像していたのだけれど、足芸ですか。10分ほど冷やかして、我々も退散した。でも、こういう、ちょっとハズされるところがまた、Maldivesらしいのほほんとしたところなのよね。あばたもえくぼ、ってか。

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ヘンな置き物とスーベニア・ショップの青年

今回、我々は重大な使命を背負っていた。今回のMaldivesツアーに、本来一緒に参加するはずだったI君夫妻(あいにくご懐妊と相成って不参加となってしまった)のために、気の利いた土産物を探すという使命である。ご要望は「すっごくヘンな置き物」。ということで、行きのコロンボから、血眼で探していたのだけれど…。なんと、このリゾートのスーベニア・ショップ内で「それ」は静かに我々を待っていた!
いったい誰が、何を意図して作ったのか定かでない、この形。木彫りの人形で、筋肉隆々の人間が、上半身をひねった姿なのだが、首から上とひざから下がない。しかも、重い。ステイ最後となるその夜、意を決してその置き物を手に取った。
おそらく、この店のスタッフもこんなもの売れると思ってなかったんだろう。キャッシャーに持っていくと、「ほんとにコレでいいんかい」といわんばかりの顔をされた。それで我々に興味を持ってくれたのかもしれない。その店番の青年は、ポツポツといろいろなことを話してくれた。


スーベニア・ショップ

このリゾートでは珍しく、日本語がわりと流暢な青年だった。名前は「アハメッド」。例のウェイターのアディルの話をすると、彼と一緒に以前ビヤドゥ・アイランドリゾートから移って来たという。他のスタッフにもどこか共通したことだが、彼らはこちらがゲストだからといって、ことさらに媚びた態度を取ったりはしない。あくまでも、人間同士として対等なつきあいをしようとしている。というか、決して自分たちの基本線を崩すことがない。きっと誇り高い民族なのだ。アハメッドも、スタッフとして丁寧に応対してくれるが、目の奥ではイタズラっぽい光が時々きらっと見える。そんな感じだった。
我々が明日この島を出ることを告げると、彼もその日から休暇を取っていて、同じ水上飛行機に乗ってマーレへ行くという。帰るのはつらいが、これで楽しみの種ができた。


これが噂のベッドメーキング

他にも、このスーベニア・ショップではお決まりのリゾート名入りTシャツや、紺色ベースにろうけつ染めで熱帯魚柄が白く染め抜いてある綿のワンピース(結構ミニ丈だから普段あんまり着てないの…)などを購入。コテージへ戻る道すがら、サラにひとことお礼をしようとビーチ・バーの横を通ってみる。いたいた、またいつものように満面の笑顔で近づいてくる。手には、いつかの約束どおり、若いヤシの実を持っていた。これは自分たちへの嬉しいお土産だ。握手でお別れ。
コテージに戻ると、シーツと島に咲いているハイビスカスの花びらを使ったハート型のベッドメーキングがされてあった。ちょっと照れくさいが、Maldivesのリゾートでは最後の夜になるとこうやって惜別の念を表現してくれているらしい。話には聞いていたが、実際自分たちがやってもらうと嬉しいものだ。えへへ。

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Bye bye,Velidhu Island

遊びまくり、癒されまくりのほぼ5日ほどのステイも終わり、いよいよ出発の日がやってきた。思えば、雨期だというのに、ほとんど雨も降らず、毎日ピーカンだったなあ。島内のロケーションも最高、コテージも言うことなしで、ヴェリドゥって結構ポイント高かったかもしれない。そんな風に総括しながら、身支度を整えて水上飛行機専用の桟橋に向かった途端。
ザザーッ、とうそのような大雨。雨期には珍しくないスコールだが、今まで一度もなかったのに最後の最後で降るとは…。天候に恵まれた今回のステイと、雨のおかげで少しだけ出発が延びたことに感謝しながらダイビング・ショップの軒で雨宿りをした。


アハメッド(左側)

やがて雨が小降りになった。いつのまにかアハメッドも来ていて、桟橋のほうから早く来いと手招きをしている。帰りの飛行機は私の好きな黄色。ダンナにはお気に入りのアハメッドと黄色い機体を背に写真を撮ってくれとせがまれる。空が灰色でちょっと残念だねえ。
狭い機内に乗り込むと、あのアクロバット・ショーの芸人二人も一緒だった。日本への帰国便に合わせての出発で、今回帰国するゲストは私たちだけだから、アハメッド含め乗客は4〜5人しかいない。海面をしばらく滑走した後、フワっと抵抗がなくなった。いよいよお別れなんだなあ。

