Feel So Good -14-
  



  

「工藤〜。女が好むアクセっちゅーやつ知っとるか?」

「・・・聞く相手を間違えたな。オメー。」

「しゃーないやん。こない話出来るんはお前しかおらん。」

「んだよ。遠山さんか?」

「怒らせてもーたからな。なんや。まぁ。・・・たまにはやってもええかなと。」

「こっちが聞きてーくらいだぜ。」

「なんや工藤。お前ねーちゃんにマメにやってそうなイメージなんに、不得手なんか?」

「・・・悪かったな。蘭の奴あんまコレ欲しいとかアレ欲しいとか言わねーし。」

「慎ましやかやな。」

「遠山さんだってあんま我侭言わねーだろ。ったくこの恵まれ男が。」

「それ言うたら工藤の方がダントツやろ!」

「うっせー。ほら、そろそろだぜ。」

場所柄を考えて一応小声でこそこそ言い合っていた二人が、腕時計の時刻を確認して頷く。

同美術館の別の部屋。

せめて同じモノがターゲットだったら、警備も少しは楽だったろうにと二人は考えた。

ガラスケースに鎮座する常設展示の古伊万里の大皿。

国宝指定で、なんと時価数千万だというソレを取り囲む様に警官が配置され、出入り口には最新の機器がコレでもかと取り付けられている。

更に部屋の隅で控えている東西名探偵。

鬼に金棒という布陣で、予告時刻の12時を今まさに迎えようとしてした。

「んじゃ、服部。予定通りで。」

「了解。ま、楽勝やろ。」

長針が文字盤の天辺を指す。

ドンっと何処かで爆発音がし、悲鳴と怒声が掛け抜ける。

二人は同時に別方向に駆け出した。





  


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