061.アームストロング・ホィットワースアーゴシー旅客機[イギリス]

ARMSTRONG WHITWORTH ARGOSY PASSENGER TRANSPORT [U.K.]

全幅:27.4m、全長:19.3m、総重量:8,200kg、最大速度:177km/h/SL、
発動機:アームストロング・シドレー”ジャギュア”385馬力×3、乗員/乗客: 2/12〜20名、
原型初飛行:1926年
 
                                        Illustrated by Shigeo Koike , イラスト:小池繁夫氏

 1920年代後半に、インペリアル航空(今日の英国航空BA)の要求で開発された、旧き良き時代を代表する大型旅客機・1926年に完成した。1991年版カレンダ掲載のショート「カルカッタ」飛行艇がエジプトからインド、オーストラリアと植民地路線に使われたのに対し、もっばらロンドン-パリ、バーゼル、サロニカ、プリュッセル、ケルンなどイギリスとヨーロッパの主要都市を結ぷ路線に就航した。

 インペリアル航空の競争相手はフランスのエール・ウニオンで1927年にはパリ〜ロンドン線でLeO212のデラックス便で「レストラン機」を飛ばしていた。 これに対しインペリアルはアーゴシーの客席2つを取り除いて、イギリスらしくバーを設けて2人のスチュアードが食事と飲み物のサービスを行って競ったのである。

 胴体は鋼管溶接構造の四角し、断面で高さが1.9mあり、人間が立って歩ける。複葉の主翼を結ぷ支柱の中問と胴体の先端に空冷星型14気筒385馬力のエンジンが剥き出しに、無造作に取り付けてあり、支柱や張線が多く、設計は洗練されていないが、なまじっか空気抵抗だの空力的洗練などを考慮していないところに独特の風格が漂ってくる。

 ショート飛行艇と比較すると、どちらも乗客数は12人、複葉の三発機だが、総重量は約八トンと二割くらい軽く、エンジンの出力も三分の二とだいぷ小さい。これでも二基のエンジンで600mの高度を維持できたとされている。「アーゴシー」は七機造られ、すべてに英国の都市名がつげられていたが、1935年に最後の機体コベントリー号か引退している。 ちなみにイラストのG-EBLFは「グラスゴー市号」と呼ばれた。

 (クローズアップ)

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