018. モラン-ソルニエ N “ブレット” 戦闘機 [フランス]
         MORANE-SAULNIER N "Bullets" Fighter [FRANCE]

   
全幅:8.30 m、全長:6.70 m、箕面積:11.0 u、
発動機:ルローン回転式空冷星型 110 馬力、
総重量:510 kg、最大速度:165 km/hr、
武装:7.7mm銃×1、乗員:1
1916年
 
Illustrated by KOIKE, Shigeo  , イラスト:小池繁夫氏 2005年カレンダー掲載

  1914年、第一次世界大戦が始まると飛行機による偵察は極めて有益な情報をもたらした。それだけに敵の偵察機の行動を黙って見過すわけにはいかない。 ともかく鉄砲を積み込んで追い払おうとしたが、簡単には命中しない。

 そこで軽量な機関銃を操縦席の前方にガッチった。そのまま撃てば、自分のプロペラを射抜いてしまう。 モラン・ソルニエ社のオイゲン・ギルパート技師が、プロペラの背面(機銃側)に楔形の銅製プロテクターを取り付け、プロペラに当たる銃弾は弾いてしまうという強引な方策を案出した。

 このメカニズムを装着した飛行機で最初に活躍したのが、当時フランスで高名なデモ・フライト・パイロットだったローラン・ギャローだった。 ギャローは3週の間に5機を撃墜し、一躍エースになった。 そのときのギャローの愛機は、この画のモラン・ソルニエ“N”ブレットだと、長いあいだ信じられてきた。 そしてその誤解が、この飛行機を歴史的に高名にした。

 だが、今日ではギャローの愛機は前作のパラソル型主翼に角胴という組み合わせのモラン・ソルニエ“L”型だった(右のイラスト)というのが真説になっている。 しかしギャローの愛機も、フランス最高のエース:ジョルジュ・ギヌメールが最初にスコアを記録した時の機体も、この大きなプロペラ・スピンナーと弾丸形の胴体に中翼単葉という、見るからに高性能を感じさせる“N”ブレットであって欲しいというのがマニアの心情である。
 

 


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