中国黒竜江省酪農乳業発展計画
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中国乳業優位区域の発展計画


( 農民日報 2003.5.30 「中国農業部」公布)

一 発展の現状

(一) 生産の概況

改革開放以来、わが国乳業は大いに発展した。

2001年において、全国乳牛飼養頭数は566.2万頭、乳製品の生産量は1,122.9万t(その内の牛乳生産量は1,025.5万t)であり、1978年に対しそれぞれ11.8倍、11.57倍となり、1人当たりの乳製品消費量は8.8kgとなっているが、世界平均レベルの1/11、先進国の1/30にすぎない。

1 生産区域

わが国の乳業生産は主に牧畜地区、農業地区及び都市近郊に集中している。牧畜地区の内蒙古、新彊の乳牛頭数は全国総量の35.8%を占める。農業地区と農牧結合地区の飼養頭数は全国の半分を超え、その内、飼養頭数の多い省は黒龍江省、河北、山東、山西、陝西などの省である。飼養頭数が比較的に多い大中都市近郊は北京、上海、天津などである。乳業生産量から見ると、年生産量が100万t以上の省は黒龍江、河北と内蒙古であり、全国総生産量の37.5%を占め、その内黒龍江省はわが国乳業生産の第一の大きな省で、生産量は全国の17.1%を占める。

2 乳牛品種と生産レベル

わが国乳牛の主な品種はホルスタイン種とその交雑改良牛であり、又、牛乳と食用兼用はシンメンタール、草原紅牛、三河牛と新彊褐牛である。その内、良種のホルスタイン種は、約150万頭で、主に大中都市の近郊、黒龍江省と農業地区の一部に散在し、シンメンタール、草原紅牛、三河牛及び新彊褐牛は主に広大な牧畜地区に散在している。

2001年の全国乳牛の1頭当たり生産量は3,000kgであるが、アメリカとイスラエルの1頭当たりの平均生産量は、8,400kgであり、デンマーク、フランス、日本などは6,500kg以上になっている

(二)乳製品の加工状況

近年来、わが国の乳製品加工業は大きく発展し、数ヵ所の強い実力を持つ乳業集団が現れており、たとえば上海光明、内蒙古伊利、河北三鹿、北京三元、黒龍江省完達山などである。2000年、わが国の乳製品加工企業は1、500余りになり、その中で年間の販売金額が500万元以上は359ヵ所あり、1億元以上は12ヵ所ある。それと同時に世界に有名な外国乳製品会社数社がわが国に進入しており、たとえばネスレ、クラフト、ダノン、パルマレートなどである。2001年における全国液体牛乳と乳製品の生産量はそれぞれ280万tと105.4万tになり、そのうち液体牛乳の生産量は1996年の5.4倍であり、年間40.1%が次第に増加する。

(三)乳製品の消費状況

わが国の乳製品消費は主に都市と町に集中している。2000年、都市と町の一般家庭の乳製品消費量は1人当たり11.66kgであり、1992年より2倍近く増加し、農村の一般家庭の乳製品消費量は1人当たり1kg近くである。先進国の肉、卵と牛乳の消費比率は0.4:0.06:1であり、乳製品消費の比率は一番高く、わが国の比率は6.7:2.8:1であり、乳製品消費の比率は一番低く、わが国の牧畜地区の消費の中で一人当たりの脂肪の占有量は世界の平均レベルの5%を超え、蛋白質は世界平均レベルの20%より低く、動物性の食物の吸収栄養のバランスが崩れている。

(四)乳製品の貿易状況

わが国は、ずっと乳製品の純粋な輸入国であり、2001年各種類の乳製品輸入は15.3万tであり、貿易の入超は1.76億ドルであり、そして今後の数年間、関税が下がるにつれて、乳製品の輸入量は次第に増加する可能性がある。乳製品を輸入する対象は主に香港、マカオ地区で、少数は東南アジア国に輸出するが、輸入対象国はアメリカ、オーストラリア及びニュージーランドなどの国に集中する。

(五)主要課題

1.優良乳用牛が不足

当面、わが国の乳業を速いスピートで増長させることを抑制する主な原因は優良な乳牛が足りないことである。現在わが国の乳牛飼養頭数は566.2万頭があるが、優良乳用牛は150万頭ぐらいしかない。牛の生産場所が不足なことから優良乳用牛の数量も少なく、そして種牛の輸入数量は大幅に増加し、牛の価格も上昇した。

