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精神科医が語る

少し詳しいお話

 *精神疾患の分類*

精神疾患にはどのようなものがあるか

精神疾患と考えられるものにはどのようなものがあるか。まずは分類されたものを記してみる。一般的に精神疾患の分類はこれまで、種々のものが提案されてきている。現在、体系的な分類として、一般的に使われているものに、APA(アメリカ精神医学会)によるDSM-5、WHO(世界保健機関)によるICD-10 の第X章 がある。

ICD-10は、疾病と関連の健康問題についての国際統計分類 (International statistical Classification of Disease and related health problems) の第10改訂版の略を指し、第X章には精神疾患が含まれている。

ここではICD-10の第X章の内容を記す。Fは第X章の疾患につけられる記号である。

F00-F09 症状性を含む器質性精神障害

F10-F19 精神作用物質使用による精神および行動の障害

F20-F29 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害

F30-F39 気分(感情)障害

F40-F48 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害

F50-F59 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群

F60-F69 成人のパーソナリティおよび行動の障害

F70-F79 精神遅滞

F80-F89 心理的発達の障害

F90-F98 小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害

F99 特定不能の精神障害

F00-F09 には脳に直接生じた疾患や、あるいは脳と直接関係しない身体疾患に基ずく影響が脳に生じたことによる精神疾患が含まれる。代表的なものとしては、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、頭部外傷後生じた種々の精神疾患がある。

F10-F19 には身体に取り込んだ、精神に影響を及ぼす物質により生じた精神疾患が含まれる。代表的な物質として、アルコール、覚せい剤がある。摂取により急激に生じた症状や、長期摂取により生じた症状、あるいは継続した摂取の中断により生じる症状、または依存性自体もこの中に含まれる。例えばアルコール依存であったり、アルコール依存の後のアルコール摂取中断後の離脱症状、また覚せい剤使用により生じた精神病状態などがある。

F20-F29 現在のところF00-F09のようなはっきり原因とされるものは特定されていない、いわゆる精神病が含まれる。長期にわたるものも、短期間で症状の消失するものもある。

F30-F39 気分あるいは感情にかかわる精神疾患が含まれる。代表的なものとしては、うつ病やそう病がある。うつ病より、症状は軽いが長期間継続してゆううつ気分な気分が続く疾患なども含まれる。

 F40-F48 いわゆる神経症が含まれる。主症状は不安である。代表的なものとしては パニック障害、強迫神経症、適応障害、身体的疾患で説明できない痛みを訴える慢性疼痛などが含まれる。

F50-F59 摂食障害、睡眠障害などが含まれる。たとえば神経性無食欲症、神経性大食症がここに分類され、単純な不眠症もここに含まれる。

F60-F69 持続する傾向をもち、個人の特徴的な生活様式と自己と他者との関係の仕方で現れるさまざまな状態と行動パターンが含まれる。そのひとつにパーソナリティ障害がある。これはパーソナリティーに偏りがあり、それによる行動パターンにより、しばしば本人自身が苦悩を感じたり、社会生活において困難を生じさせる。他にこの項目には、病的賭博、性同一性障害などが含まれる。

F70-F79 精神遅滞は精神の発達停止、あるいは発達不全の状態をいう。発達期に明らかになる全体的な知能水準に影響を与える、認知、言語、運動、社会的能力などの障害により、特徴づけられる。

F80-F89 会話、言語のみに関する発達障害、特定の分野の学力の発達障害、運動機能の発達障害、広汎性発達障害などが含まれる。小児自閉症、アスペルガー症候群はともに広汎性発達障害の一カテゴリーになっている。 

F90-F98 多動性障害すなわちADHD、行為障害などが含まれる。意図せず、急速、反復的、非律動的に比較的狭い範囲の筋を動かすチックもこの中に含まれる。

 

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