パブリック・スクール(3)
Public School

ハウスとは


パブリック・スクールの生活は、ハウス・システムを抜きにしては語れません。全校生徒は、最上級生から最下級生まで含む50人くらいの小単位に分けられ、一つの生活共同体を形作っています。大きな学校では1 0以上、小さな学校でも5つか6つのハウスがあります。学業成績、スポーツ、ゲームなどで、ハウス同士の競争が奨励され、生徒のハウスへの忠誠心が醸成されます。生徒にとってハウスこそ生活の中心なのです。


ハウス・マスター


その責任者が、ハウス・マスターで、教師のなかで、人格・指導力の優れた者が任命されます。そして家族ともどもハウスに住み、生徒と起食を共にし、生徒の勉学、躾、あらゆる面での指導に当たります。ハウス・マスター夫妻こそ、生徒の学校における両親の役割を果たしているといえるでしょう。それだけにハウス・マスターの影響力は大きいので、入学が決まった後、ハウスの選択も重要になります。


チューター


パブリック・スクールの勉学の面での特長に、チュートリアル・システムがあります。各々の生徒に、ハウスに属している先生の一人が、チューター(勉学指導教師)として付きます。生徒は勉強についてどんなことでもチューターに質問し、相談することができます。チューターは、各々の生徒の勉強の進み具合などを詳細にわたってチェックし、ハウス・マスター、ヘッド・マスターに報告します。



スポーツ


スポーツは、パブリック・スクールライフに不可欠の要素です。スポーツを通じて肉体を鍛えると同時に、チーム・プレイやスポーツマンシップの精神を体得してゆくのです。学校によって若干の違いがありますが、ラグビー、ホッケー、クリケッ卜、サッカー、陸上競技、水泳などが主なものです。その他、ゴルフ、ポロ、乗馬、射撃、フェンシング、スクオッシュ、ファイヴズ、ロック・クライミング、柔道、空手など無数にあります。


軍事訓練


パブリック・スクールの教育活動で忘れてはならないものに、コンバインド・カデッ卜・フォース(C.C.F.)があります。これは、陸・海・空三軍の士官候補生としての軍事訓練です。この訓練を必修としている学校も数多くあります。というのは、イギリスはもとより世界中どんな国でも、青年が戦争の際には、祖国のために戦場に赴くのが、崇高な義務と考えられているからです。実際イギリスでは、第一次、第二次大戦で、パブリック・スクールの卒業生が、素晴らしいリーダーシップを発揮して戦場で目覚ましい働きをしました。そして戦死者名は、いまなおパブリック・スクールの壁に刻まれています。宗教上の理由や女性で軍事訓練を受けない者は、地域の社会福祉活動に参加することが義務づけられています。



課外活動


その他エジンバラ殿下賞課外活動など、その活動の多彩さには驚くばかりです。留学生活を楽しくするためにはどんなことにでも参加し、 トライしてみることです。


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