一、乾為天(健全 剛健 創造 父)
乾、元亨利貞。
(大いに通じる。正しければよい)
象:天行は健なり。君子もって自彊息まず。
アドバイス:健やかに休まず働くこと
初九、潜龍。勿用。
(未だ力不足で行動すべき時ではない)
九二、見龍在田。利見大人。
(一人前になる。大人に相談するとよい)
九三、君子終日乾乾、夕?若。厲无咎。
(一生懸命働き反省して進めば咎めなし)
九四、或躍在淵。无咎。
(待機してチャンスを待つ、意見を尊重)
九五、飛龍在天。利見大人。
(大願成就する、大人に相談するとよい)
上九、亢龍有悔。
(昇り過ぎて先がない。後悔する)
二、坤為地(柔順 受容 生産 母)
坤、元亨利牝馬之貞。君子有攸往、先迷後得主。利西南得朋、東北喪朋。安貞吉。
(女房役に徹すれば大いに通じる。先に行かず後から行く。安らかにして吉)
象:地勢は坤也。君子以て厚徳に物を載す。
アドバイス:すべてを受け入れ包容する。
初六、履霜堅冰至。
(小さい問題も大きな問題に発展する)
六二、直方大、不習无不利。
(品行方正、あらゆるものを包容する)
六三、含章可貞。或従王事、无成有終。
(才能をかくし最後まで仕事に従事する)
六四、括嚢。无咎无誉。
(口を慎めば咎めもないが名誉も得ない)
六五、黄裳、元吉。
(穏やかで品格がある。大いに吉である)
上六、龍戦于野。其血玄黄。
(我が強く後に引けない。痛み分け)
三、水雷屯(混沌 創生 行悩 芽生え)
屯、元亨利貞。勿用有攸往。利建侯。
(大いに通じる。事を行うべからず。部下に任せる)
象:雲雷は屯なり。君子以て経綸す。
アドバイス:方針と計画を立てること
初九、磐桓。利居貞。利建侯。
(どっしりと動かず、部下に任せる)
六二、屯如?如、乗馬班如。匪寇婚媾。女子貞不字、十年乃字。
(迷わず貞操を守れば結ばれる)
六三、即鹿无虞。惟入于林中。君子幾不知舎。往客。
(不透明な事で、君子は無理をしない)
六四、乗馬班如。求婚媾。往吉、无不利。
(求めに応じれば幸せになる)
九五、屯其膏。小貞吉、大貞凶。
(少しの正しさは吉、大きな正しさは凶)
上六、乗馬班如。泣血漣如。
(孤立、流す涙も枯れて血の涙が流れる)
四、山水蒙(朦朧 教育 愚か者 山霧)
蒙、亨。匪我求童蒙、童蒙求我。初筮告。再三汚。汚則不告。利貞。
(通じる。師が弟子を求めず弟子が師を求める。同じことを何回も質問しない)
象:山下に泉を出すは蒙なり。君子以て行ないを果し徳を育う。
アドバイス:勉強をして徳を養うこと
初六、発蒙。利用刑人。用説桎梏、以往吝。
(厳しくするが、やり過ぎは問題である)
九二、包蒙、吉。納婦。吉。子克家。
(無知な者を受け入れ、後継者を育てる)
六三、勿用取女。見金夫、不有躬。无攸利。
(その女は身持ちが悪い、よろしくない)
六四、困蒙。吝。
(悩み苦しみ恥をかく)
六五、童蒙、吉。
(前向きに学び幸せになる)
上九、撃蒙。不利為寇、利禦寇。
(強い態度でいると反発する、程々に)
五、水天需(待機 飲食 待つ 養う)
需、有孚。光亨。貞吉。利渉大川。
(誠実であり大いに通じる。正しくて吉。冒険をしてよい)
象:雲天に上るは需。君子以て飲食宴楽す。
アドバイス:宴会を楽しむ余裕をもつこと
