メタルサーガめたるさんレビュー
こんにちは。最近足腰にハリを訴える、気分は闇売ガイアンツ三塁手小久保裕紀のユウです。


ところで本日は、最近発売されたメタルシリーズ最新作、「メタルサーガ」を熱く語って頂ける方をゲストとしてお招きしているらしいんですよ。
ということで早速よんでみましょうか。

ゲストさーん!
























Guten Tag!
メタルマンだ。















………(絶句  そしてフェードアウト)。







どうした?
じゃあ、メタルサーガのレビューとやらを始めようか。



【お名前】 メタルサーガ 〜砂塵の鎖
【発売日】 6月9日
【発売元】 サクセス

【機種】 プレイステーション2
【ジャンル】  全方位系RPG(なんでもありありRPG)


※SFCで出た「メタルマックスR」以来、色々と続編発売のウワサが流れては消えてファンをやきもきさせた末に10年ぶりの続編発売。




「竜退治にはもう飽きた!」
なんてキャッチフレーズと一風変わったシステムで一世を風靡し、ファンを多数勝ち得たメタルマックスシリーズの続編だ。
権利うんぬんで「メタルマックス」という名前は使えなかったそうだが、まあどうでもいい。
知らない人のために説明すると、主人公はハンターとなり、わりとウエスタン風の世界観の中できままな旅をする、自由度の高いRPGである。
途中でハンターを廃業することもできるし、一応最終目的もあることもある。その辺の情報に対する行動はプレイヤーに全てゆだねられる。
他に「戦車」を使った戦闘システムが秀逸で、生身の「人間」ではなかなか勝てない敵も、戦車を用いれば一撃というような絶妙のバランス、戦車のシャシーやパーツは改造して強く出来るというのが、当時のお子さま達の男心を限りなく擽ったのであった。

10年ぶりの復活で、どういった変化と継承がなされたのかとそれまでのファンは大いに期待したわけだが、ファーストインプレッションでその辺はなかなかにまとまっていると感じ得た。
戦車は改造と装備で補強し、人間はレベルアップと装備で強くなる等と言った基本システムは変わっていない。
勿論ハンター廃業の時期も自由に選べるし、全体的な自由度もべらぼうに高い。ただこの辺は前3作よりも「放り投げられた」感が強くさえある。
大まかに観て変わったのは追加要素ぐらいのもので、世界観はしっかりと維持されているといって良い。ファンの人のバグでぶちこわしにされていたナウプロ版GBAの2リメイクのフラストレーションは解放されたに違いないだろう。(笑

ただ、初めてメタルシリーズを触るプレイヤーは少々「古くささ」を感じるかも知れない。
良くも悪くも90年代RPG的な所がメインとなってゲームの顔に出ているからだ。


さて、ここまでの印象は「良い」という感じに書いてきているのだが、実を言うとちゃんと遊んでみてからの全体的評価はそこまで良くはなという事を、ここで話しておかねばならない。
まず鼻につくのが細やかなシステム面での退化だろうか。
戦車コマンドの撤廃、コントローラのカスタマイズ機能の縮小、改造機能の縮小、戦闘における装甲タイルの枚数順(すくない方が先)での攻撃順番等、前作と比べるとやりにくくなった感が強い。このやりにくさは新規に「メタル」を触る人も感じられるのではないだろうかというレベルである。
また、ロード時間は長め。HDインストールしていれば短く出来るが、フィールドへ移行するときのローディングはHDインストールプレイであっても少々長い。

戦闘バランスも良くはない。
自由度が高いからという事で片づけられる話ではなく、前述の装甲タイルにおける攻撃順決定のおかげで第一の戦車「バギー」が鉄屑のような存在になってしまったり(シャシーが軽いから装甲タイルを多くつめるという特性が全く活かされない)、Cユニットのみが命の戦車防御力であったり、戦闘システムはかなり難があるように感じられる。
ダメージの計算法も前作ほど振り幅が大きくなく、こじんまりとまとまったせいで、「勝てない相手には勝てない」感が強くなっているのも、このシリーズの魅力から考えるとマイナスだ。
賞金首もダメージの計算法からあまり運が絡まないために全体的に強くなっている(Cユニットさえ揃えれば大半はザコになるんだけど)。また、味気ない気がする。
更に自由度が高いことがウリなのに、敵を倒してもらえる経験値が現在の自分と敵とのレベル差により決められる(一体につき最高25)という行き先を制限するようなシステムを採用しているのもどうかと思う(「逃げる」コマンドは100%成功するのだが)。更に言うと、こういうバランスの取りやすいシステムをわざわざ採用しているにも関わらず、前途に挙げたようにバランスが悪い。

最後に3Dクォータービューなのは良いのだが、視点を回転できないのは自分がどこにいるのか分かりづらいという意味で悪い印象は拭えない。


とまぁ、 とにかく細かいところでの調整不足が鼻についてしまう。
昔の味で勝負するタイプのゲームなのにこれではツライ。
出た当初の話題性はそれはそれは素晴らしいものがあったが、これでは新規顧客獲得はおろか、シリーズ支持者の離脱もありえるのではないだろうか。


それでもシリーズの世界観は壊していないと思うし、無駄な所の作り込みも確かなものがある。
メッセージの凶暴さ(&愉快さ)はなくなってしまったが、こういうブランクのあきまくったゲームの世界観を大切にできる姿勢は評価していいと思う。


初版の売れ行きも大変良かったそうなので、次回作が企画される可能性は極めて高いと思うが、その場合はとにかく甘かった作り込みをしっかりと解消していただきたい。
せっかく素材に最高級の敷地があるのに、
「あっ、これは見切り発車の発売だな」
なんてアクの強めなユーザーに思わせるようなゲームでは悲しい。


少し前に半熟英雄シリーズが10年ぶりに発売されてゲーム業界に波紋を呼んだ。
しかし、演出技術はたしかに素晴らしいものがあったのだが作り込みがどうにも甘く、このゲームの好評を受けて先日発売された続編の売れ行きは良くなかった。ハッキリ言えば多くのユーザーが見限ったということ。ネットによって今までゲーム雑誌でもなかなか得られなかった情報を簡単に得られるようになった今のユーザーは、求める物が高くなったというのを再認識させられた恰好だ。

メタルサーガにはこうなってほしくはない。
が、今回そう感じさせてしまう怪しさがちらほら見受けられてしまったのは残念だ。


とりあえず、これが雑誌を含む攻略本や攻略サイトなどを一切見ずに一度ゲームをクリアした状態での感想である。
残念ながら新たに最初からゲームを始めようとは思えなかった。




個人的にはこのゲームと立ち会って最初の数時間のプレイでは感動が心の中で波打つのを感じまくったので(雰囲気はかなり出ていると思ったということですね)、素直に次回作に期待してみたい。とにかく技術でカバーするところではなくて、調整部分をどうにかしてほしい。



というわけで私のレビューはおわりである。さらばだ!






というわけで、メタルマンさんでした!
キツイ言葉が飛び交いまくりましたね!
でも、これはメタルマンさんですから! 僕じゃないですから!