1999.12.3

This Desert Life
Counting Crows
(Interscope/Geffen)


 以前、トム・ペティの新作について書いたとき、同じようなことを言っているかもしれないのだけれど。なーんか、日本ではこのテの音が今いちばん無視されているような(笑)。でも、以前のアルバム(これとかこれ)同様、今回のアルバムもぼくは大好きだ。いや、このアルバムがこれまでのカウンティング・クロウズ作品の中でいちばん好きかも。スタジオ盤としては3作目、ライヴを入れて4作目の新作だ。

 ボブ・ディラン以降、ニール・ヤングあたりを経てREM、パール・ジャムあたりまで至るアメリカン・ロックの流れを確実に受け継ぐバンドとしての持ち味がばっちり。アダム・デュリッツ、相変わらずいい曲書いてます。ノッケに入っているシングル曲「ハンギンアラウンド」から2曲目「ミセス・ポッターズ・ララバイ」、3曲目「エイミー・ヒット・ジ・アトモスフィア」への流れなんか、たまらない。特に8分近い「ミセス・ポッターズ…」がいいなぁ。

 “なあ、俺だってみんなと同じように血を流すことはできるんだ/だけど眠らせてくれる誰かが必要なんだよ”とか、“今夜は100万マイルの彼方が見えるはず/だけど君はそんなに遠くには行けないんだ”とか(訳詞:沼崎敦子)、こういう歌詞って近ごろあまり流行らないのかもしれないけど。でも、ぼくは抗えません。いかにもアメリカの悩める無頼派っぽい語彙の連射。

 音のほうも、これまで以上にタイトかつバラエティ豊かなグルーヴをたたえている。デイヴィッド・ロワリー&デニス・ヘリングというキャンパー・ヴァン・ベートーヴェン周辺の二人がプロデュース。年末の愛聴盤、ぼくはこれで決定っすね。


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