初九、需于郊。利用恒。无咎。
(郊外で待つ。いつも通りで問題ない)
九二、需于沙。小有言、終吉。
(水辺で待つ。注意を受けるが最後は吉)
九三、需于泥。致寇至。
(泥の上で待つ。危険、敵に攻められる)
六四、需于血。出自穴。
(血を見て待つ。苦しみから脱出できる)
九五、需于酒食。貞吉。
(飲食して待つ。正しくして吉)
上六、入于穴。有不速之客三人来。敬之終吉。
(三人の客が訪れる。客を敬えば吉)
六、天水訟(訴訟。不満 訴える。争う)
訟、有孚窒。惧中吉、終凶。利見大人。不利渉大川。
(真実も塞がる、懼れ慎めば吉。争わない)
象:天と水と違い行くは訟なり。君子以て事をなすには始めを謀る。
アドバイス:始める前によく考えること
初六、不永所事、小有言、終吉。
(訴えは短く、少しだけ言うが最後は吉)
九二、不克訟。帰而逋。其邑人三百戸、无?。
(訴訟勝てず故郷に帰りれば直せば咎なし)
六三、食旧徳。貞厲終吉。或従王事、无成。
(遺産で生活し、多くを望まず出歩かない)
九四、不克訟。復即命、渝安貞吉。
(訴訟は勝てず。心を入れかえ安らかで吉)
九五、訟、元吉。
(争いは勝訴する。大いに吉)
上九、或錫之?帯、終朝三褫之。
訴訟に勝っても、人から妬みを受ける)
水地師(戦争 統率 集団 老練)
師、貞。丈人吉无咎
(戦争は老練な指揮官に吉で咎めなし)
象:地中に水あるは師なり。君子以て民を容れ衆を畜う。
アドバイス:人を受け入れ養育すること
初六、師出以律。否臧凶。
(戦は規律を定める。乱れがあれば敗れる)
九二、在師中。吉无咎。王三錫命。
(戦い程々なれば吉で咎めなし、王命ずる)
六三、師或輿尸。凶。
(敵に囲まれ戦死する。凶である)
六四、師左次。无咎。
(自軍を安全な場所へ移す)
六五、田有禽、利執言。无咎。長子帥師。弟子輿尸。貞凶。
(公平に人の意見を受け入れる)
上六、大君有命。開国承家。小人勿用。
(君子には領地を与え、小人は用いず)
八、水地比(親しむ 和む 田植え 愛情)
比吉。原筮、元永貞、无咎。不寧方来。後夫凶。
(吉。正義に人は集まる。後から行けば凶)
象:地上に水あるは比なり。先王以て万国を建て、諸侯を親しむ。
アドバイス:愛情をもって仲良くする
初六、有孚比之、无咎。有孚盈缶、終来有它吉。
(誠実に親しめば、、想定外の幸せをもたらす)
六二、比之自内。貞吉。
(真心をもって親しむ。正しくして吉)
六三、比之匪人。
(周囲には悪人ばかりである)
六四、外比之。貞吉。
(賢人と親しむ。悪人と縁を切り正しく吉)
九五、顕比。王用三駆失前禽。邑人不誡。吉。
(悪人の逃げ道を開け、厳しすぎなければ吉)
上六、比之无首。凶。
(主体性がなく親しめば、凶)
九、風天小畜(渋滞 停滞 柔順 留める)
小畜、亨。密雲不雨。自我西郊。
(通じる。雨雲はあっても雨降らず。故郷から降る)
象:風天上に行くは小畜なり。君子以て文徳をよくす。
アドバイス:文徳を養い育てること
初九、復自道。何其咎。吉。
(初心に戻りやり直す。吉)
九二、牽復。吉。
(仲間と共に手を取り合い原点に復る。吉)
九三、輿説輻。夫妻反目。
(車が動かない。夫婦は喧嘩して反目する)
六四、有孚。血去惕出。无咎。
