参道の突き当たりは石段になっていた。白く光っていて、まだ新しい。 抜けるような青空を背景に鬱蒼とした杜の中へと石段は続いている。 若者が二人、母親らしき初老の婦人を連れて歩いていた。
階段の脇には道案内版が立っていた。 この先は仁王門になっていて、更にその先に薬師堂、宝殿があるようだ。 宝殿の脇を巡って薬師林道を辿れば、順礼峠を経て七沢温泉へ至るものと 思われる。
石段の右脇にはなにやら男女がいちゃついているような石碑が建っている。 作者の意図をそれ以上考えたくなかった。
いろんなものがあってなかなか石段を昇りきれない。 中段辺りにはこのような歴史解説のボードが立っていた。 建久5年(1194)8月8日に頼朝公が危篤状態に陥った娘の病気平癒祈願のため、 50人の随兵を従えて日向薬師に詣でたとき、ここで旅装を脱ぎ白装束に衣装を 着替えたところから「衣装場」といわれ、現在はなまって「いしば」と呼ばれ ている、とある。頼朝もしらしんけんだったんだろう。