脳髄ぶっとばして
キヒヒヒ…
今年も終わりが近づいてきておるのう…

人生という残り少ない、限られた時間の中で…
ようこそこんな迷い道においでなすった…

そんな入水自殺をするような勇気をみせてくれた主に
年甲斐もなくワシも最大級の報酬であてがいたくなったわ…

キヒヒヒヒヒ…

これはワシが長ーーーーい間温めた、
物語のプロットのほんの一部じゃ…

キヒヒヒヒヒヒヒ…

なんじゃ不満か…?

キヒッキヒヒヒッ…

素人の作りものと侮ることなかれ…

ワシはコレを世に出せば
間違いなく、瞬く間に流布してゆき
漫画・小説→ゲーム→アニメ→キャラクター商品→映画→ドラマCD→OVA→フィギュア→同人誌と、
ありとあらゆるメディアミックス展開をことごとく成功させ、
1000憶はくだらない利益を生み出すと確信しておる…。

それを生かすのは主次第というわけじゃのう…。

キヒヒヒヒヒ…

では遠慮するな、少し早いクリスマスプレゼント、
しかとうけとるがいい!!!!!!11111




1.青年は、親の仇を探して砂漠を歩いていた。

2.その仇とは人ざらなるものにしてこの世の支配者。青年の行く道は修羅と予想されていたことであった。

3.そして…、ついにこの砂漠で道に迷い行き倒れてしまった。

4.そんな青年の元をたまたま通りかかった美しい女性が、近くの自分の住む街まで青年を連れて行って看病した。

5.青年は回復し、世話になった女性と街の人に一瞥し、再び旅へと戻ろうとしたその時、人ならざる親の仇が青年を救った女性をさらっていったのだった。

6.一度ならず二度までも一方的な借りを作られた青年は、憤怒の思いをぶつけるように旅を再会した。

7.と、この辺でこの作品の最初のメディア媒体が漫画や小説であった場合、作品の人気はモリモリ上がってくる頃であろう。

8.ここぞとばかりに適当に漫画なら連載300回分、小説なら単行本10冊分のつなぎの終末先延ばしストーリーをでっちあげる(内容は担当編集にでも任せて適当にやればよい)。

9.長い旅と旅の仲間たちとの出会いと別れの末、ついに最終決戦。親の仇と自分を救ってくれた女性をさらった者と対峙する。

10.ひとざらなる仇との言い知れぬ攻防の末…、青年は最後の力を振り絞りついぞ仇を打ち破る。

11.大願の成就、砂漠で出会った女性(イノチノオンジン)との再会、物語はこれ以上ない感動的な幕切れをもって終焉を迎えた…。

12.画面が暗転する…。






13.ふと目をあけると、そこは『3』の場面だった。

14.そう、美しき女性に助けられ、大願を成就する『4〜11』までのシナリオは、青年が広大な砂漠で力尽き堕ちて死を受け入れるまでに見た夢だったのだ…。

15.そして…物語は永遠の終幕(グランドフィナーレ)を容赦なく宣言したのであった…。



- F I N -






-スタッフロール-


プロット:平野ユウ

絵コンテ:満々素

シナリオ:ハイリ・ホー・マーハナソ


オープニングテーマ
   「カマドウマ」

作詞作曲:うぶ毛
歌:ダチオ、りっちゃん


エンディングテーマ
   「勇気ひとつを友にして」

作詞:片岡 輝
作曲:越部信義
歌:山陰Kids


非常にどうでもいいあとがきですが、
一週間前にこのネタを携帯で書いてたら
プロット14のあたりで操作を誤って内容を消してしまい、
日高屋(まずいラーメンチェーン店)という飲食店で、
周りにたくさんの人がいたにもかかわらず、
「うおっ!」と小さく呻いてしまいましたとさ。