PC88WinはM88に比べるとFM音源の再現性はやや劣りますが、動作が若干軽いのが特長です。基本的にP88SRのROM、ディスクイメージを使用することを前提としており、これらを作成するツールは配布していません。
必要なファイルをPC88WIN.EXEと同一のディレクトリに置き、実行するだけです。D88ファイルをPC88Winに関連づけしておくと、ディスクイメージファイルをダブルクリックしただけで実行できるようになったりもします。
操作性はよく練り込まれており、現在発音中の鍵盤を表示する独自の機能もあります。またこの鍵盤は特定のパートにマスクをかける機能も持っています。(ほんと、昔PC-88ゲームの曲を耳コピで作成するのに、一生懸命音取りをしたのが馬鹿馬鹿しくなってきます(笑))音声合成の再現性はM88を上回り、SSG音源を利用したサンプリング再生などもしっかり発音されます。M88と比較して甲乙付けがたい完成度です。
・・・実際そのとおりなのですが、これではあまりに芸がないので(笑)サウンドボード2のリズム音源のエミュレーションに必要なWAVファイルについて書きたいと思います。
M88でも共通のファイルを用いるのですが、サウンドボード2のリズム音源のエミュレーションを行うためには、リズム音源の各音をサンプリングしたWAVファイルを特定のファイル名で実行ファイルと同一のディレクトリに置いておく必要があります。PC88のサウンドボード2と、Windows機のサウンドカードを接続し、PC88側でサウンドボード2用のN88BASIC("fm.ipl"を実行)を起動し、CMD
RHYTHM命令で発音させた音をサウンドレコーダ等で録音すれば良いです。ちょっと(かなり)面倒ですが・・・。
基本的にはリズム音源について、ソフトウェア的にデジタルで吸い出すことは不可能なのですが、PC88Winの作者のSoltin
Softwareさんのページでは、なんとハードウェアを自作してROMを吸い出す方法と回路を公開しています。腕に自信のある人はぜひ挑戦してみてください。