9月26日木曜日
6時起床。インスピレーション・ポイントに日の出を見に行く。
気温5度。寒さに関わらず多くの観光客が日の出の瞬間を待ち続けている。
7時過ぎ 東の空があかね色に染まり 壮大な自然界のドラマがはじまった。
雨 風 霧 氷 自然の脅威に浸食され尖鋭化された岩石の集団が朝陽をうけて輝く。
ホテルに帰り レストランで朝食を食べて10時に出発。
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州道12号線を走り キャピタルリーフ国立公園をめざす。
この辺は高度が高いために 白樺に似たアスペン(Aspen)の木々の黄葉が美しくて 黄色い葉が風に揺れるさまは可憐だ。
高度が下がるにつれ 赤茶けた大きな岩石が周囲に出現しはじめた。
岩の色は灰色から茶 赤茶と地域によって異なるが 真っ青な空とのコントラストが この世のものとは思えないほどだ。
セメント工場を彷彿とさせる岩石群
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寝袋で野宿しながら中西部を旅している サンフランシスコからの一人旅の青年
すべての巨岩が侵食され かろうじて残っている岩石が崩れ落ちて砂状になった土砂の上に鎮座している風景が連続する。
さらに 24号線経由で95号線を北東に進み 映画 猿の惑星の撮影現場で有名になったレイクパウエルの湖岸を通り、 キャンプサイト ナチュラルブリッジ国定公園へ入る。
ナチュラルブリッジは名前の通り自然の岩石が侵食された数多くの大きな橋がみものである。
今日は ここでキャンプする予定である。
食料の調達のために街へ行こうと思い 管理事務所の係員に尋ねると 笑いながら 「60キロ走れば豪華レストランが有るが その他は一切なにも無い」と言われた。
水とビ−ルは充分あるし 手持ちの食料で なんとかなるであろうと考え ここでのキャンプを決断する。
テント場所を確保する方法は まず テントサイトを下見してから
適当な場所を決めて備え付けの袋に10ドルを入れ 名前を記入し備え付けのポストに投函するだけである。
ラスベガスで購入したテントの上棟式をひとり寂しく挙行する。
今夜のサイトは5張りのテントと一台のキャンピングカーのささやかな一団となったが 一昨日のビジターセンターの女性が推薦してくれたイチ押しの言葉どおり 落ち着いていて とても良い場所だ。
夕食は 持参した無洗米を炊き 沖縄のソーキ汁に 梅干し 焼きのり。飲み物はCoorsのコロラドビール そして ケンタッキーバーボンウイスキ−。
星空の素晴らしいこと このうえなし。
空気が乾燥し澄み切っているので いままで僕が見てきた星の輝きとは天と地ほどの違いがある。
目覚まし時計の文字板のグリーンの蛍光色の文字 青色ではない緑色。あの輝きがそのまま一面の星になって天から降ってくる感じ。 まるで手を伸ばせば届きそうな感覚になる。
本日の走行距離 271マイル 433キロ