(誠がある、争いや恐れもなくなり咎なし)
九五、有孚攀如。富以其隣。
(誠実で手を取り合う。富を隣人に与える)
上九、即雨即処。尚徳戴。婦貞厲。月幾望、君子征凶。
(目的達成、やり過ぎて崩壊する)
十、天沢履(履行 危険 礼儀 随う)
履虎尾不咥人。亨。
(虎の尾を踏んでも、人は虎から食べられない。通じる)
象:上に天あり下に沢あるは履なり。君子以て上下を弁ち、民の志しを定む。
アドバイス:上下関係に注意する
初九、素履。往无咎。
(素直に履行する。進んでも咎めない)
九二、履道坦坦。幽人貞吉。
(我が道を坦々と進む。欲から距離をき吉)
六三、眇能視、跛能履。履虎尾咥人。凶。武人為于大君。
(目と足が悪いのに歩こうとする。凶)
九四、履虎尾。愬愬終吉。
(虎の尾を踏む、怖れ慎み最後は吉)
九五、夬履。貞厲。
(強引に決行する。心正しくても危うい)
上九、視履考祥。其旋元吉。
(過去の経験に学び、礼儀を尽くし大吉)
十一、地天泰(安泰 泰平 和合 開ける)
泰、小往大来。吉亨。
(小人が去り、大人が来る。吉にして通る)
象:天地交わるは泰なり。后以て天地の道を栽成し、天地の宜を輔相し、以て民を左右す。
アドバイス:平和な時ほど気を引き締めること
初九、抜茅茹。以其彙。征吉。
(仲間と共に行動する。吉)
九二、包荒、用馮河、不遐遺、朋亡、得尚于中行。
(寛大と果敢な勇気、中庸の徳を得る)
九三、无平不陂、无往不復。艱貞无咎。勿恤其孚。于食有福。
(栄枯盛衰は世の常、嘆かず誠実に)
六四、翩翩不富。以其隣。不戒以孚。
(隣人と共にいる。誠実で戒めず)
六五、帝乙帰妹。以祉元吉。
(娘が結婚する、幸福にして大吉)
上六、城復于隍。勿用師。自邑告命。貞吝。
(城が壊れる戦争するな、正しくも吝)。
十二、天地否(閉塞 否定 暗黒 閉じる)
否之匪人。不利君子貞。大往小来。
(人に非ず、君子の正しさも不利、大人が去り小人が来る)
象:天地交わらざるは否なり。君子以て徳を倹め難を辟く。栄するに禄を以てすべからず。
アドバイス:才能を隠し表に出さないこと
初六、抜茅茹。以其彙。貞吉亨。
(弱い者同士助け合う。正しければ吉)
六二、包承。 小人吉。大人否亨。
(受容する小人は吉大人は塞がるが通る)
六三、包羞。
(悪い事と知りながら、心にしまい込む)
九四、有命无咎。疇離祉。
(命令に従えば咎めなし。幸福に授かる)
九五、休否。大人吉。其亡其亡、繋于苞桑。
(暗黒が終わる大人は吉、用心して過ごす)
上九、傾否。先否後喜。
(暗黒から後に泰平の世の中に喜ばしい)
十三、天火同人(共同 協同 公平 仲間)
同人于野。亨。利渉大川。利君子貞。
(公に集まり通じる。冒険もよい。君子の正しさによい)
象:天と火とは同人なり。君子以て族を類し物を弁す。
アドバイス:仲間を見分ける
初九、同人于門。无咎。
(外に出て仲間と集まる。非難されない)
六二、同人于宗。吝。
(身内だけと仲良くする。恥ずかしい)
九三、伏戎于莽、升其高陵。三歳不興。
(身を潜ませ敵を偵察する。三年は動ず)
九四、乗其?、弗克攻。吉。
(相手が強いので攻めるのは見合わせる吉)
九五、同人、先号?而後笑。大師克相遇。
(仲間と共に初めは悪いが最後は笑う)
上九、同人于郊。无悔。
