休日の山歩き 35 | 丹沢表尾根(塔ノ岳) Tanzawa Omoteone (Tounodake) |
[丹沢] 丹沢表尾根 塔ノ岳(1491m) 鍋割山稜 鍋割山(1272m) 2011年4月17日(日) |
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三ノ塔から塔ノ岳を望む 烏尾山(左下)から新大日(右上) へと表尾根が連なる |
![]() ![]() ![]() 丹沢主脈縦走('08年) 西丹沢('09年) 丹沢三峰('10年) 丹沢表尾根('11年) |
東日本大震災の被災者にお見舞い申し上げます。重苦しい日々が続いたが、震災から1か月経ち、立ち直るためには早く普通の生活に戻らなければならないと考え、4月中旬の天気の良い日曜日、丹沢の代表的縦走コースの一つである丹沢表尾根に出かけることにした。
コースは、蓑毛から歩き始め表尾根を経て塔ノ岳に登り、下山は鍋割山を経て大倉に下った。晴天に恵まれ、途中ヤビツ峠を過ぎるまでは人出が少なかったが、表尾根の稜線に登る頃から多数の登山者があり、最後まで賑わいの1日だった。
【秦野駅を起点に蓑毛バス停から歩く】
早朝に自宅を車で出発し、1時間半で小田急線秦野駅近くに着き、有料駐車場に停め、買物をし、秦野駅前から朝2番、6時35分発のバスに乗った。乗客は男性登山者数人で、途中に乗降もなく10分余りで終点の蓑毛に着いた。この辺りは20代の頃に大山登山で来たはずだが、ほとんど記憶がない。自転車で峠越えに出る人も準備している。数人の登山者は皆単独で、会話を交わすこともなく1人ずつ川に沿った車道に歩き出し、私がしんがりで出発する。大山裏参道を右に分け、ヤビツ峠に向け植林の中を直進し、春岳沢を左に渡り、尾根の左(西)側に回り、左下の車道と並行してトラバースし、ヘアピンカーブした後ジグザグになる。
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蓑毛バス停 | 春岳沢に沿う植林の登り | ヤビツ峠 | 富士見山荘 |
【ヤビツ峠を経て】
やがて谷の奧を左へ回り込むようにして、蓑毛からちょうど1時間でヤビツ峠に着くと、バス停があり駐車場に車が多数停まっているが余り人気がない。ここから車やバイクが通行する車道を緩く下り、富士見山荘から登りの車道に入ると、右に塔ノ岳への登山口があり、樹林の中を登る。未舗装の車道を横切り、尾根筋の急坂を登っていく。葉の落ちた木々に若葉も少し出ている。
ヤビツ峠から1時間10分で二ノ塔に着いた。前方の青空の中に三ノ塔がそびえて気持ちが良く、テーブルに座って行動食の菓子パンなどを食べた。ここに着くまでに速足の人2人ほどに抜かれたが、ここでも後から10人以上の人が来て、多くは休まずに先に行ってしまう。どうやら、私の乗ったバスの1時間後にヤビツ峠までのバスがあるが、それに乗ってきた多数の登山者が追い付いてきたらしい。
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塔ノ岳への登山口 | 二ノ塔への道 | 登り着いた二ノ塔から三ノ塔を望む |
【表尾根を縦走】
二ノ塔から三ノ塔に向かって下り始めると、前方左に富士山が見えているのに気付いた。裾野はもやがかかり上の白雪の部分だけが浮いて見えているが、丹沢から見る富士山はやはり大きい。登り着いた三ノ塔は広い山頂で、緑の三角屋根の建物がある。ここからは展望が良く、これから歩く稜線が塔ノ岳まで見通せる(このページ冒頭の写真)。下った烏尾山には三角屋根の山荘があり、次の行者岳の先では鎖が付いた岩場を下る。政次郎ノ頭を過ぎ、書策小屋のピークは建物もなく見晴しがよい。次の新大日には茶屋が、木ノ又大日には小屋がある。この稜線の道の全体に、アセビの大群落が道端や山腹に点在する。
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三ノ塔で塔ノ岳までの大展望が開ける | 烏尾山から富士山を望む | アセビが群生する道(烏尾山の先) |
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三ノ塔の休憩舎 | 烏尾山の山荘 | 新大日の茶屋 | 木ノ又大日の小屋 |
【塔ノ岳山頂】
最後の緩やかな稜線を登って塔ノ岳に着いた。11時40分で、蓑毛から4時間50分かかった。約3年ぶりの山頂は、前回と違い晴れて360度の展望がある。山頂からの展望は、東に三ノ塔からの表尾根の稜線が連なり、その奧に大山のピラミダルな山容が堂々と横たわる。北から西に丹沢山、蛭ヶ岳の主脈が伸び、さらに檜洞丸へと主稜が連なる。鍋割山稜の上に富士山が浮かぶ。正面に湘南の町並みが広がり、遠く相模湾を望む。展望を楽しみ、ガスで湯を沸かしてコンビニ弁当を食べた。
