孤独・孤立対策の基盤づくりをめざす 〜官民連携PF設立 2025.3.25

記念講演の途中にはワークショップも。

 3月19日(水)午前10時からみどり市笠懸公民館交流ホールで、福祉関係者55人が参加してみどり市孤独孤立対策官民連携プラットフォームの設立総会とNPO法人キッズバレイ代表理事・星野麻美さんによる記念講演が行われました。

 社会構造の変化がもたらす「つながりの希薄化」や、コロナ禍による社会環境の変化による孤独・孤立の顕在化・深刻化などを背景に、今後、単身世帯や単身高齢世帯の増加が見込まれる中、孤独・孤立の問題の深刻化が懸念されるとして、国は令和3年12月に「孤独・孤立重点計画」を策定、孤独・孤立対策推進法が令和6年4月に施行されています。この重点計画と推進法では、基本方針の一つに「官・民・NPO等と連携強化」を掲げるとともに、特に重点を置いて取り組むべき事項の一つとして、地方公共団体で連携の基盤となる地方版官民連携プラットフォームの設置の促進を挙げています。

 みどり市では、1月に市民団体や福祉関係団体、行政担当者ら17に人による幹事会を開き、勉強会を行ってきました。この日は市内の福祉関係者ら55人が集まり、市担当者が、「相互の支えあいや人と人とのつながりが生まれる社会を目指すには、行政や地域住民だけでなく、民間事業者の力を地域課題の解決につなげる新たな取り組みが必要」「行政・民間事業者・地域住民がゆるくつながり、情報共有や孤独・孤立に悩む人の『居場所』の検討をしていくための基盤としてのプラットフォームをつくっていきたい」とプラットフォームと概要と設置要綱を説明し、参加者の承認を得て設立を宣言しました。

 設立総会後、桐生市内で子どもや若者の居場所づくりなどに取り組んでいるNPO法人キッズバレイ代表理事の星野麻美さんが記念講演を行いました。

 星野さんは、福祉で良くつかわれる「Well-being」を「ごきけん(な状態)」「ごきげん(な暮らし)」と訳しました。「居場所づくり」は1階部分の「交流目的」の場所と、2階部分の「支援目的」に分けて考えることを提案し、「交流」が「支援」の入口になると話しました。そして、「交流目的」の居場所づくりは民間や市民ベースで作ることが対象者を限定しないことにつながると話しました。

 講演の途中にはワークショップも行われました。グループに分かれた参加者は、「すべての市民がごきげんに暮らすことができる地域にするために」をテーマに、「減ってほしいもの」「増えてほしいもの・新しくほしいもの」「変わらずにあってほしいもの」を出し合い、みんながごきげんになれるには何が必要か、何ができるかなどを話し合いました。星野さんは最後に、「てこの原理を使うと小さな力でも大きなものを動かすことができる」「機能していくためには緩やかにつながることが大切」と話し講演を終了しました。

 事務局を務める市社会福祉課では今後、協力してくれる一般会員を募集するとともに、孤独・孤立対策強化月間の5月には啓発活動を予定していて、幹事会での情報交換や秋には市民向けの講演会なども行いたいとしています。

 

 

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