![]() 露天風呂の七沢荘を探して七沢温泉街を進むと、大きな「丹沢大山国定公園」 と書かれた木製の看板があった。これを見て、国定公園とは英語で"Quasi-Natinal Park"というのだということを初めて知った。それにしても、米国や英国には 国定公園というものがあるのだろうか?"Quasi-"(準)などという安直な ネーミングからすると日本で考えてつけたものではなかろうか? 看板の上に見えているのは民家の物干し竿と洗濯物であるが、この上天気で 洗濯物もよく乾いたであろう。 |
![]() パラパラと旅館やホテルがあるが、なかなか目指す七沢荘は出てこない。
昼食もとっていなかったので急にお腹が空いてきた。11:05に家を出てから既に
3時間半が過ぎていた。ふと見ると土産物屋の前の駐車場で饅頭を売っている。 |
![]() 七沢荘に到着した。構えはなかなか立派そうである。入浴料1,000円と タオル代200円を払って露天風呂へと向かう。内部は安物の温泉旅館である。 うねうねと迷路のように曲がりくねった廊下を伝っていった先に露天風呂 はあった。 露天風呂はもっと豪壮な、華麗なものを想像していたのだが、かなり小さな ものであった。燦々と日光を受けながら裸になって、岩風呂に入っていくのも 奇妙なものだ。 3つの風呂とも結構温い。「温いのが長く入れてよい」とか、「庭木の手入れは どうしたこうした」などという会話が聞こえてくる。やはり自分より年輩の方が 多いようだ。 |
天気はよいが、4月終わりの風はまだ肌寒さをはらんでいて、 肩から上が冷えて一向に暖まらない。それで3つの中で一番温度の高い湯に、 野生猿のように首までどっぷり浸かっていた。やや西に傾きかけた太陽が もろに顔を照らし、やたらと眩しい。露天風呂でサングラスをかけると やっぱり変人と思われるだろうな、と思って我慢をしていた。 湯の表をしげしげと見ていると、辺りを舞う木々の花粉や木の葉が浮かんで いるのは情緒だが、ウスバカゲロウの死骸なんかも浮かんでいるのは、 やや閉口した。これも露天風呂ならではといえなくもないのだが。 露天風呂の設備面では大いに不満が残った。1,000円も取るからには、 もう少し小綺麗にしてもらいたいものである。野趣もよいが、清潔感も 大切である。次回は別の旅館の露天風呂も並行して検討する方がよいで あろう。帰り際に玄関で様子を聞かれた老婦人が、「以前よりは綺麗に なりましたね」と下足番の人にいっていたが、あれは皮肉であっただろうか? 外の無人販売所で大きなタケノコを売っていたので買って帰ろうかとも 思ったが、500円もしたので、やめにした。我が家の連中は貧乏人のくせして、 タケノコを余り好まないからでもある。 明るい内に家に帰り着いて、昼食代わりに買ってきた団子を家族ともども 食べたが、大変に好評であった。特に黄粉団子は秀逸である。お薦めである。 【完】 |