RADIO DAYS 2008b


13.宇宙からメリークリスマス(2008.12.25)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の基本実験の一環として、E-Mail伝送実験「宇宙からメリークリスマス」を実施した際に発行されたクリスマスカードである。

設定された期間中に申し込むと「きずな」衛星経由でこのカードが転送する事が出来た。

すでに受付は終ってしまったが、パソコン用だけではなく携帯用のカードも用意されていたようだ。

この2枚はいずれもパソコン用のカードである。

むろん自分宛にも転送は可能なのだが、今回は『LUNA FM』というインターネット放送局から頂いた。

この実験に使用された衛星は今年2008年2月23日17時55分、H-IIAロケット14号機によって打ち上げられた高速インターネット技術試験衛星「きずな」

因に『LUNA FM』はそのJAXAの打ち上げ実況をストリーミング放送しているネット放送局。VHF帯で電波を出しているFMラジオ局ではない。

無線やBCLとは直接関係はないのだが、今後QSLカードやベリカードもこういった衛星を経由して発送されるのが当たり前な時代になるのかもしれない。

因に来年は世界天文年である。


12.移動運用その58/東京都日野市南平丘陵公園移動(2008.11.23)

この日は東京UHFコンテスト開催の日。

前日のリベンジとばかりに再び七生丘陵にアタック。

きょうは昨日の「みはらし公園」からやや南西寄りの南平丘陵公園に赴く。

ここは一般の地図にも明記されているのでアクセスには不安がない。京王線南平駅からも近い。

京王線新宿正午発準特急京王八王子行に乗り、高幡不動で各駅に乗り換え。車窓からも七生丘陵が眺められる。12時40分頃南平到着。

駅前からハンディーで高尾山移動の局と交信しつつ、南平丘陵公園に向う。

北野街道を渡り住宅街を登っていくと暫くして南平高校の校舎が見えてくる。そこをすこし左に進むともう公園の入り口だ。

ログハウス風の管理棟を横目に園内の階段をよじ登って丘陵の尾根路に出る。

良い天気で紅葉が陽射しに生える。「みはらし公園」ほどの眺望はなく周りは樹木に遮られてはいるが高度は十分だ。

すぐ裏の多摩動物公園からアナウンスの声が流れてくる。

もう少し進めば展望台があるようだったが高度差は変らないので少し手前尾根路の脇を移動運用場所に決める。

13時過ぎより運用開始。14時10分過ぎ、上空を低高度でFA18らしき戦闘機が3機編隊で横田基地方向へパスしていった。

15時40分までの2時間半でCWを中心に430MHz30局(CW13、FM17)、50MHz1(SSB)トータル31局。内CQに応答は3局だった。

430FMでの交信は殆どがVX-3ハンディー機に付属ヘリカルアンテナでの交信。移動用DPよりも情況がよい。これはもしかすると移動運用に使っている同軸ケーブルの劣化が原因かもしれない。

どうも最近、移動時での飛びの悪さが気になっているのでちょっと調べてみる必要があるようだ。

16時過ぎ撤収開始。

園内の眺望の利く場所から富士山をバックに沈む夕日を眺める。

この公園は16時で閉じられるようで夜間は立ち入りが出来ないようだ。ここから尾根伝いに「みはらし公園」まで行けるようだが今日は帰る事にする。


南平駅に戻り、京王線で高幡不動。帰りは多摩都市モノレールで立川に向う。モノレールは行楽帰りの客だろうか、比較的混んでいた。

JR中央線も上りは混んでずっと立ちっぱなし。時間、料金、快適さを考えると京王線でそのまま新宿まで出た方が良かったかもしれない。

三鷹で各駅停車に乗り換えて18時過ぎ阿佐ヶ谷到着。

東京都日野市南平丘陵公園におけるFM放送受信リスト(コミュニティーFMのみ)

受信日/2008年11月23日・・受信機/スタンダードVX-3・アンテナ/ロッドアンテナ

周波数(MHz) 局名 信号強度(5段階)
77.6 FM多摩

4
79.0 多摩レイクサイドFM?