(仲間と郊外にいる。退いて無難)
十四、火天大有(所有 盛大 明い 文化)
大有、元亨。
(願い事大いに通じる)
象:火天上に在るは大有なり。君子以て悪をとどめ善を揚げ、天の休命に順う。
アドバイス:天命に順う
初九、无交害。匪咎。艱則无咎。
(悪事に近寄らなければ問題ない。艱難を行けば非難されない)
九二、大車以戴。有攸往无咎。
(器量ある。事を進めてもよく問題ない)
九三、公用亨于天子。小人弗克。
(上に忠誠を尽くす。小人は相手にされず)
九四、匪其彭。无咎。
(勢いが強すぎるが問題ない)
六五、厥孚交如。威如吉。
(誠実をもって交際し威厳を保つ。吉)
上九、自天祐之。吉无不利。
(天が味方である。吉にしてよろしい)
十五、地山謙 (謙虚 謙遜 譲る 礼儀)
謙、亨。君子有終。
(通じる。徳のある人は、有終の美を飾る)
象:地中に山あるは謙なり。君子以て多きをへらし寡きを益し、物に称って施し平しくす。
アドバイス:多を減らし少を増し平等にする
初六、謙謙君子、用渉大川。吉。
(謙虚なる君子は、大事業を起こして吉)
六二、鳴謙、貞吉。
(謙虚な姿が有名である。正しくして吉)
九三、労謙君子、有終吉。
(謙虚に労を厭わず働く。最後に吉)
六四、无不利。撝謙。
(悪いわけがない。謙虚さを表に出す)
六五、不富以其隣。利用侵伐。无不利。
(欲なく富を分け合う。強気でも悪くない)
上六、鳴謙。利用行師征邑国。
(謙虚な姿、外よりも内部を固めること)
十六、雷地豫(喜楽 準備 遊ぶ 和楽)
豫、利建侯行師。
(戦争をするときは、有能な諸侯を立てるとよい)
象:雷地を出でて奮うは豫なり。先王以て楽を作り徳を崇び殷にこれを上帝に薦め以て祖考を配す。
アドバイス:音楽芸能で先祖を祭る
初六、鳴豫。凶。
(喜び楽しみ、浮かれて有頂天になる。凶)
六二、介于石。不終日。貞吉。
(意志が固くし最後までいる。正を守り吉)
六三、?豫。悔。遅有悔。
(人の機嫌をとって喜んでいると後悔する)
九四、由豫。大有得。勿疑。朋盍簪。
(人が集まり楽しむ。大いに喜びを得る)
六五、貞疾、恒不死。
(正しくもなやむ。常に用心すると良い)
上六、冥豫。成有渝、无咎。
(快楽に落ちる、心入れ替えれば咎め無し)
十七、沢雷随(随行 随う 喜ぶ 休む)
随、元亨。利貞。无咎。
(大いに通り、正しくしてよろしい。咎められない)
象:沢中に雷あるは随なり。君子以て晦きに向かって入りて宴息する。
アドバイス:夕刻には宴を開き休息する
初九、官有渝、貞吉。出門交有功。
(転職し正しくて吉。人脈を広げ成功する)
六二、係小子、失丈夫。
(小人と係ると、頼りになる人を失う)
六三、係丈夫、失小子。随有求得。利居貞。
(善人と係ると悪人は去る。正しくてよい)
九四、随有獲。貞凶。有孚在道。以明、何咎。
(随い獲る、正しくも凶、誠あれば咎なし)
九五、孚于嘉。吉。
(善き事に誠実に随えば、吉)
上六、拘係之、乃従維之。王用亨于西山
(固い絆で繋がる。敬虔に祈り感謝する)
十八、山風蠱(腐敗 腐る 問題 刷新)
蠱、元亨。利渉大川。先甲三日、後甲三日。
(大いに通る。冒険してよい。早くし丁寧に終わる)
象:山の下に風あるは蠱なり。君子以て民を賑し徳を育う。
