100円本トリップ


FILE NO.001


懐かしの秋元文庫を手に入れる!





街の書店から
いつのまにか姿を消してしまった秋元文庫。
しかし古本屋の100円本コーナーで
”彼ら”はしっかり存在していました。


秋元文庫といえば、私の小・中学校時代の愛読書。
当時大好きだったNHK少年ドラマシリーズの原作本が
この秋元文庫にあることが多く、
そんなことをきっかけに、ここのSF小説は当時本当に読みまくり、
私の秋元文庫コレクションもかなりの数になっていた。

あれから約20年の歳月が過ぎ、
あんなにあった秋・コレも
いく度かの引越しをかさねるうちに知らぬ間に姿を消し、
私の記憶からも消え去ろうとしていたそんなある日のこと。
BOOK−OFFの100円本のコーナーで、
あの、見覚えのある、
黄色い”背”に映える
目が覚めるような真っ赤な文字タイトルの本を数冊発見。
どれも当時夢中になって読んだSF小説ばかりだった。

パラパラっと軽くページをめくっただけで、
当時の様々な出来事が次々によみがえってくる。

少ドラでも特に夢中になって観ていた「未来からの挑戦」のことや、
そのドラマの主題歌の、妙なビブラートのかかった歌声、
(♪ツメタイシブーキニィ、コーエアゲェテ〜♪)
同じくそのドラマの登場人物で、
主役の「セキコウジ」よりも断然カッコよかった「アスカ」のこと、
はたまた
小学校の卒業式で着ていた真新しい”スリーピース・スーツ”のことや、
中学校に入学した直後、
3年生にしか許されていない”体育着のジッパー全開”を
知らずに数分間やってしまい、すぐに閉めたにもかかわらず、
何人もの先輩達に何日間にわたって何度も注意され続けたこと、
そしてそれから1年近く経った後にも、ある先輩に
「あの娘、ジッパー全開にしてた娘でしょう。」と後ろ指をさされたことまで。
(ウッ、泣ける。)

こうして私は、たった300円で
忘れかけた”若き日の思い出”を少しだけ買い戻した。





今回100円本コーナーで購入した3冊(購入場所:BOOK-OFF)


眉村卓
「二十四時間の侵入者」
絵・依光 隆
秋元文庫
YOUNG・シリーズ



眉村卓
「地獄の才能」
絵・依光 隆
秋元文庫
YOUNG・シリーズ



眉村卓
「ねじれた町」
絵・依光 隆
秋元文庫
YOUNG・シリーズ

 同時収録は
「闇からきた少女」 
NHK少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」は、あの「ねらわれた学園」と、この小説が原作。 この本のみ、”眉村卓傑作SFシリーズ(4)「ねじれた町」”と記された帯付。眉村氏の似顔絵も。Lucky!
カバー裏面”あらすじ”より)
中学校のクラスメート、住野隆一と小沢未代子の二人は、突然不思議な少年に襲われた。その少年は教室にまで現れるのだった。そして、隆一のおじでSF作家の岡本義助も事件に巻き込まれた…。

カバー裏面”あらすじ”より)
笹岡中学に進学した、宮原俊治、森順平、小田中明子のクラスに、一人の少年が入ってきた。みんなより入学が一週間おくれたその少年の名は富士見和夫。ところが勉強がおくれているはずの彼は、授業が始まるや、中学生のレベルをはるかに越えた質問をするのだった。体育を含めたあらゆる教科に、天才ぶりを発揮するのだった。
カバー裏面”あらすじ”より)
和田行夫は、銀行につとめる父の転勤で、Q市にやってきた中学生である。その笹野原中学で、同級生の花巻千恵子と太刀川克巳と親しくなるが、この三人の一見おだやかで平和に見えた、古い城下町のQ市は、まさしく「ねじれた町」なのであった。Q市で何が起きようとしているのだろうか…。




秋元文庫との出会い……私が秋元文庫を初めて購入した時の様子について少し。



秋元文庫といえば「依光隆」
 
元文庫SFに絶対欠かせないものといえば、「依光隆」の
挿絵。当時私も秋元文庫を購入する際、裏に書かれている”あらすじ”と、中の挿絵をパラパラと見てから読むか読まないかを判断していたように思います(映画の予告編的に)。で、依光氏が挿絵を描かれた本は100%読みたくなったものです。当時まだ子供で、マンガばかり読んでいてあまり活字慣れしていなかった私が、苦痛なく最後まで読みきることができたのも、やはり依光氏の魅力的な絵が実にタイミングよく挿入されていたおかげと言っても過言ではないでしょう。


光氏の挿絵の良さは
「ほどよいリアルさ」
軽いタッチで描かれるSF世界は
とても心地よく、疲れない。

そして登場人物の
「ほどよいルックス」

どこのクラスにも1人か2人はいる、
”かっこいい・かわいい”
中学生に描かれているので、
読者側も登場人物を
身近に感じることができるし、
好感も持てる。


      
cup:100円ショップ キャンドゥ
book:
地獄の才能(秋元文庫) 




”あの頃”は全く気がつかなかった
(気にならなかった)のに!?