5
83.9 FMさがみ

4
84.4 立川FM

5

使用RX/YAESU FT817・スタンダードVX-3 出力/0.5〜1.5w運用 使用アンテナ/ミズホ6mダイポールアンテナ・ヘリカルアンテナ


11.移動運用その57/東京都日野市南平みはらし公園移動(2008.11.22)

勤労感謝の日を挟んだ三連休初日、日野市南平七生丘陵にある「みはらし公園」に赴く。

ここは八王子市から日野市にかけて浅川の南側に長く延びる七生丘陵の西端近く、南平住宅の奥まった所に位置する。

これまでも訪れた事のある長沼公園、平山城阯公園などの七生丘陵無線展望スポットの一角だ。

但し、「みはらし公園」は市販の地図には記載されておらず、正確な場所を予め把握するのが難しい。

夜景案内サイトのガイドを参考に取りあえず向ってみた。


今回はJR中央線立川駅からモノレール経由高幡不動駅下車徒歩で現地に向うことにした。

所持する無線機はいつものFT-817とハンディー機VX-3。

途中JR三鷹駅ホームにて430FMで運用していたよみうりランド移動局とVX-3で交信。

ハンディー機だと機動性があって道程でのQSOも楽しめるから面白い。

15時過ぎ、高幡不動駅到着。

本来ならば駅から南西へ高幡不動尊方向に歩みを進めればよいのだが、多摩都市モノレールの駅舎からそのまま出てしまったのでやや東側からアプローチする事に。

そのためかなりのロス行程になった。
もっとも地図上で見ると高幡不動駅よりも京王線南平や多摩都市モノレール程久保駅下車の方が近そうなのでそちらからアプローチすべきだったのかも。

駅を出て多摩都市モノレール高架下の街道沿いを暫く歩き、ファミリーマート手前の横道を西に向って進む。

430FMで相模原市城山移動の局と交信しながら斜面に分譲された住宅街の舗装道路をひたすら登る。

この感覚は首都圏近郊の移動運用ではお馴染みの光景だ。

高度成長期に多摩丘陵を切り開いて開発した住宅街の上にわずかに残された緑地帯が無線や展望のスポットなのだ。

そんな住宅街の中に散策路の道標が立っているのは妙な感じ。駅から15分程歩くと「鹿島台上」というバス停に差し掛かる。更に進むと「七生丘陵散策路かたらいの路」と記された地図掲示板を見つける。

残念ながらこの地図にも「みはらし公園」の明記はない。

いずれにしろここから先がやっと雑木林を抜ける山道だ。

森の中、進行方向左側にずっと有刺鉄線のあるフェンスが続く。

これは多摩動物公園との境だ。狸などの野生動物が侵入するのを防ぐ目的らしい。

5分程歩くと「武州江原山講社」と刻まれた石碑がある場所に出る。更に山道を西進すると共同アンテナがある所に。おそらくこのあたりが標高のピークなのだろう。当然「みはらし公園」もこの周辺にあると推測出来るのだが。木立の間から給水塔らしき建物も垣間見れるだけ。

尚も歩みを進め若干坂を下ると急に視界が開けた。


実はあとから気が付いたのだがこの給水塔のある場所がどうやら「みはらし公園」なのだ。現地に着いたのがもう夕刻迫る時間帯だったので周辺を確かめる余裕もなかった上に、北野街道沿いから登ってくる本来のルートではなく、多摩動物公園の裏側から周り込んでアプローチした事も解らなかった理由だ。

ここから少し降りたところには「鳥と緑の国際センター」がある。それを目標に登ってくればよい。ここは地図にも載っている。

いずれにしろ初めて行くには非常に解りづらい所。

また街灯もなく夜は真っ暗になるのでいわいる「公園」というよりも「広場」と言った方がよいだろう。

アプローチしづらい反面、眺望はAクラス。ほぼ180度か、それ以上の眺望である。

日没迫る16時過ぎ、左手に富士山のシルエット。そして視野を右に移せば遥か奥多摩の山々が遮るものなく視界に広がり、手前の浅川、京王線、北野街道が一望出来る。

この日は視界が良かったので写真を撮っている人が居た。

まさに「隠れ家」的スーパーパノラマスポットであろう。

時間も時間だったので無線の方は40分間のみ。50MHz3局(SSB2、CW1)、144MHz1局(SSB)の僅か4局(いずれも呼出し)