2.飼料、粗飼料の生産と加工システムの建設が遅延

高生産乳量の基礎は生草飼料と良質牧草である、しかし、現在わが国には専門の粗飼料栽培基地がまだない。草原の退化と砂漠の面積は、1.35億haになり、そして毎年200万haの速度で増加しつつあり、牧畜地区の乳業生産の発展を抑制した。わが国の乳業生産用の飼料とその加工レベルが低く、飼養乳牛の農場と農家はやはり自分で作る飼料を主とする、配合飼料の数量と品質は価格的にも生産発展の需要に適しない

3.加工企業が小規模

現在、わが国の乳製品加工企業の中で処理能力が1日当たり100t以上の企業は約5%程度を占め、処理の能力が1日当たり20万t以下の企業は半分以上を占める。これは欧米、オーストラリア、ニュージーランドなどの乳製品加工企業が1日当たり2,200tぐらい処理する規模と鮮明な対比になっている。2000年におけるわが国の乳製品加工企業の中で販売額が上位十位企業の総販売額はわずか70.42億元であり、世界第一の大きな乳製品加工企業である「ネスレ」と比べると同年の販売額の7.2%にすぎない。

4.産業化が低水準

飼養が散在し、産業化組織のレベルが低く、小生産と大市場の矛盾が以前として際立っており、相当数の牛乳生産者が加工企業と強くて穏やかな利益連合の体制をいまだ形成していないことから生産と加工がくずれおり、生産の安定と調和した発展に不利となっている。

5.品質検査システムの組織化が遅延

わが国は、乳業発展と乳生産品の品質安全に関する基礎施設の方面において先進国と比べ相当遅れている。手搾乳の比重が大きく、先進国と比べて原料乳の品質は一定の差があり、さらに、わが国が作成した原料乳の品質標準も相当低い。品質の検査においては、少数の大型加工企業は原料乳の集乳に際し、簡単な品質検査を行うが、第三者の検査は殆ど無いので、生乳の品質を確保できない。

二 市場見通しと競争力の分析

概観すると今後の一定期間、わが国の乳業は速く健康的な勢いで発展していく。その主な要因は下記の諸点である。

(一)国内市場の需要が旺盛

人民の生活レベルが向上するにつれて、消費意識が変わり、国内の乳製品市場は次第に拡大した。2000年おける都市と近郊地区の住民の1人当たりの乳製品消費量は1992年より2倍近く増加し、消費階層もやはり収入レベルの高い都市と近郊地区の住民が主となっている。上述の消費増大速度については、「学生飲用乳計画」の実施などの要因もあり、2005年の全国消費量は1人当たり10ないし12kgになる予定であり、牛乳類の総需要量は約400万tが増加する。2010年になると全国の牛乳類の消費水準が1人当たり16kgになり、牛乳類の生産量は2,600万tにする必要がある。

(二)資源量大、一層発展する潜在力を具備

わが国には4億haの草地があり、食糧の転化の潜在力も非常に大きく、加工用の粗飼料資源が非常に豊富である。耕地を草地にし、草地改良と農業構成の調整を図り、栽培業の三元構成を確立し、また牛舎飼養技術の推進と普及によって、乳牛発展のための飼料供給の確保を図った。わが国は養牛大国であり、飼養頭数も多く、品種の資源も非常に豊富であり、牛乳と牧畜発展のための堅実な基礎作りを促進した。

(三)コストは価格相対比較上優位

乳業は典型的な労働集約型産業であり、わが国労働力資源が豊富なことと低廉価格から欧米国家と比べ、生産コストの点で大きな優位性がある。2000年におけるわが国の生乳1kg当たり生産コストは北米と欧州聯盟国家より45%低い。

(四)生産品の消費特性は国内乳製品市場固めに有利

乳製品は主に固体乳と液体乳であり、固体乳はチーズ、粉乳などで、液体乳は液体の生乳を主とし、わが国消費量の一番大きいのは液体乳である。液体乳は保存と長距離運送に不便で、国際的な貿易量も少なく、市場開放がわが国生乳生産への衝突に対し大きくない。粉乳の消費は主に農村と中小都市にあり、輸入粉乳の価格が高くて、多量に市場に入るのは難しい。自分の優位を市場の競争優位に変えることによって、国内市場を固め、輸入乳製品との衝突に対抗すると同時に、国際市場の門を開く。

