Old Fashioned Rock Wave

Rock Around The Eagles

Bands Around The Eagles
バンズ・アラウンド・ザ・イーグルス

おまけ

というわけでおまけ編ですが、ここではライヴ・アルバムなどを中心に紹介したいと思います。

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EAGLES/HOTEL CALIFORNIA
イーグルス・ライヴ
1980年

 『ロング・ラン』で事実上解散状態にあったイーグルスが、レコード会社の要請でライヴ録音のためにしぶしぶ行ったコンサートの記録です。そのような最悪なグループ状態にもかかわらず、内容はさすがプロフェッショナルに徹した完璧なアンサンブルを聞かせてくれます。ジョー・ウォルシュの「この人生に賭けて」、スティーヴ・ヤングのカバー「セヴン・ブリッジズ・ロード」などを交え、代表曲はほぼ網羅しているのだけど、私としては「呪われた夜」を入れてほしかったな〜。日本公演やブートレッグでは聞いてはいるけど、やはり最後のアルバムでもう一度聞かせてほしかった。象徴的に「テイク・イット・イージー」で幕を閉じるこのアルバム、「テイク・イット・イージー」で始まったイーグルスの歴史のパノラマでもあります。
 このアルバム発表後しばらく間をおいて、1982年にイーグルスは正式に解散しました...。

 その後1994年に再結成し、MTVライヴを行い新曲4曲を含むライヴ・アルバムを発表。

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POCO/POCO LIVE
POCO LIVE
1976年

 国内発売されなかったポコのライヴ盤。
 この頃のポコはカントリー・ロックとコンテンポラリーなウエスト・ロックとの間で揺れていたと思うけど、このライヴ聞くとポコはやっぱりカントリーロック以外の何ものでもないなぁと思ってしまいます。ロック的なギターリフもあるけど、やはり美しいコーラスとラスティ・ヤングののどかなスチール・ギターが光っています。


LITTLE FEAT/WAITING FOR COLUMBUS
リトル・フィート・ライヴ
1978年

 ローウェル・ジョージ復調宣言ともいえる名作ライヴ。前作『タイム・ラヴズ・ア・ヒーロー』ではちょっと引いていたローウェル・ジョージですが、本作と次作『ダウン・オン・ザ・ファーム』では再び頑張っておりますね。タワー・オヴ・パワー・ホーン・セクションをゲストに、ロンドンのレインボーで収録されたこのライヴ、ビル・ペインのピアノとホーン・セクションをフィーチュアした「ディキシー・チキン」のライヴ・ヴァージョンや感動の名曲「ウィリン」、レイジーな「セイリング・シューズ」などなどをハイライトとして、ライヴ・バンド、リトル・フィートをたっぷりと堪能させてくれます。来日公演のステージが懐かしく思い出される1枚です...。しかし、シンセはあまり多用して欲しくないと思うのは私だけでしょうか...ビル・ペインさん?
 ちなみにCDでは2曲カットされており、その2曲がなんと『ラスト・レコード・アルバム』にボーナス・トラックとして収録されています。


THE DOOBIE BROTHERS FAREWELL TOUR
フェアウェル・ツアー・ライヴ
1983年

 重く沈んでいったイーグルスとは好対称だったのが、このドゥービーズの解散劇。フェルウェル・ツア−によるあっけらかんとした最後は、実にアメリカンらしいものだと思う。選曲はどちらかというと、マイケル・マクドナルド参加以降のナンバーが多く、あの「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」のブルーアイド・ソウル風アレンジもちょっと馴染めないものがあるけど、パット・シモンズと新しいギタリスト、ジョン・マクフィーの多才なプレイが光っています。最後「ロング・トレイン・ランニング」と「チャイナ・グローヴ」ではトム・ジョンストンも加わりやっとドゥービーズらしくなったと思ったら...もう終わりだった。
 ジェフ・スカンク・バクスタ−のいた頃見に行った日本公演のほうがドゥービーズらしかったな〜。


POCO/LEGACY
レガシー
1989年

 ジョージ・グランサム、ラスティ・ヤング、ジミー・メッシーナ、リッチー・フューレイ、ランディ・マイズナーというなんと1969年のデヴュー・アルバム以来のメンバーの顔合わせによるリユニオン。ちなみに、ランディ・マイズナーはその1stアルバムにはクレジットされていませんが、レコーディングには参加しています。
 カントリーと呼ばれたり、ロンクンロールと呼ばれたり....あの始まったばかりの頃覚えているかい?...と歌う「When It All Began」で始まるこのアルバム、ひょっとしたらポコの最高傑作じゃないかと思います。20年以上ウエスト・コーストで活躍してきた兵(つわもの)たちが、またこうして一同に会して作り上げた作品集、その感慨たるや何と表現したらいいやら...。
 この感動的なアルバム一度聞いてあげてあげて欲しいと思います。けっして派手な魅力があるわけではないけど、頑固なまでにひとつの音楽にこだわってきた正直な音がここにはある...。ちょっと誉め過ぎかな?