もっと早い時間に訪れればよかったと悔やむ。

ここからならば奥多摩移動局はストレートに交信出来たであろう。

夜景も素晴らしかったのだが所用もあり17時頃撤収開始。

帰路は北野街道方面に降りて京王線南平駅に出るルート。下りだったので徒歩20分程で到着。

使用RX/YAESU FT817・スタンダードVX-3 出力/0.5〜1.5w運用 使用アンテナ/ミズホ6mダイポールアンテナ・ヘリカルアンテナ


10.移動運用その56/東京都新宿区住友三角ビル展望ロビー移動(2008.11.2)

文化の日を控えた連休初日の日曜日、買い物ついでに西新宿高層ビル街にある新宿住友ビル展望ロビーに赴く。

アマチュア無線ハンディー機VX-3を購入以来、気軽に430FMの移動運用が出来るようになった。

非常にコンパクトなので意識せずに無線機を持ち運べるというのは新鮮である。

この新宿住友ビルは地上約200m、52階建て。その51階の一角に無料の展望ロビーがある。

都庁舎が出来て以来、あまり行く機会がなかったが都庁舎を含め他の新宿高層ビル展望ロビーは無線運用に煩いので久しぶりにここに足を運んでみた。

新宿住友ビル展望ロビーは南西方面の風景が見渡せるだけだが雰囲気は比較的落ち着ける。このビルが完成した頃と殆ど変っていない。またビルの精巧な模型も展示されていて興味深い。

夕方の18時前に現地到着。休日にも拘わらずそれ程人影もない。

既に日が暮れて世田谷方面の夜景が美しい。

早速VX-3で430FMをワッチすると熱海市移動の局が聴こえてきた。0.1wでも十分に交信可能なのは吃驚だ。

19時過ぎまでの一時間強で430MHzFM10局と交信。内7局はこちらのCQに応えてのQSOであった。

VX-3は0.1Wと1.5W送信を切り替えることが出来るが大半が0.1Wで交信可能であった。アンテナも付属ヘリカルアンテナで十分飛んでいく。

特定少電力無線に慣れているとアマチュア無線ハンディー機の「飛びの良さ」に吃驚してしまう。

さて、この展望ロビーでは警備員の姿もなく、また携帯程の小さいハンディー機なのでまったく気兼ねする事もなく移動運用可能であった。

使用RX/スタンダードVX-3 出力/0.5〜1.5w運用 使用アンテナ/ヘリカルアンテナ


9.移動運用その55/東京都府中市浅間山公園移動(2008.10.26)

10月最後の週末、天気はぱっとせず曇り時々雨。

この日は東京CWコンテストが13時まで開催されていたのだが生憎の天候だったので常置場所から参加。コンテスト終了後に移動運用のため外出した。

場所は東京都下府中市にある浅間山公園

かつてここもアマ無線移動地のメッカだったのだが、最近は殆ど聞かれない。

都立公園内での大きなアンテナ設営を伴う無線運用は許可が必要になったのも原因かもしれないが、やはり若い人のアマチュア無線人口が減ったのも理由のひとつか。

都内での気楽な徒歩QRP移動運用地の一つなのでもっと活用したい。

それはさておき、この公園へのアクセスは比較的容易。

JR中央線を利用する場合、武蔵小金井駅より京王バス府中駅及び東府中駅行きバスで約10分「浅間山公園」下車すぐである。

バスは都内なのに「後ろ乗り」。料金は230円掛る。新小金井街道は若干渋滞しやすいのか少し時間が掛る事があるようだ。

なお、浅間山公園には駐車場がないのでマイカーでの移動には不向きだ。

浅間山公園は標高70〜80mのピーク三つで構成される雑木林の丘陵。周りが平地なので見晴らしが良く移動運用には最適だ。16年前、特定小電力無線で2.5Km離れた新小金井駅にいる友人と交信したことがあった。