三 発展の方法と目標

(一) 発展の方法と原則

1 発展の方法

市場に添い、優良種を基礎とし、経営の産業化を絆とし、先頭企業を拡大強化し、基地の経営規模レベルを向上し、産業の科学技術進歩を速め、生産の集約化を早急に実現し、生産品の良質化、産業の現代化を実現し、全国乳業が、高速、調和、健康的に発展することを先導する。

2 発展の原則

相対的集中を原則とする。優位生産区域の基盤・資源状況などの要因を総合に考え、先頭企業と消費市場の建設が集中結合した生乳基地に関して、主導産業が突出し、区域全体で推進する状態が形成されている。

先頭企業の先導を原則とする。市場の需要を狙って、知名企業を作り、有名生産品を製造し、市場システムを整備し、産業化を通じて、乳業現代化を先導する。

効果を重要な原則とする。経済と社会と生態の3効果に配慮する。乳業の発展を通じ、農牧民の豊かさを促進し、資源開発とその保護、乳牛増大と環境保全の要因を総合的に考慮する。

四 優位区域の分布

(一)選択根拠

市場優位

区域内の経済が相当発達し、住民の消費水準が高く、住民が食用乳と乳製品を食する習慣が基本的にあり、乳製品の消費が穏やかに増大していること。すなわち地域内の市場が安定しており、市場増大が見通しが良いこと

資源優位

区域内の気候条件が良好、飼草、飼料の資源が豊富で、乳業生産発展の独特な条件を具備していること。

基盤優位

区域内の乳牛潜在飼養資源能力が大きく、優良種化の程度が高く、優良種の繁殖育成システムが整い、飼養規模の発展が速く、基礎施設とサービスシステムを比較的に整備し、発展のための良い条件を持っていること

基盤優位

区域内に国内先頭の乳製品加工業と著名なメーカーがあり、生産、加工及びセールスが一体化となる初歩的組織化が形成されていること。

(二)優位区域の分布

1 北京、天津、上海の牛乳優位区域

本区域は北京、天津、上海という3つの都市で13ヶ所の重点県(区)と25ヶ所の農場を包括しており、これは、都市近郊の典型的乳業発展の類型である。2000年における区域内の乳牛飼養頭数は11.6万頭、牛乳生産量は39.4万tであり、それぞれ3都市総量の62.3%、54.4%を占めている。北京、天津、上海はわが国の3大中心都市であり、経済が発達し、住民消費の水準が高く、1年の1人当り牛乳類消費量は30kg以上であり、しかも、市場の需要量の拡大が速く、消費が安定している。区域内に三元、光明など国内の有名企業がある。当区域は優良種化と牛の資質が高く、たとえば、北京、天津には多くの乳牛農場の乳牛が1頭当たり7,000kg以上の水準になっており、上海市の第七牧場の乳牛は1頭当たり9,052kgになっている。現在、問題になるのは環境保護の圧力が大きく、飼草と飼料の資源が不足なことである。

北京市においては、順義、大興、密雲、房山、延慶などの5ヶ所の区(県)と区県内の10ヵ所の農場を重点として建設している。天津市で武清区、北辰区、寧河県、静海県を重点として建設している。上海市おいては南かい、奉賢、金山、崇明という3区1県と15ヶ所の農場を重点として建設している。

2 東北の牛乳優位区域

本区域は、黒龍江省と内蒙古の2省(区)で37県(市、旗)を包括しており、これは牧畜地区と農業と牧畜業の結合型による乳業発展の類型である。

黒龍江省は、国家の重要な商品食糧の基地であり、正に世界の乳牛地帯に位置し、ホルスタイン乳牛の飼養頭数、生乳生産量及び乳製品生産量は全て全国第一位であり、1人当り乳量生産は全国平均レベルに対し6倍であり、全国第一の乳業大省である。乳製品加工の方面において、黒龍江省は完達山、竜丹などの国内有名メーカーを育成、また、ネスレ、光明、伊利などの海外と国内の有名メーカーを移入した。

内蒙古には広大な天然の牧場と豊富な飼料資源があり、環境が概ね良好で、牧畜民には乳牛飼養と、牛乳と乳製品を消費する習慣があり、乳業の成長に有利である。伊利と蒙牛という2つの乳業集団の発展と成長に伴い、上海光明、北京三元集団の進出もあって、乳牛飼養頭数と牛乳生産量の増加を加速した。