アドバイス:人々を奮い立たせ徳を養う
初六、幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。
(腐敗を除く。傷口が浅いので最後に吉)
九二、幹母之蠱。不可貞。
(母の過失を除く、正しくも無理しない)
九三、幹父之蠱。小有悔、无大咎。
(腐敗を除く。後悔するが大問題ではない)
六四、裕父之蠱。往見吝。
(腐敗に寛容である。傍観すれば恥をかく)
六五、幹父之蠱、用誉。
(腐敗を除く。名誉を得る)
上九、不事王侯。高尚其事。
(王に使えず。理想を高くし我が道を行く)
十九、地沢臨(君臨 臨む 進む 希望)
臨、元亨。利貞。至于八月有凶。
(大いに通り正しくしてよい。八月になると凶あり)
象:沢の上に地あるは臨なり。君子以て教思窮まりなく、民を容れ保んずることかぎりなし。
アドバイス:教育思想を究め安定を保つ
初九、咸臨。貞吉。
(感応して臨む。正しければ吉。)
九二、咸臨。吉无不利。
(感応して臨む。吉にして悪いことはない)
六三、甘臨。无攸利。即憂之无咎。
(甘く臨む。利はない。反省すれば咎なし)
六四、至臨。无咎。
(時場意を得て臨む。問題ない)
六五、知臨。大君之宜。吉。
(知をもって臨む。立派な君子の様だ、吉)
上六、敦臨。吉无咎。
(誠実な態度で臨む。吉にして問題ない)
二十、風地観(洞察 心眼 仰ぐ 楼門)
観、盥而不薦。有孚?若。
(祭祀の前は、手を洗い厳粛に、誠意と敬虔な気持で行う)
象:風地上に行くは観なり。先王以て方を省、民を観教えを設ける。
アドバイス:観光して人々の暮らし知る
初六、童観。小人无咎。君子吝。
(幼き目で観る。小人は咎なし君子は恥)
六二、?観。利女貞。
(覗き見する。女性の正しさでよろしい。)
六三、観我生進退。
(生き様を内省し、進退を決める)
六四、観国之光。利用賓于王。
(観光する、来賓になってよろしい)
九五、観我生。君子无咎。
(生き様を内省する。君子は咎めなし)
上九、観其生。君子无咎。
(生き様を観られる。君子は咎めなし)
二一、火雷噬(噛砕く 稲妻 刑罰 除去)
噬?、亨。利用獄。
(通じる。刑罰を与え取除くとよい)
象:雷電あるは噬?なり。先王以て罰を明らかにして法を勅う。
アドバイス:時には強く刑罰で秩序を保つ
初九、?校滅趾。无咎。
(足かせをはめ軽い罰をあたえ警鐘を促す)
六二、噬膚滅鼻。无咎。
(柔らかい肉を噛む。咎められない)
六三、噬?肉、遇毒。小吝无咎。
(干肉を噛み毒にあう。非難あるが咎なし)
九四、噬?、得金矢。利艱貞。吉。
(骨付きの肉を噛む。艱難辛苦のあるも吉)
六五、噬乾肉、得黄金。貞厲无咎。
(乾い肉を噛み黄金を得る。慎んで咎なし)
上九、何校滅耳。凶。
(首かせをはめて耳を傷つける。凶)
二二、山火賁(飾る 装飾 美術館 黄昏)
賁、亨。小利有攸往。
(通じる。少しなら事を行ってもよい)
象に曰く、山の下に火あるは賁なり。君子以て庶政を明らかにし、敢えて獄をさだむることなし。
アドバイス:文化文明で世を治め罰は与ず
初九、賁其趾。舎車而徒。
(足元を飾る。車を捨てて徒歩で行く)
六二、賁其須。
(あご髭を飾る、上司と共に行う)
