外来診療で頻度の高い疾患の概要を記した。以下の疾患以外にも実際の生涯有病率、発病率の高いと思われるものが多数ある。
注:Fと数字はICD-10コードを示す。 精神疾患の分類参照のこと。
うつ病エピソード F32
憂うつな気分、おっくうさ、不安イライラを主症状とする。興味楽しさの喪失、食欲減退、と体重減少、睡眠障害、集中力注意力低下、意欲低下、自己評価や自信の低下、罪責感、将来に対する悲観的な見方、自殺を考え実行しようとする、などの症状があり、一定期間、通常は2週間以上、継続するとき、身体的にこれら症状の原因と考えられるものが存在せず、他の精神疾患によってこれら症状が説明できない場合、うつ病と診断することとなる。
気分変調症 F34.1
うつ病には該当しないが、軽い抑うつが存在し、きわめて長期にわたるもの。
パニック障害 F41.0
特別な状況に限定されない、反復性の不安(パニック)発作をその症状とする。不安発作の主症状は個々人により異なるが、強い恐怖または不快を感じる、はっきり他と区別できる期間でそのとき、動悸、胸痛、窒息感、めまい、非現実感といった症状が突然に出現する。
1 予期しない不安発作が繰り返し起こる。
2 発作が起こるのではないかという心配が続く、または発作がおきたときにどうなってしまうかという心配、あるいは行動が不安発作を予期することにより制限される、といった状態が続く。
3 身体的疾患や他の精神疾患により発作が生じてはいない。
このような時、パニック障害と診断される。
強迫神経症 F42
強迫観念、強迫行為のどちらかが存在し、これらが過剰で不合理なことであるという認識があり、苦痛を本人に生じさせている。身体疾患または他の精神疾患で説明できない。このような時、強迫神経症と診断される。
強迫観念 繰り返し本人の心に浮かぶ観念、表象、衝動であり、それらを思い浮かべないよう抵抗を試みるが成功しない。ただしそれらは自分自身の思考であると認識されている。
強迫行為 反復行動または心の中の行為であり、本人はそれを行うよう駆り立てられていると感ずる。その行動により、苦痛を予防したり、緩和したりすることを目的とする。
適応障害 F43.2
はっきりと確認できる心理社会的ストレスを症状発症前1カ月以内に体験している。症状や行動様式の性質は感情障害F30-39(感情障害)F40-48の障害などでみられるものであるが、それらの障害に該当するほど重くはない。
情緒不安定性パーソナリティ障害 境界型 F60.31
全般的な、気分、対人関係、自己像の不安定さのパターンで成人期早期に始まり、種々の状況で明らかとなるパーソナリティの著しい偏りをいう。
〒453-0027
名古屋市中村区大門町19
TEL 052-481-7771
FAX 052-481-7773