2000年の区域内におけ内蒙古には広大な天然の牧場と豊富な飼料資源があり、環境が概ね良好で、牧畜民には乳牛飼養と、牛乳と乳製品を消費する習慣があり、乳業の成長に有利である。伊利と蒙牛という2つの乳業集団の発展と成長に伴い、上海光明、北京三元集団の進出もあって、乳牛飼養頭数と牛乳生産量の増加を加速した。る37県(市、旗)の乳牛飼養数は69.5万頭、牛乳生産量は174.8万頭であり、2つの省(区)の総生産量のうち、それぞれ46.9%と74.7%を占めている。しかし、乳牛は1頭当たりのレベルが高くなく、分散飼養の比率が大きさ、主要な販売地区から遠いといった課題がある

黒龍江省では、中部においてハルピン、綏化、牡丹江など3つの地域(市)と七つの市(県)を重点として建設し、西部において綏化、大慶、チチハル、黒河など4つの地(市)域と14ヶ所の市県区を建設し、東部において鶏西、双鴨山など2つの地(市)と3つの県(市)を建設する。内蒙古では、呼和浩特市、包頭市、呼倫貝尓盟などに3つの生乳基地を重点として建設し、その中で呼和浩特市の4つの県(旗)、包頭市の1つの旗、呼倫貝尓盟の8つの旗県と農業を合わせて13ヶ所の旗県と農場を含めている。

3 華北の牛乳優位区域

本区域は、山西、河北の2省で29ヶ所の県(市、区)を含んでおり、農業地区と牧畜業と牧業が結合した乳業発展の類型である。河北省は北温帯、中緯度にあり、気候に恵まれ、全省の飼草と飼料の資源が豊富であり、乳牛飼養に適している。河北省は北京と天津2つの都市に囲まれ、南と北の中心部にあり、東と西の要路である。乳業を発展する独特な地域優位性を持つ。山西省は気候が穏やかで、飼草と飼料資源が豊富で、全省には300ムー以上の大きな草地が5,600万ムーあり、各種の農作物のわらが1,500万トンある

2000年に、区域内における29ヶ所の県(市、区)の乳牛飼養頭数は42.6万頭、乳牛生産量は78.5万tであり、2つの省の総生産量のうち、それぞれ57.6%、66.7%を占めている。区域内に国内で有名な乳製品加工企業は三鹿、古城、楽百氏などがある。当区域は地理的位置がよ良く、加工基盤も良いが、乳牛品種が多様で、1頭当たりのレベルが低く、改良と頭数を増やす任務が非常に重い。

河北省では唐山、保定、石家荘、承徳などの4つの地(市)と14ヶ所の県市を重点として建設する。山西省では太原、大同、朔州、きん州、きん中、臨ふん市などの6つの地(市)と15ヶ所の県(市、区)を重点として建設する。

五 主要建設項目

(一)優良種の繁殖育成システム

導入と繁殖拡大と選抜を通じて、中核的乳牛群と種雄牛の資質及び生産水準などに全体として向上、区域内の種付けステーションの建設を強化、人工授精と受精卵移植技術を通じて、優良種の所有率を向上する。

北京、上海と黒龍江省の3つの種雄牛ステーションを重点完備

(二)酪農(原料乳)基地

建設の重点は「飼養の規模化と搾乳の集中化、サービスの統一」に関する生産モデルの発展であり、牛乳と農業を合作組織化し、酪農家と加工企業の緊密な関係を強化し、経営の産業化を推進する。

を建設する。

(三)牧草と飼料生産システム

草地改良と種子栽培の構成を調整することを通じて、良質牧草とサイレージ飼料を生産し、乳牛生産効率と牛乳品質の向上を図る。優位区において乳牛配合飼料生産ラインを10本増加;サイレージ用トウモロコシを良質な人工草地290万ムーに栽培;地下サイロ(池)1,800万m3を建設し、サイレージ裁断機械を2万台、サイレージ収穫機械を1,000台購入する。