九三、賁如、濡如。永貞吉。
(美しくしっとり飾る。正しければ吉)
六四、賁如、?如。白馬翰如。匪寇婚媾。
(質素に飾る、愛する人が迎えに来る)
六五、賁于丘園。束帛戔戔。吝終吉。
(農園を飾り質素倹約、恥なるも最後は吉)。
上九、白賁。无咎。
(究極の美である白で飾る、咎めなし)
二三、山地剥(剥ぐ 剥落 奪う 崩れる)
剥、不利有攸往。
(剥落する危険な時。出掛けてはならない)
象に曰く、山地に附けるは剥なり。上以て下を厚くし宅を安んず。
アドバイス:世のために奉仕し徳を積む
初六、剥牀以足。蔑貞。凶。
(ベッドの脚が折れる。正道なく凶)
六二、剥牀以弁。蔑貞。凶。
(ベッドの本体が壊れる。正道なく凶)
六三、剥之。无咎。
(悪い仲間から離れる。咎なし)
六四、剥牀以膚。凶。
(ベッドが崩れて身体ごと落ちていく。凶)
六五、貫魚、以宮人寵。无不利。
(召使を一つにまとめ寵愛をうけるる)
上九、碩果不食。君子得輿、小人剥廬。
(果を食えず、君子は車を得小人は剥れる)
二四、地雷復(初心 反復 一陽来復)
復、亨。出入无疾、朋来无咎。反復其道、七日来復。利有攸往。
(初心に戻れば通じる。事を行ってよい)
象に曰く、雷地中にあるは復なり、先王以て至日に関を閉ざし、商いの旅に行かず、后方を省ず。
アドバイス:安静にし計画を立てる
初九、不遠復。无祇悔。元吉。
(過ちに気づき改める。早いほど救われる)
六二、休復。吉。
(善である原点に復帰する。幸せである)
六三、復頻。厲无咎。
(繰返し迷い原点に戻る。危ういが咎なし)
六四、中行独復。
(程々に行動をし、独りで原点に復帰する)
六五、敦復。无悔。
(誠実で人情が厚くあれば、後悔はしない)
上六、迷復、凶。有災?。用行師、終有大敗、以其国君、凶。至于十年不克征。
(原点を見失い災難にあう、達成できず)
二五、天雷无妄(自然 真実 誠実 素直)
无妄、元亨。利貞。其匪正有?。不利有攸往。(大いに順調。正しくてよい。欲を出せば危い)
象に曰く、天の下雷行き、物ごとに无妄を与う。先王以て茂んに時に対して、万物を育す。
アドバイス:あるがままに受け入れる
初九、无妄。往吉。
(無欲で誠実、このまま進んで行けば吉)
六二、不耕穫、不?畭、則利有攸往。
(耕さなくても穫られる。事を行ってよい)
六三、无妄之災。或繋之牛。行人之得、邑人之災。
(思いがけない災難、冤罪にあう)
九四、可貞。无咎。
(正しい行いを続けるならば、咎なし。)
九五、无妄之疾。勿薬有喜。
(薬を飲まなくても自然に回復し喜ぶ)
上九、无妄行。有?。无攸利。
(無欲も過ぎれば、偏屈者と見なされる)
二六、山天大畜(蓄積 停止 大徳 留る)
大畜、利貞。不家食吉。利渉大川。
(正しくてよい。外勤は吉。冒険もよい)
象に曰く、天山の中にあるは大畜なり。君子以て多く前言往行を織りて、以てその徳を蓄う。
アドバイス:知識経験を蓄え徳を積む
初九、有厲。利已。
(危ない目に遭う。止めた方がいい)
九二、輿説輹。
(車軸を繋ぐひもがほどけた。不慮の事故)
九三、良馬逐。利艱貞。日閑輿衛。利有攸往。
(艱難辛苦で守れば、事を行ってよい)
六四、童牛之?。元吉。
(鉄は熱いうちに打て、大吉)
六五、?豕之牙。吉。
