そんなとき、たまたま他の家具を検討して通っていた家具店にて、なにげなく「こういう、傾斜のつけられる机を探しているんですけど」という話を切り出したところ、心当たりをあたってみてくれるという店員のことばに、ダメもとで望みをかけることにしました。
数日後、その店員から電話が入りました。「1点だけ、そのようなものが見つかりました」。
FAXでカタログコピーを送ってもらって、よくよく観察してみました。
…んんん、これは、なかなかよさそうだぞ! ちょっとカッコウは悪いけど、価格も手頃だし。
名称を見ると「スロープデスク」とあります。
インターネットで「スロープデスク」で検索をかけると、この商品の情報が数件ヒットしました。
どうやら、ネット通販を主体に販売されている商品のようです。
鮮明な写真も見ることができ、構造を把握できたので、その家具店に購入を申し込みました。
こうして、ようやく、私の《校正机》探求の旅はゴールを迎えることができました。
書棚の横に置かれた
スロープデスク。
(クリックすると大きい画像に)
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届いた当日、さっそく機能面を確認。
角度をつける機構ははなはだ単純なもので、天板の奥側(高くなるほう)の下にパイプが垂直についていて、脚のついた骨組みの水平に渡したパイプと十字に組み合わさるよう、金具で繋いであります。
その金具についたネジ(手で軽く回せます)を緩めて垂直のパイプを上下させ、調節することによって角度を0°〜90°までつけられるようになっています。
天板の、手を置く側にはちょっとしたペン置き(黒板の最下部にある、チョーク置きを想像してください)があり、奥側にはネジで緩められるつくりのこれまた簡単な紙ばさみが備えつけられています。なかなか使いやすそうです。
イス(これも今回、他の家具店で気に入って購入したオフィスチェアを組み合わせました)に座ってスロープデスクに向かってみると、イスの座面から天板までの高さが若干足りないようです。
そこで、次のオフの日に、DIYショップへ出向き、テーブル脚にかませるゴム脚と、「カグスベール」を購入しました。
ゴム脚は、高さを上げるためのものですが、市販のものでは目的に合ったものがありません。
そこで、適当なサイズのゴム製の円筒状の部品を4つ購入して、その片側に穴開け加工をしてもらいました。
ゴム脚を履かせた部分のアップ。
白く見える部分から下が
カグスベール。
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家に帰ってこのゴム脚を履かせようとしたところ、ショッキングなことが判明。
もともとこのスロープデスクについている、パイプ脚の先の黒い部品は、ネジ式になっていたのです。
つまり、この黒い部品をくるくる回して外し、同じネジ規格の継ぎ脚をつけようと思えばつけられたのです。でも、もうあとのまつり。ともかく、買ってきたものを取りつけてみます。
少し穴サイズを小さめに作ってもらったので、最初は入れるのに苦労しましたが、入るとガッチリと食い込んでちょっとやそっとでは取れない状態になりました。これで、天板の高さは5センチほど高くなりました。
そのゴム脚の下にさらにシート式の「カグスベール」を貼れば、畳の上でもラクに動きます。
実際に1〜2回仕事をしてみたのち、書類がずるずると落ちてくるのを防止するため、天板の手元側の辺にテニス用具の中にあったテーピング用のテープを貼り、ますます使いやすくなりました。
その後、この《校正机》で半月ほど作業をしてみましたが、腰から下の調子は上々です。
最初、腕の置きかたに慣れなかったせいか、少しだけ肩こりが復活しましたが、天板の傾斜のぐあいをいろいろに調整しているうちに改善されつつあります。
あとは、オフィスチェアが座面の高さだけでなく、背もたれと座面の傾きを個々に調節できるレバーがついたタイプ(これだけの高機能で、わりと安かった)なので、背もたれをいっぱいに前へ倒し、逆に座面をできるだけ後ろに倒れこむような角度に調節するようにして、背筋がピンと伸びた姿勢でデスクに対する前かがみ度を少なめにするよう、工夫しています。
もっと長い期間使用してみないとなんともいえないのですが、今のところ、体のぐあいもまずまずですし、頭の位置が上がって部屋の照明に近くなったため明るく感じます。
なにより、なにごとかあったときにすっと立ち上がれるのがgoodです。
書棚の隣りにデスクを置いていますので、辞書や資料類も床に散乱させることなく、さっと取り出せるので、以前よりは仕事部屋らしく見えるようになったのでは?と自負しています。
ちなみに、この校正机の名前は“ドウェイン”といいます(由来はFullhouseマニアならわかるかな?)。
あとは、仕事の中身の問題かな……(笑)。
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