20年振りの秋元文庫
パラパラっと読み返してみて、
ちょっと
興味かった部分を
ここで
チョコッと紹介



「宮原さん、」by小田中明子
(「地獄の才能」より)
「住野さん、」
by小沢未代子
(「二十四時間の侵入者」より
「和田さん、」by花巻千恵子
(「ねじれた町」より)
 主人公の男の子を「さん」づけで呼ぶ
クラスメイトの女の子たち。

私には絶対考えられない!ありえない!
同級生の男子(しかも中学校の)を
「さん」づけで呼ぶなんて!
ラジオから流れる、
別次元からきた「機械一族」の声名
(自分達の世界は開発されつくして資源がなくなっちゃったから地球を征服しちゃうぞ、みたいな)
を聞いて、未代子からNiceな一言。
「これは…まるで、SFだわ」
by小沢未代子
「二十四時間の侵入者」より)
正確には百四万一千五百円です」
by桜井多美子
(「地獄の才能」より)
天才養成機関”英才研究所”の
説得員(!)に説得され、
英研の特訓に参加することになった桜井多美子が
資産家の祖父に支払ってもらった
特訓(二週間)の授業料の額は
なんと1041500円(細かい!)

内訳を知りたい!!





まだまだあるぞ!「可能性」を秘めた秋元文庫

ただ懐かしいだけでなく、
何やらまだまだ楽しめる「可能性」を秘めていそうな秋元文庫。
読んだことのない本の中にだって
隠れた名作が必ずあるはず!
それはタイトルを見ただけでも明らかだ!!


今回購入した3冊の巻末目録に載っていた秋元文庫小説のタイトルを下に示しました。
(もちろん、秋元文庫にはこれ以外にもまだまだたくさんの小説があります。)


秋元文庫ファニーシリーズ

 
われら受験特攻隊 
 ミステーク時代   
 劣等生クラブ
 ハートにきた仲間
 静かに自習せよ(マリコ)
 涙で顔を洗おう(続マリコ)
 おとぼけ中学生
 美人の転校生
 まんなか娘
 愉快なやつ
 初恋実験中
 まぁ失礼ね
 三等高校生
 よく遊びよく遊べ
 どっちがどっち 


 著 赤松光夫
 著 赤松光夫
 著 柳川創造
 著 幻余次郎
 著 高谷玲子
 著 高谷玲子
 著 上田しげし
 著 佐藤愛子
 著 佐藤愛子
 著 佐藤愛子
 著 赤松光夫
 著 赤松光夫
 著 赤松光夫
 著 幻余次郎
 著 大木 圭

 
 絵 杉山 卓
 絵 杉山 卓
 絵 中山正美
 絵 赤坂三好
 絵 みつはしちかこ
 絵 みつはしちかこ
 絵 杉山 卓
 絵 白吉辰三
 絵 白吉辰三
 絵 白吉辰三
 絵 白吉辰三
 絵 白吉辰三
 絵 金子勝治
 絵 赤坂三好
 絵 みつはしちかこ


ファニーシリーズ、粋なタイトル目白押しです(私の”コレクター心”をくすぐります)。
当時は全く読まなかったなぁ…(当時の私にもチョッと古すぎた。1世代上って感じ)。
今は結構読んでみたいけど(「おとぼけ中学生」とか)。
タイトルも平和…というか古き良き時代の日本って感じでグー。

「三等高校生」、昔同名の映画ありましたよね(野村のヨッチャンが主演した)。原作本かな。
「静かに自習せよ(マリコ)」「涙で顔を洗おう(続マリコ)」は
BOOK−OFFの100円本コーナーで見かけたことがあります。



秋元文庫YOUNGシリーズ

 
ヤング心理学
 理由なき反抗
 残酷な朝
 天才はつくられる
 恋は緑の風の中
 十五才の絶唱
 ヤング愛情学
 合格体験記
 灘高校生の受験日記
 SF悪夢の呼ぶ声
 SF真昼の侵入者
 SFその列車を止めろ
 女王陛下のラブレター
 自転車野郎世界を行く 

 著 前原大輔
 著 前原大輔
 著 南 英男
 著 眉村 卓
 著 いえきひさこ
 著 若城希伊子
 著 前原大輔
 著 灘高等学校解説
 著 園池 靖
 著 福島正実
 著 福島正実
 著 光瀬 龍
 著 菅原 有一
 著 浜村紀道 
 
 


 絵 依光 隆
 
 




 絵 依光 隆
 絵 依光 隆

 絵 依光 隆
 絵 岩田ひろまさ


「天才はつくられる」は当時読みました。大好きでした。
「その列車を止めろ」「真昼の侵入者」も読んだ記憶はあります。
(ストーリーはあまり覚えていないけど)
でもなぜか「悪夢を呼ぶ声」は確か読まなかった。なぜだろう。
本屋の棚に並んでいたのは知ってるんだけど。絵も依光 隆なのに。
”解説”を今読むと、「悪夢の…」が一番面白そうなんだけどね。


「灘高校生の受験日記」(!)。あった、あった。当時よく見かけた!懐かし過ぎる!

ほんだらけで「天才はつくられる」を見かけたことはあります。
(かなり汚かったので購入せず)



上記各小説の解説(参考:秋元文庫巻末目録)はこちら




というわけで、
「懐かしの秋元文庫を手に入れる!」
いかがだったでしょうか、
と、まぁここで終了する予定だったのですが、


実は私、最近た新たに秋元文庫数冊を購入しまして、
(今度はファニーシリーズも数冊GET!)
これがまた秀逸本揃いで…。

というわけで、で、100円本トリップでは、
これらがまとまり次第、
「秋元文庫を手に入れるPART2」と題しまして、
お送りする予定でおりますので、
乞うご期待!


100円本のコーナーに行くと、大抵、1〜2冊の秋元文庫を見かけるので、
興味のある方は見かけたら是非手に取ってみてください。かなりイカシテマス。


100円本トリップ TOPへ戻る
100円ルンバ TOPへ戻る