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マニアックに斬るニューヨークの地下鉄

車両編（２）

BMT・IND線（「A」〜「Z」線）用大型車

R32型

• (2002.7)
  1964年に製造されたニューヨーク市初の量産ステンレス車（試作車R11型は1948年に登場している）。メーカーは当時ステンレス車の主力メーカーであったBudd社であり、同社の技術をもとに作られた日本の東急7000系・7700系とは「いとこ」のような関係があります。外観の特徴としては、車体全体を覆うコルゲートがあります。全長60feetであり、アルファベットの路線番号をもつ路線全てを走れますが、2002年当時「C」「E」「N」の各線を中心に使用されていました。
• Budd社の技術をもとに製造された東急7000系（秩父鉄道譲渡後の写真）。製造もR32型とほぼ同時期の1960年代前半である。
  • ナンバー：3301〜3950

R38型

• (2002.7)
  1965年より製造されたステンレス車。正面は向かって左側のみに運転台窓があり、上には路線番号と行先表示・急行灯が付く（今でも当時の痕跡は残っている）、昔ながらのニューヨークの地下鉄のデザインを引き継ぐ最後の車両です。同じステンレス車であるR32型と比べると、車体のコルゲートが窓下のみになっている点・（東京の営団地下鉄と同じ）旧書体のナンバーが唯一残っている点などが異なります。これも全長60feetであり、2002年当時、「C」線でR32型と混用されています。間もなく、新型車R160型への代替が始まる予定です。
  • ナンバー：3950〜4149

R40型

• (2002.7)
  1966年から製造されたステンレス車。車体はデザイナーの検討を経てフルモデルチェンジされ、独特の傾いた前面・正面向かって右側窓の路線番号表示・大きくなった側窓を持ちます。ただし、後のに安全対策で大きな手すりが取り付けられ、非常に武骨な外観となってしまいました。現在は「N」「Q」線で使用されています。
  • ナンバー：415０〜4449

R40M/42型

• (2002.7)
  1968年より製造された車両。R40型の奇抜な前面デザインを止め、オーソドックスな前面デザインに改められています。この前面デザインで、ライトや貫通扉の形状を少しずつ変えながら20年間車両の製造が続きました。BMT・IND線の標準的車両寸法だった「全長60feet」を持つ最後の車両。そのためもあり、現在は車両寸法の制約から75feet車が入線できない「J」「M」「Z」「L」の各路線で使用されています。なお、1980年代〜1990年代にかけて日本の住友金属の手により補修工事が行われており、車内にその記録の銘板が残されています。
  • ナンバー：4450〜4949

R44/46型

• （不覚にも現地で写真を撮り忘れました。イラストでご容赦ください）
  1971年に製造が開始されたステンレス車。従来車よりも車両の全長が大幅に伸ばされ、75feet（約23m）となりました。この車両で8両編成を組むと、編成全体の長さがちょうど従来車の10両編成と同じ長さになります。この他にも、4両一組のユニット構造や冷房の装備・新型台車（いまは従来型に交換されている）など当時は「新しいことづくめ」の車両でした。現在は銀一色ですが、登場当初は小田急線のようなライトブルーの帯を巻いていました。木目調の内装を持つ車内は、プラスチックのベンチシートが縦横向きに並んでいます。2002年当時は「Ａ」「Ｆ」「Ｖ」「Ｒ」の各線で使用されていました。
• R46型　車内の写真。1人分が区切られたプラスチックの椅子と、木目柄の内装が特徴である。
  • ナンバー：5202〜5479(R44), 5482〜6258(R46)

R68/68A型

• (2002.7)
  1986〜89年に製造が開始されたステンレス車。上の「R44,46型」ともよく似た大型車です。違っているのは、内装が縞のステンレス板になっていること、1両単位で走れること、ガンメタ色の前面くらいです。「1両単位で走れる」メリットを活かして、現在では支線である「Ｓ」の他、「Ｎ」「Ｗ」「Ｂ」「Ｄ」の各線で使用されています。このうち、現在「Ｗ」線で使用されている車両（No.5001〜5200)は、日本の川崎重工製です。
• R68型の車内。ステンレスむきだしのデザインはR62型と共通。日本型車両と同じデザインの川崎重工の銘板もつく。
  • ナンバー：2501〜2924(R68),5001〜5200(R68A)

R143型

• (2002.7)
  2001年〜2003年に製造されたステンレス車。全車日本の川崎重工製ですが、日本で車体骨格を製造した車両と、アメリカに新設した現地工場で骨格を製造した車両とがあります（最終的な仕上げはニューヨーク近郊の川崎系工場で行っている）。
  この車両は、1両あたりの輸送力が大きい長い車体を止め、車両寸法に制約がある各線での車両取替えを見越して、昔ながらの「全長60feet」に戻されています。現在は「L」線で集中的に使用されております。
  

  コラム：R160型 R143型の投入自体は2003年度で終了していますが、2002年夏、このR143型とほぼ同じ設計の「R160」型の契約が行われました。ニューヨーク市営地下鉄史上最大規模となる1500両（オプション含む）もの車両を投入し、先に述べたR42以前の全車両を交換してしまう計画です。ちなみに契約相手の車両メーカーは、川崎重工とニューヨーク初参入のアルストーム（フランスの鉄道車両メーカー）です。

小型車

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