中国黒竜江省酪農乳業発展計画
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プロジェクト実施の背景と経緯

要請の背景

中国政府は庫か開発第9次5カ年計画(1996年〜2000年)において、食糧増産を中心とする農業の発展、増強を重視しており、これを受けて黒龍江省政府は、「黒龍江省を農業大省から農業強省へ転換し、全国の農業生産基地とする」という目標を掲げている

黒龍江省は、寒地で冬期間が長いことから、年間を通じて収入を得ることができる農業は畜産業しかない。他方、広大な草地面積を有しており、未利用飼料資源が多いことから、酪農に適しており、牛乳と乳製品の生産量は全国第一位となっている。黒龍江省政府としても酪農乳業の発展を重視しており、「半壁江山(農業に占める畜産業の割合を半分にする)」というスローガンの下、酪農乳業の振興に努めているが、牧草の質が低い、乳牛1頭あたりの乳量が低い、飼料の開発が遅れている等の問題を抱えている。

かかる状況から、中国政府は1996年8月30日、日本政府に対し、酪農と乳製品の製造技術に関する新技術の開発研究を行うプロジェクト方式技術協力を要請してきた。

プロジェクト実施に至る経緯

事前調査

国際協力事業団は1997年10月に事前調査団を派遣した。その結果、黒龍江省の酪農・乳業の現状等からプロジェクト実施の妥当性は認められたものの、中国側の要請内容が予想以上に大規模であったことから、通常のプロジェクト方式技術協力のスキーム、予算の制約の中では実施不可能であり、相当の絞り込みが必要であると指摘された。

短期調査

日本側は1998年に調査団の派遣を計画したが、黒龍江省で大規模な洪水が発生したことからこれを延期し、1999年7月に短期調査を派遣することとした。しかしながら、同調査団の対処方針案を中国側に連絡したところ、「日本側方針案が中国側が要望している協力内容より大幅に後退したものであり、調査団の受け入れは困難である」旨の連絡があった。日本側対処方針案と中国側要望のかい離は依然大きく、中国側の受け入れ体制が整っていないという判断の下、同調査団の派遣延期が直前に決定された。

その後、文書の往復を経て、双方の歩み寄りが見られたことから、2000年8月に第1次短期調査が派遣され、不足している次項について調査を行うとともに、実施機関、プロジェクトサイト、協力分野について協議を行い、プロジェクト実施の可能性を確認した。

さらに、2001年1月には第2次短期調査が派遣され、協力基本計画案、プロジェクトデザインマトリクス(PDM)案、暫定実施計画(TSI)案、実施体制図案を作成合意した。

実施協議調査

以上の調査結果を踏まえ、2001年4月に中国側実施機関(黒龍江省科学技術庁)及び関係機関と協議を行い、4月16日に討議議事録(R/D)及びミニッツ(PDM、TSIを含む)の署名、交換を行った。

なお、ここにおける主な協議内容は次のとおりである。

  1. プロジェクト実施管理室長、C/P、作業員などの確実な配置(主に酪農サイト)
  2. モデル牧場の整備
  3. 援助範囲の再度の確認等

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