(危険の根元を柔らかい手段で断つ、吉)
上九、何天之衢。亨。
(天空の道は、四通八達縦横無尽に通じる)
二七、山雷頤(養う 飲食 口 仕事)
頤、貞吉。観頤自求口実。
(正しく吉。何を養うか観て仕事を求める)
象に曰く、山の下に雷あるは頤なり。君子以て言語を慎み、飲食を節す。
アドバイス:言葉を慎みと飲食は節制する
初九、舎爾霊亀、観我朶頤。凶。
(才能を低くし物欲しげな態度をすれば凶)
六二、顛頤、払経于丘頤。征凶。
(目下や他人に養われる。進めば凶)
六三、払頤。貞凶。十年勿用。无攸利。
(養う方法が間違っている。何をしても凶)
六四、顛頤吉。虎視眈眈、其欲逐逐、无咎。
(目下に養られ吉。命令をして咎なし)
六五、払経。居貞吉。不可渉大川。
(老人に養われる。冒険はしない)
上九、由頤。厲吉。利渉大川。
(全員を養う。危いが吉。冒険してよい)
二八、沢風大過(超過 過度 傾く 不安)
大過、棟撓。利有攸往。亨。
(棟木が撓む。事を行ってもよい。通じる)
象に曰く、沢木を滅すは大過なり。君子以て独立して懼れず、世を遁るれども悶ることなし。
アドバイス:孤独を恐れず我が道を行く
初六、藉用白茅。无咎。
(白い茅をひきお供え物を捧げる。咎なし)
九二、枯楊生?、老夫得其女妻。无不利。
(枯れた柳に芽がでる老人が若い妻を得る)
九三、棟撓。凶。
(大いに過ぎて棟木が撓み危険である。凶)
九四、棟隆。吉。有它吝。
(棟木がそびえ建つ吉誘惑に乗ると恥しい)
九五、枯楊生華、老婦得其士夫。无咎无誉。(枯れ柳に花が咲く。老いらくの恋には要注意)
上六、過渉滅頂。凶无咎(洪水の川を渡ると頭まで水をかぶり溺れてしまう。凶であるが咎なし)
二九、坎為水(苦難 陥る 険 どん底)
習坎、有孚、維心亨。行有尚。
(苦難も誠実に心をつなぎ行えば尊ばれる)
象に曰く、水しきりに至るは習坎なり。君子以て徳行を常にし、教事を習わす。
アドバイス:心を養い勉強をする
初六、習坎、入于坎?。凶。
(度重なる苦難。穴底の暗い場所にいる凶)
九二、坎有険。求小得。
(危うい時、中庸の心で少し求め得する)
六三、来之坎坎。険且沈。入于坎?。勿用。
(前も後ろも危うくて沈没する。用いず)
六四、樽酒?。貮用缶。納約自?。終无咎。
(樽酒と竹皿と素焼器、質素に献上する)
九五、坎不盈。祇既平、无咎。
(水が満たされこぼれそう。咎なし)
上六、係用徽?、写于叢棘。三歳不得。凶。
(縛られ棘の中に三年閉じ込められる。凶)
三十、離為火(附く 明智 美しい 太陽)
離、利貞。亨。畜牝牛吉。
(正しくよい。通じる。柔順で穏やかで吉)
象に曰く、明両び作るは離なり。大人以て明を継ぎ四方を照らす。
アドバイス:明徳を明らかにする
初九、履錯然。敬之无咎。
(目的が定まらず混乱する、慎めば咎なし)
六二、黄離、元吉。
(中心が明るい。大吉)
九三、日昃之離。不鼓缶而歌、則大耋之嗟。凶。
(最後まで命を燃やし楽しまなければ凶)
九四、突如其来如。焚如。死如、棄如。
(突然来て火で焼かれ殺され棄てられる)
六五、出涕沱若。戚嗟若。吉。
(涙を流しため息をつく。危険を予知し吉)
上九、王用出征。有嘉折首。獲匪其醜、无咎。
(王が敵将の首をとる。雑兵は助け咎なし)