休日の山歩き 13 倉岳山・高畑山 Kuradake(Kuratake)yama/Takahatayama
[中央沿線] 倉岳山(990m)・高畑山(982m)
2009年2月28日(土)
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 倉岳山 天神山付近から望む

【中央沿線の山を縦走する】
今年も暖冬で、春の訪れも早そうだが、冬の間に登っておきたい山として、次に中央沿線を考えた。この山域は高尾山を別として行ったことがなく、登山地図には「晩秋〜早春が登山シーズンで夏にはヤブが深くなる」と書いてある。東京の天気は、この時期には珍しく雨の日が続き、金曜日にはまとまった雪が降った。それを機に週間予報が変わり、土曜日は天気が回復し晴れる予報になった。

【鳥沢駅から高畑山に登る】
土曜日の朝、5時半に家を出、西武線の朝3番の電車で国分寺に出て中央線に乗った。車内は登山姿の人がちらほら。6時59分に鳥沢で下車した。駅の周辺には私以外に人の気配がなく、天気も雨が完全に止みきってないが、駅前の観光案内板には登山道も紹介しており、富士山の眺めが良いことを誇っている。
7時、高畑山・倉岳山の方向に歩き始めた。甲州街道を少し歩いた後中央線をくぐって南側に出て、集落の中の道を何度も曲がるが、ほぼ高畑山・倉岳山への方向指示が出ている。舗装道路の終わりには鉄製のゲートで車止めしてあり、歩行者だけが通れるようになっている。小篠貯水池を過ぎると山道になった。昨夜来の雨はここらでは雪だったようで、少し積もっている。金属製の道標に導かれ、倉岳山との分岐を高畑山の方向に右折すると、本格的な登りになり、水っぽい積雪に今朝初めての靴跡を付けて歩く。やや開けた場所の後、間伐された植林の急斜面を直登に近いジグザグで登ると、尾根に出た。ここで雪が降り出し風も出てきたので、毛糸の帽子で身構え、尾根の直登にかかる。雪で踏み跡が分からず確認のため戻ったりして手こずったが、尾根を登り切ると高畑山頂上に出た。

鳥沢駅 ゲート 杉林の急斜面 高畑山への尾根
鳥沢駅 車止めのゲート。右端が開く。 植林の急斜面 高畑山への尾根

【高畑山から倉岳山へ】
9時半、雪は止んでいる。高畑山頂上は木立に囲まれ狭く、大月市秀麗富嶽12景の解説板に富士山の写真がある。南側は背の低い針葉樹で、木の間から富士山が見えるらしいが、近くの山が見えるほかは厚い雲がかかっている。北側は葉が落ちた広葉樹が密生しよく見えない。木々の枝に雪が積もり、静かな冬景色の中で新雪の感触を踏みしめながら、暫しの時を過ごして、東の倉岳山に向かう。
途中、樹間から北側の山並みが見え隠れし、天神山のピークに立つと、中央線を挟んだ扇山を始めとする大きな展望が開けた。また進行方向には倉岳山が聳える(このページ冒頭の写真)。天神山からすぐの穴路峠は、狭い尾根道と、急坂で下る左右の峠道が交差している。次に倉岳山へのきつい登りの雪道になり、今日初めてとなる反対方向の登山者と出会った。山頂部に出て、平坦な歩きで倉岳山頂上に11時に着いた。

高畑山頂上 高畑山頂上 天神山頂上 穴路峠
高畑山頂上 高畑山頂上 天神山頂上 穴路峠 北から南を見る
天神山付近及び天神山頂上から北側を望む 合成
天神山付近及び天神山頂上から北側を望む

【倉岳山で展望を楽しむ】
山頂にはベンチがあり、反対方向から登ってきたらしい先客が1組いる。ここも北側の展望は申し分なく、ようやく空も晴れて明るくなり、雨後の澄んだ空気で奥多摩の大岳山や御前山もくっきりと見える。南側も先ほどの高畑山より開けている。秀麗富嶽12景の解説板がここにもあり、高畑山と倉岳山が9番を共有しているようだ。弁当の昼食を取っていると、ご夫婦の登山者が到着した。私より30分ほど後から同じコースをたどって来られたようで、この山域は年に何度も歩いており、富士山の見え方では高畑山の方が良いくらいだそうだ。残念ながら富士山の姿は想像するしかない。