帰りは行きと少しルートが違っていた。やや北上し、ラスドゥ環礁に向かった。Maldivesには珍しく1島に3つのリゾートを有する“Kuramathi Tourist Island(クラマティ・ツーリスト・アイランド)”に降り立ち、帰りのゲストをピックアップする。これでラスドゥも制覇(?)できた、やったぜぃ!
そうこうするうちにフルレ空港に到着。スコールによってヴェリドゥ出発が遅れたため、パイロットが思い切りとばしたらしく、来たときよりも遥かに早く30分ほどでの到着だった。 エアタクシーの発着所で、手を振ってアハメッドとバイバイ。空港ビルにつくと、待っているはずの現地旅行会社スタッフ、アッディを探す。帰りの搭乗券を返してもらわなくてはならない。いたいた、スコールのせいで到着が遅れるかも、という情報を得ていて、のんびり来たらしかった。

搭乗手続きは長蛇の列となるので、できるだけ早く並ばなくてはならないが、それが終わってしまうと後は搭乗時刻まではひたすら暇だ。屋外のスーベニア・ショップを覗いたり、ファーストフードショップで飲み物を買って飲んだりして時間を潰す。頃合いになってきたので出国税を支払い、出国審査などを受けてビル内に入る。このビル内も数年前にすっかり改築され、小ぎれいな免税店や食品などの土産物を扱う店が並んでいる。この食品系の店でカレーパウダーなどここならではのお土産を買うのも恒例となっている。このカレー粉が結構好評なのだ。“vegetable”とか“beef”とか素材別に調合されていて種類が豊富だ。ただしそれなりに激辛!なので、使い方には注意。紅茶類もいろいろあるが、これはあとのお楽しみ、ここでは購入しない。

そんな買い物をゆっくり済ませた頃、やっと搭乗開始となる。ボーディング・パスを切ってもらい、ビルの外に出ると自分の足で搭乗機まで歩いていき、タラップを登る。機内に入り、席につくと後ろの席の日本人女性二人がなにやら騒がしい。どうやら、天井から水が垂れてくるので、席を替えてほしいらしい。ちっちっ、スリランカ航空ではそんなことにいちいちメクジラ立ててたら乗ってられないよ、このマーレ−コロンボ便はしばしばボロイ機種があてがわれるのだよ、アマイねオキャクサン。と心の中で毒づいてみた。しかし彼女らはやはり、キャビンクルーを呼びつけ、最終的には席をチェンジしてご満悦の様子。ふん、どうせ変わった先だって似たようなもんなのに。コロンボまでのたかが50分のフライトくらい、ガマンせい。そのオネーチャンたちが去ったあとには欧米人の親子が座ったが、ポタポタ来ようが彼らはそんなことは意に介さない様子。ますますあのオネーチャンたちの喧しさが不快感だけを残してしまった、小事件であった。

そうこうするうち、コロンボ到着。すぐさまショップへ直行。目をつけておいた紅茶の値札を見る。う〜む、やはりそうであったか。1ドル→2ドルになっている。安さを取るか、行きの荷物を少なくするほうを取るかの選択なのだ。結局、帰路についてしまった私たちには選択権がない。スリランカンのしたたかさに舌を巻きつつ、その値札の通りに金を支払ってその場を立ち去る。

コロンボから成田までは特筆すべきことはなかった、と思う。いつも通り、ベルトサインが消えて食事のサービスが始まると急に機体が激しく揺れたり、サリーのような民族衣装の制服を身にまとったキャビンアテンダントたちがそんな中で平然と動き回っていたり、機内販売があったり、という感じ。航空機マニアのダンナは旧エアランカ航空のペインティングの模型を購入していた。本来、子供向けに販売されてるものらしいんだけど。そうそう、スリランカ航空内で機内食を選択する際には、カレーが本格的で美味しいので、辛いのが苦手でなければぜひ試してみてほしい。

帰りの便は疲れもあって、行きよりも断然長く感じる。日本が近づいてくると心からほっとする。充分満喫したけれど、家に帰れるのがほんとに嬉しい。こうやってたまに家を離れることによって、家の良さがしみじみわかるというもんだ。でも、Maldivesももはや第2の家みたいなもん。またそのうち、帰りたくなるんだよな…と思いながら、成田を後にした。


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