(四)疾病予防・治療システム

乳牛の普通病と特定伝染病の抑制を重点として建設し、原料乳の品質安全を確保する。

区域内で規定の動物伝染病が無い区の建設を要求し、完全な疫病状況報告、疫病予防と疫病終息システムを形成

地方の獣医ステーション1,000ヵ所を整備し、乳牛疫病診断と治療器械等を主として整備する。

(五)品質検査システム

重点は完全な品質標準システムの確立であり、市場に進入する入口を良く把握する。 生乳と乳製品の品質検査標準化と品質保証システムの確立

ISO9000品質認証システムと結合する。これは生乳品質標準、乳製品生産、加工と品質の標準、その後の品質認証システムの研究と制定を主に包括する。乳製品品質検査センターを7ヵ所建設・整備する。

(六)先頭企業の改造

優位生産区の重点乳製品加工企業に対して技術改良を行い、先進的な加工設備と加工工芸を導入、生産規模を拡大、区域内で1日当たり生乳加工能力を2.5万tに向上、貯蔵・運送のシステムを7ヵ所に建設・整備し、これには主として貯蔵・運送缶と冷凍運送車などを含める。

六 主要措置

(一)先頭産業を強化拡大、経営の産業化を強力促進

積極的な政策指導を取り、商業を招き、資金を導入して、社会融資などの方法を通じて、大規模、高標準で、現代的新型加工企業を建設し、加工レベルと生産品のランクを向上する。現在の先導企業に対し、構造刷新と技術改良を実施、競争力の強い民族乳製品加工業企業を確立する。優位企業によって、実力のある企業間連合と併合などの方法を通じて、乳製品加工企業が小規模散在という不利な情勢をできるだけ変革する。メーカー戦略を実施し、優位区域の現有諸民族メーカーを育成し拡大する。

「会社+農家」の形態を大いに促進し、有効な組織手段を取り、先頭企業と基地農家を調整、指導して、サービスシステム、契約システム及び株式合作システムなどの方式を通じて、利益の還元を実現して、乳業産業化の速度を促進する。

(二)科学技術進歩を加速、産業発展水準を向上

種雄牛のステーションと高生産母牛場を中心として国内外の遺伝資源を十分利用し、家畜改良種子の生産基地を建設し、乳業大発展の需要に応じる。優良乳用牛の登録から着手して、乳牛生産能力検定を整備し、乳牛品質の継続向上を図る。同事業標準とモデル化飼養技術を大いに促進して、高乳牛の科学技術管理水準の継続的向上を図る。

(三)品質検査システムの整備、牛乳・乳製品の安全確保

標準化の構築を強化し、国家牛乳品質管理暫定施行法及び乳製品の国家標準の制定を加速する。先進手法で、性能を完備し、サービス面積の大きい品質検査センターと品質検査機関を建設・拡大し、飼料、生乳・乳製品の定検と品質管理・監督を強化する。法定動物疫病区指導体系を確立し、動物疫病情報予報と終息システムの整備に対し増加投入する。牛舎、搾乳場の環境制御を強化し、生産段階で生じる汚染を防止し、特に機械化搾乳、情報(データ)管理を普及し、生乳品質水準の確実な向上を図る。飼料安全を基礎として、生産原料、買入加工、添加剤など生産段階で生じる残留薬品と汚染有害物を厳格に制御し、良質、安全、健康乳を創造する条件を整備する。

(四)合作経済組織と仲介サービス組織を強力支援

各種の合作経済組織と仲介サービス組織を育成・指導し、同業界内における調和と連帯の作用を十分に発揮する。先頭企業がサービス組織の設置と建設に参加するよう激励と支援を行う。養牛合作会社を設立・整備し、酪農生産者協会と株式の生産加工サービスの一体的連合体を主要形態として創立・整備し、分散酪農家を組織して利益共同体を形成し、各自の生産と経営行為の規範を通じ、サービスの系列化を推進し、基地の農家と先導企業の利益関係を密接にして、生産と加工の双方の調和発展を確保する。

(五)積極的な市場開拓、都市・農村住民の乳製品消費拡大を誘導

栄養知識の普及、科学的消費習慣の養成により、消費者群を拡大、サービス水準の向上などの面から着手、早急に都市と農村住民の乳製品消費量を増加する。マスコミを支援し、乳製品の栄養健康と民族体質の増強面で宣伝・教育し、これを政策と資金で援助する。全国各地が実施する「学生飲用乳計画」の有利な契機を利用し、政府と市場の2つの力が有機的に結合することを通じて、市場の増大を育成、大勢の人が朝食革命に参加するよう先導する。国内市場を強化すると同時に、東アジア、東南アジア、東欧などの国際市場を積極的に開拓し、乳製品の輸出を拡大する。

 


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