倉岳山頂上から北側を望む 合成
倉岳山頂上から北側を望む
倉岳山頂上から南側を望む 合成 倉岳山頂上 倉岳山頂上
倉岳山頂上から南側を望む 倉岳山頂上 北側 倉岳山頂上 南側

【なおも縦走路を歩く】
倉岳山頂上で十分休んだ後、11時40分、東方向に下った。いきなり急降下で、雪で足下が滑って止まらないくらいだ。ここでも約10人の人とすれ違った。10数人の足跡の付いた道をたどり、ピークを次々と3つほど越えて下ると立野峠で、ここだけの綺麗なヒノキ製の道標もある。ここから北の梁川駅に下りるのが標準コースだが、今日はさらに尾根道を行ける所まで行ってみることにした。やがて南側の展望が大きく開ける場所があった。雪道に付いた足跡の人数は減ったが、一番新しい足跡は同じ進行方向を向いている。天気は回復したが、林の中は木から水滴や雪が絶え間なく落ち、さながら小雨の中を歩いているように、よく濡れた。
立野峠から東は、はるか高柄山を経て上野原駅まで尾根のコースが続いている。立野峠で12時、もはや高柄山まではとても行けない時間になった。長い周期で3つほどピークを越え、いったん尾根の左に外れた後植林の尾根を下り、寺下峠に着いた。

倉岳山からの下りの尾根道 立野峠 寺下峠 寺下峠からの斜面の道
倉岳山からの下りの尾根道 立野峠 寺下峠 寺下峠からの斜面の道
立野峠付近から南側を望む 合成
立野峠付近(細野山付近?)から南側を望む

【寺下峠から梁川駅に下る】
寺下峠で午後1時半になり、峠から東向きに登る雪道にはなお足跡が付いており、もう一つ先の峠に行くと四方津駅に下りられるが、歩くのにも飽きてきた。もはや今日はこれまでと、梁川駅に下ることにした。この下山路はまだ雪に足跡がなく、今日歩くのは私が初めてのようだ。急斜面を横切って付けられた道を行くと、次に木も生えてなくて崩れやすい急斜面にジグザグに付けられた道になり、道に沿ってロープも張られている。道をふさいでいる枝を除けると落石が起き、遙か下まで小石が転がっていった。大人数の登山者にはとても対応できない道だと思った。
やがて水音と共に下るようになり、複数の水道管が道に沿って敷かれている。眼下に新しい橋が見えた後、車道に出たので、つい橋の方に歩いてしまったが、これは2車線の立派な林道で、しばらく歩いてから間違いと気づき、最初に戻って逆に集落のある方へ歩き、甲州街道に出て、午後3時過ぎに梁川駅にたどり着いた。
この駅は無人駅で、程なく東京行の電車が来たので乗った。次の四方津、そして上野原の駅までは結構距離が長く、車窓から山並みを見つつ、これだけの距離を歩くつもりだったのかと改めて驚いた。これらの山は中央線から直接登れるのが良く、次に来るときはぜひ富士山を見たいものだ。

下山路 下山路 車道出会い 梁川駅から倉岳山を望む 合成
新しい橋が見える 車道に出て、駅は緑の方向に下
りるべきところ、新しい橋につら
れて赤の方向に下りてしまった。
梁川駅から倉岳山(中央奥)を望む
【行程】
西武線⇒国分寺5:56発(高尾行)⇒高尾6:29発(大月行)⇒鳥沢6:59着

7:03鳥沢駅→7:30頃小篠集落→7:35ゲート→7:41小篠貯水池→8:09倉岳山・高畑山分岐→9:32高畑山頂上9:52→10:22天神山頂上10:32→10:36穴路峠→11:00倉岳山頂上11:40→12:04立野峠→13:32寺下峠13:44→14:39車道出会い(道誤り戻る)15:03→15:13塩瀬橋→15:26梁川駅

梁川15:35発⇒立川(特快)⇒国分寺16:37着⇒西武線

歩行時間 約8時間25分(山頂大休憩20分・40分、道間違い24分含む)

高低差 鳥沢駅315m→倉岳山990m→梁川駅290m=+675m−700m

地図 カシミール3Dで作成
【参考資料】
山と高原地図「高尾・陣馬」(1998年版)、関東の山歩き100選(昭文社1998年)、関東日帰りの山ベスト100(実業之日本社2006年)

2009/3/6整理

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