武田宜裕さんが最優秀賞受賞 〜若手演出家コンクール2024で 2025.4.1

最優秀賞を受賞した武田宜裕さん。
『着かず離れず』の一場面。

 2月25日(火)から3月2日(日)、下北沢『劇』小劇場で日本演出者協会主催の「若手演出家コンクール2024」の最終審査上演が行われ、最優秀賞にみどり市笠懸中学校出身の武田宜裕さん(広島県在住)が選ばれました。

 このコンクールは、同協会が「日本の各地で活躍を始めている次代を担う演出家に、さらに活躍するための場を提供したい」として2001年より毎年開催しているイベントで、ここで受賞した演出家のほとんどが今、日本の現代劇の牽引演出家として大きく活躍しているとのことです。今回のコンクールには全国から101人の応募者があり、1次審査会(映像審査)で10人に絞られ、2次審査(審査員が現地に行き候補者の公演、または通し稽古を実際に見る)で最優秀審査進出の4人(優秀賞)が決定、武田さんはその一人に選ばれました。

 候補者は期間中2回の上演を行い、最終審査に臨みました。武田さんが上演した『着かず離れず』は、大阪行きの飛行機に乗り合わせた2人の男と客室乗務員と機長4人の物語。コミカルなやりとりから家族の問題が浮き上がり、そして日航機墜落事故のイメージが重なります。たった3脚の椅子を使用した簡素な舞台で、4人は巧みな演技と照明で、7人分の役割を時間と空間を行き来して演じました。その演出が評価され、武田さんが最優秀賞を獲得しました。

 武田さんはみどり市の笠懸中学校出身で、桐生高校の演劇部に所属して舞台の魅力に目覚め、広島大学在学中に演劇サークル内に現在の劇団「INAGO-DX」の前身となる「いなごDX」を立ち上げました。大竹市職員として勤務の傍ら、広島を拠点に活動し、ほとんどの公演で脚本・演出・出演を務め、 初代および第二代中国ブロック劇王、第二代四国劇王などを受賞しています。

 受賞の喜びを故郷に送るとしたらの問いに、武田さんは「歴史あるコンクールで、ずっといっしょにやってきた仲間の力で最優秀賞を受賞できて本当に嬉しいです。群馬が登場する作品でしたが、作る過程で何度も故郷の笠懸や出身校のある桐生のことを思い出していました。自分の活動がふるさとのチカラになれたら嬉しいなと思います。いつか地元で上演したいです」と語ってくれました。そんな日が来ることを期待したいと思います。

 

 

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