COMMON THREAD/THE SONGS OS THE EAGLES
ソング・オヴ・ザ・イーグルス
1993年

 このアルバムは、ドン・ヘンリーが音頭をとっていたウォールデンの森林保護運動を支援するためにつくられ、『ならず者』の後、デヴィッド・ゲフィンからイーグルスのマネージャーを引き継いだアーヴィング・エイゾフが設立したジャイアント・レコードからリリースされたました。カントリー界のスターたちがイーブルスの名曲をカバーするという、よくありがちなトリビュート・アルバムではありますが、こうして様々なヴォイスを通して聞いてみることにより、ますますイーブルス・ナンバーの素晴らしさが浮き彫りにされていると言えます。ヴィンス・ギルのカバーした「言い出せなくて」では、ご本家ティモシー・B・シュミットがコーラスで参加しています。
 ちなみに、このアルバムのヒットが94年の再結成の直接的な契機となったようですよ。


STEELY DAN/ALIVE IN AMERICA
アライヴ・イン・アメリカ
1995年

 まさか彼らが再結成するとは、ましてやライヴ・レコーデイングするとは思っていなかったのだけど、ドナルド・フェイゲンもプロデュースに参加したウォルター・ベッカーの94年の1stソロ・アルバム『11の心象』がその伏線になっていたのかもしれませんね。
 93〜94年のアメリカ・ツア−を収録したものらしが、バック・メンバーで私が知っているのはピーター・アースキン(Drs. )とコーネリアス・バンパス(T.sax)くらいなのですが、演奏の質は実に高く、録音のクオリティの良さとも相まってライヴであることをしばし忘れてしまうほどであります。さすがライヴ出すからには、完璧なものだすよな〜と感心してしまいましたね。クールでホットというなんとも不思議な1枚です。


THE DOOBIE BROTHERS/Rockin' Down The Highway: The Wildlife Concert
ロッキン・ダウン・ザ・ハイウェイ/ワイルドライフ・コンサート
1996年

 89年にトム・ジョンストン、パット・シモンズらの往年のメンバーが集まって再結成したドゥービーズですが、このアルバムは野生動物保護のためのチャリティ・コンサートをナッシュビルで行った時のものです。
 Yasuさん(アブラヤボード等でお世話になっている方)に頂いたヴィデオ(CDは持っていません...)で見た限りでは、比較的小さな会場ではありますが、懐かしのドゥービーズを聞きに集まった中高年中心の観客を前にまさに70年代に連れ行ってくれるノリのいいサウンドを聞かせてくれます。ジョン・マクフィー(ここでもアコースティック・ギター、スチール・ギター、ヴァイオリンと多才)も加えたトリプル・リード・ギター、ツイン・ドラム体制で70年代前半の頃のナンバーを中心に、昔ながらの素直なアレンジが嬉しい。マイケル・マクドナルドもゲストで参加して例のブル−・アイド・ソウルなナンバーを聞かせてくれます。
 『ドゥービー天国』までのドゥービーズが好きなファンにとってこたえられない1枚。はっきり言って『フェアウェル・ツアー・ライヴ』より好きだな〜。

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EAGLES/HELL FREEZES OVER
ヘル・フリーゼズ・オーヴァー
1994年

 この文章を書くにあたって、MTVで放映された『'94 Live In California』などを再度見直したりしています。

 再結成の話は、1990年にもあったという、前述したウォールデンの森林保護運動のチャリティ・コンサートでドン・ヘンリー、グレン・フライ、ティモシー・シュミットが共演してイーグルスの曲を演奏した時らしい。しかし、この時はグレン・フライに気持ちの準備がなく実現にはいたらなかったようです。そして93年に『コモン・スレッド』のプロモーション・ヴィデオ作製のためにメンバーが再び顔を合わせ、さらにその『コモン・スレッド』が成功したことにより、メンバーの中に再結成に意義が再確認されたのでしょう。

 このリユニオンのメンバーは、解散時の5人(グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ドン・フェルダー、ジョー・ウォルシュ、ティモシー・B・シュミット)であり、バーニー・レドンやランディ・マイズナーには声がかからなかったらしく、最も再結成を喜んだのは、ドン・フェルダー、ティモシー・B・シュミットであるという。(彼らはソロで成功できなかったから?)

 新曲4曲にMTVでのライヴを加えた全15曲は、変則的ではあるものの、そのクオリティの高さゆえにファンにとっては満足行くものになっています。特にこの新曲の出来はかなり良くて、このレベルでフル・アルバムつくって欲しいと切に思ってしまいますね。グレン作のカントリー・ナンバー「ガール・フロム・イエスタディ」はJ.D.サウザーに捧げたようです。

 ライヴのほうもアコースティック・セットが多いものの、実に堂々と安定した演奏であり、ひとつひとつの音に実に情感が込められています(このあたりはヴィデオを見るとよくわかりますね〜)。なかでも、ハイライトは「ホテル・カリフォルニア」のアコースティック・ヴァージョン(スパニッシュ・ヴァージョンともいう?)。ドン・ヘンリーのインタヴューによれば「もともとレゲエやラテンを意識してつくった」とのことで自然なアレンジとも言えます。このアコースティック・セットの時、こざっぱりと年をとったメンバー5人がフロントで椅子に座って横一列並んで歌う姿には、非常に感慨深いものがあります。クラプトンもそうだけどこんな親爺になってみたいものです....。(笑)

 この他ドン・ヘンリーのソロから「ニューヨーク・ミニッツ」、アルバムには収録されてませんがジョー・ウォルシュのメローなナンバー「ヘルプ・ミー・スルー・ザ・ナイト」、オーケストラを入れた「デスパラード」など聞き所は数多く、その淡々としながらもどこかドラマティックな構成には思わず聞き入ってしまいます。

 この後95年にかけてツアーを行った彼らですが、その後は何してるのでしょうね!グレン・フライはナッシュビルでカントリー・アルバムつくるという噂はあるけど...。

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バンド編は以上です。

To be continued.

バンズ・アラウンド・ザ・イーグルス〜前編
バンズ・アラウンド・ザ・イーグルス〜中編
バンズ・アラウンド・ザ・イーグルス〜後編


ホテル・カリフォルニアの冬
テキーラ・サーキットの宴
J.D.サウザー〜イーグルスに最も近かった男
ギタリスト・オヴ・ザ・イーグルス

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