尊仏山荘の建物も少し改修されたようで、山荘の名前が白字でくっきり出ている。山頂は多くの人で賑わっている。料理を作り楽しそうに過ごす団体もあり、中高年だけでなく、若者、特に女性が多く、最近の登山ウェアを着こなしている人が多いのに気付かされる。山頂の一角、丹沢山へ向かう所で、鹿が無心に何か食べていた。
山頂で1時間過ごした後、下山は大倉に向かい、金冷シで鍋割山へと向きを変える。
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塔ノ岳山頂まであとわずか | 塔ノ岳山頂 | 尊仏山荘 |
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三ノ塔から新大日までの表尾根の稜線 奧に大山 | 塔ノ岳山頂の賑わい |
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丹沢主稜の山並み | 丹沢主脈の山並み |
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塔ノ岳山頂と富士山 | 塔ノ岳の鹿 | 鍋割山荘 | 鍋割山 |
【鍋割山】
植生保護された道や葉を落とした樹林の道を大丸、小丸と進み、鍋割山の少し手前で、尾根脇が崩れたため蛭ヶ岳などの展望がよい場所があった。塔ノ岳からちょうど1時間で鍋割山に着く。芝生の上などで休む人が多く、鍋焼きうどんを食べる人もいる。富士山は既に霞んで見えなくなっている。2時に鍋割山を後にし、大倉への下山は尾根筋を下り、後沢乗越で左の沢に向かってジグザグに下る。沢を渡ると未舗装の林道が始まり、下りは緩やかになる。
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小丸付近の広葉樹(ブナ)の道 | 鍋割山手前の稜線から蛭ヶ岳方面を望む |
【林道を歩き、大倉バス停から渋沢駅へ】
林道はさらに2回渡渉し、その先が二俣だ。この道沿いには所々に桜やツツジが見られ、華やかだ。木々に若葉も付き始めている。団体や単独の多くの人と前後して歩く。さらにひたすら林道を下り、国定公園の表示の先で左に入り、集落に出て大倉バス停に着く。4時20分。渋沢駅へのバスはそれから20分も待たずにほぼ満員で発車した。渋沢駅から電車で1駅で秦野駅に移動し車に戻った。帰路は高速の出口を間違えたりしつつ3時間かけ、午後8時過ぎに無事帰宅した。
今回は、塔ノ岳から金冷シまでの区間を除き初めて歩いたが、天気が良く展望があり、人出も多く、改めて丹沢の魅力を感じる1日だった。
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林道の渡渉箇所 | 若葉が出始めた林道 |
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シャガ(蓑毛) |
アセビ(三ノ塔) | アセビ | ツツジ(林道) | (林道) |
【行程】 4:37木更津発⇒アクアライン・首都高神奈川線・東名高速⇒6:07秦野駅前着→6:35秦野駅発バス⇒6:46蓑毛着 6:53蓑毛バス停→6:57大山分岐→7:13春岳沢渡る→7:52ヤビツ峠7:56→8:13富士見山荘→8:16塔ノ岳登山口→9:07二ノ塔9:22→9:35三ノ塔→10:01烏尾山→10:22行者岳→10:40政次郎ノ頭→10:48書策小屋→11:00新大日→11:14木ノ又大日→11:39塔ノ岳12:42→12:54金冷シ→13:04大丸→13:22小丸→13:42鍋割山14:02→14:38後沢乗越→14:54沢渡る・林道始まる→15:14二俣→16:07大倉へ分岐→16:21大倉バス停 16:38大倉発バス⇒16:49渋沢駅着→小田急線渋沢⇒秦野→17:22秦野駅前発⇒東名高速・東名川崎IC・府中街道・アクアライン⇒20:23木更津着 【歩行時間】 [ ]内はコースタイム 蓑毛→塔ノ岳 [5:20] 4:46 (山頂休憩1:03) 塔ノ岳→鍋割山 [1:10] 1:00 (山頂休憩0:20) 鍋割山→大倉 [2:45] 2:19 計(山頂休憩含む)[9:15] 9:28 |
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【高低差】 蓑毛315m→ヤビツ峠761m→二ノ塔1140m→塔ノ岳1491m→二俣約530m→大倉290m =+1176m−1201m 蓑毛→二ノ塔 [2:40] +825m、 二ノ塔→塔ノ岳 [2:40] +351m 塔ノ岳→二俣 [2:30] -961m、 二俣→大倉 [1:25] -240m 【参考資料】 山と高原地図「丹沢」(2008年版) |
2011/4/27整理