調査中の中の浜遺跡

当時、私が見学していたとき出土した、かわいい小さな壺には上部に4つの穴があけてあるのが有りました。それはひもを付けてぶらさげる穴で、当時の子供の今で言うポシェットだったそうです。その当時の子供の姿が目に浮ぶようです。 この石棺の発掘の様子を当時見たのですが大変根気のいる仕事で、ヘラや刷毛を使ってミリ単位で表土を除いていきます。
その土をふるいにかけ小さな遺物も見逃さない。この人物は女性で首の辺りから緑色の管玉(ネックレス)が出たのを覚えています。


画像は豊浦町史(三)考古編より
  <今後の課題>
9次に渡る発掘調査での大量の出土品は調査にあたった東京教育大学、広島大学などに研究のため持ち帰られ散逸しています。
研究が終わり、本来地元に返還されるべきものですが、帰ってきても保管する施設が無いのが現状です。また、現在どこにどの程度保存されているのかもよく分かっていない状態です。
また、遺跡の案内看板等ありますが、見学に訪れる際の駐車場が無く、また進入道路事情も良くありません。
現在工事中の県道に遺跡が隣接することになり、道路事情は格段に良くなります。そして道路から遺跡が一望できる状況となり、見学者が増える可能性があり、駐車場が必要となります。
これを機に中の浜遺跡の整備を市に要望すべきと考えています。そのためには遺跡を共有する地域の機運の盛り上がりが必要です。