305.フォッケウルフFW190 A8/R8戦闘機[ドイツ]

FOCKE-WULF FW190 A8/R8 FIGHTER [GERMANY]

全幅:10.50m、全長:8.84m、総重量:4,365kg、最大速度:625km/h/6,300m、

発動機:BMW801D-2 1,800馬力/離昇×1、乗員:1名、武装:機銃13mm×2+20mm×4、

原型初飛行:1939年7月1日

Illustrated by Shigeo Koike , イラスト:小池繁夫氏

 1941年秋、イギリス空軍は震憾した。ドーパ海峡を越えて進攻したスピットファイヤMkV戦闘機が、見馴れない新戦闘機、このフォッケウルFw190に手痛い被害を蒙ったからだ。

 Fw190の開発は、日本の二式単戦・キ44「鍾馗」より少し先行していたが、その性格も形も非常に似通っていた。FW190は連合国海軍の封鎖をくぐり抜けて、日本にも参考用の機体が送られてきた。

 日本陸軍のテストでは「鍾馗」とFw190の加速力ではほぼ互角、最大速度はFW190のほうが速かった。Fw190のエンジンBMW801は出力も大きく、しかも燃料直接噴射方式だったから回転の立ち上がりも速い。「鍾馗」がダッシュで対抗できたのは重量が軽かったからだ。

 日本の航空技術は空力や構造では外国に追いついていたが、エンジンやその燃料コントロール、可変ピッチプロペラ、機関砲、無線機などの基盤技術では、まだドイツに大きく遅れていた。画のA8/R8型は米国のB-17「空の要塞」の飛行機雲を追う姿だが、技術とパイロットの勇気だけでは傾きかけた戦勢をもとに戻すことはできなかった。

(Fw109を高高度迎撃を可能とするため、液冷エンジンに換装したFw109-D型やTa152-Hが登場したのは1944年)

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