最大のピークは浅間山で標高79.6m。だが今回はちょっと離れた標高74.0mの中山で運用してみた。

曇天で薄暗く人も殆ど訪れない。10キロ程離れた立川防災基地で行われていた航空祭でのヘリ爆音が聞こえてくる位。

14時頃から16時半過ぎの約二時間半0.5〜1.5WQRP移動運用で430MHz3(FM3)、144MHz1(SSB1)、50MHz3(SSB3)トータル7局のみ。こちらからのCQ応答局はなし。

やや期待外れの結果であった。

1988年に訪れた時は同じ時間帯50MHzSSBで23局交信、その内13局がこちらからのCQに応答した局だった。もっともパワーは2.5wだったが。

なお、今回から新しいハンディー機VX-3も持参(VX-3のレポートはこちら)。430MHzでの交信はすべてこのVX-3付属ヘリカルアンテナ(1.5w)でのQSO.。

ハンディー機での移動運用は気楽に出来るので楽だ。

これまでのポータブル機だとかなりかさ張るので移動運用目的以外の外出時には持ち運べない。

その点ハンディー機だと意識なく携帯出来るので臨機応変な運用が可能。またFM放送帯の受信もカバーしているので移動地でのFMDXもVX-3で兼ねる事が出来る。受信能力も悪くない。

そのFMDXだがVXー3に6m用ローディングホイップを付けてワッチ。SRM100に優るとも劣らない性能だ。FMWながら通勤ラジオレベルの選択度はある。更にステレオ受信で聴けるのが嬉しい。

FM群馬本局やFM東京青梅中継局、他に86.9MHz不明ミニFM局も聴こえていた。

17時過ぎ移動運用を終え「下山」。

帰りの新小金井街道は若干混んでいた。

東京都府中市浅間山公園におけるFM放送受信リスト(コミュニティーFMのみ)

受信日/2008年10月26日・受信機/スタンダードVX-3・アンテナ/ロッドアンテナ

周波数(MHz) 局名 信号強度(5段階)
77.6 FM多摩

5
77.7 FM入間

2
78.2 武蔵野FM

5
78.9 湘南ビーチFM葉山

1
79.1 川崎FM

4
83.4 世田谷FM

5
83.8 調布FM

4
83.9 FMさがみ

2
84.2 FM西東京

5

使用RX/YAESU FT817・スタンダードVX-3 出力/0.5〜1.5w運用 使用アンテナ/ミズホ6mダイポールアンテナ・ヘリカルアンテナ


8.Suit-Sat1受信証

2006年に国際宇宙ステーションから放出された「宇宙服衛星」Suit-Sat1からの送信電波の受信証がJARLから届いた。

カードサイズではなくA4程の大きさがある受信証だ。

送信機のトラブルで衛星本体からの144MHz帯の電波は殆ど地上に届かずやむなくステーション側が437.80MHzで中継再送信したものを受信してレポートしたもの。

日本上空を通過する時間を狙ってワッチしたもののSuit-Sat1の音声よりも日本の違法144MHzトラッカー交信が強力に混信してきて実際のところこの中継波も殆ど聴こえなかった記憶がある。微妙にロシア語らしき音声が断片的に入感してきたのでおそらくこれがSuit-Sat1だったのだろう。

それにしても違法VHF交信波が宇宙ステーションにまで強力に届いて皮肉にも地上に再び中継再送信されるなんて驚きである。

この時聴こえていたのは確か東北地方を走る違法トラッカーの交信だった。これはこれで貴重な「中継波」受信なのだろうがSuit-Sat1よりもこちらの方が妙に記憶に残っている。

因にこの時の受信設備は普段使っているログペリアンテナとFT817。別段サテライト用に工夫した訳ではない。

国際宇宙ステーションからの電波はかなり強力なのでハンディー機とホイップアンテナでも受信出来る。上空通過の時間さえ知っていれば結構簡単に楽しめるジャンルのような気がする。

Suit-Satの企画は次回もあるそうなので期待したい。

余談だが日本の金星探査機に便乗する惑星間アマチュア無線衛星計画もあるそうだ。こちらは流石に特別なアンテナ設備が必要になってくるがタイムラグのある惑星間アマチュア電波受信が個人レベルで楽しめるというのはロマンがある。

火星へのアマチュア無線衛星計画も期待しよう。


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