“つどう”ことの大切さを再確認 〜5年ぶりに公民館大会 2024.3.12

多世代交流館で開かれた公民館大会。
講演をする茂木さん。
3部屋に分かれての話し合いも行われました。

 みどり市公民館大会が3月2日(土)午後1時半から、みどり市大間々町の多世代交流館(大間々公民館)で、「なぜ公民館は『つどう』を大切にするの?」をテーマに開かれ、群馬大学共同教育学部兼任講師・元桂萱公民館館長の茂木勇さんの講演と参加者による分散会が行われました。平成31年3月に笠懸公民館で開催されて以来5年ぶりの開催です。

 公民館大会には56人が参加し、市外からの参加もありました。開会式では、出席した須藤昭夫みどり市長と保志守教育長がそれぞれのあいさつで公民館活動への期待を話した後、茂木さんの講演が行われました。

 茂木さんは、新型コロナの影響で公民館利用者に「利用者の大幅減」「学習団体消滅の危機」「住民交流のストップと地域活動の停滞」「外出自粛による健康被害、孤独感の高まり」があり、今を「当たり前が当たり前でなくなった時代」と話しました。また、人口の減少、単独世帯の増加、地方消滅の予測、人生100年時代などのデータを示しながら、これからの公民館の役割として、「『学習』などに限定しない緩やかな場」「住民が語らい、つながる場としての公民館(居場所としての公民館)」という視点や、「生きがい追求よりもハードルが低く、住民を広く包含できる概念として『幸福感の追求』という考え」「公民館は人生を幸せにする施設という位置づけ」という考えが必要ではないかと提案しました。さらに、新しいつながりを作るこれからの公民館事業として、地域資源を活かした取り組みの実際例なども紹介しました。

 講演後、参加者は3つの部屋に分かれ、実行委員が進行役を務めて講演の感想や地域活動での課題、これからできそうなことなどについて話し合いを持ち、全体会でそれらを報告しあいました。参加者からは、「人とのつながりが大事」「若い人たちとの交流を広げたい」「地域の歴史を掘り起こし次世代につなげたい」「雑談することが大事だと改めて感じた」などの意見が出されていました。分散会などのようすを見て回った茂木さんは全体会の講評で、「今日のようにみんなで集まって協議する場はありそうでない。ふつうの気持ちでディスカッションすることは価値のあること、大事にして次の活動につなげてほしい」「スクリーンタイム(画面を見る時間)をヒューマンタイム(人と直接つながる時間)にしていくことが大事」と話し、大会を終了しました。

 大会を終え実行委員長の山ア君明さんは、「公民館の課題が明らかになったと思う。集うことの大切さを改めて実感できたので、今日の成果をこれからの活動に生かしてほしい」と話していました。

 みどり市公民館大会は、市内公民館の抱える課題や地域に果たす役割などを市民の視線で考えていこうというもので、平成29年3月に大間々町のみどり市厚生会館(当時は大間々公民館を兼ねる)で開催して以来、平成30年3月に東公民館で、平成31年3月に笠懸公民館で開催してきました。その後、令和2年3月に多世代交流館で開催する準備を進めていましたが、突然広がった新型コロナウイルス感染症の影響で開催直前に中止になっていました。

 多彩な話題を親しみのある語り口で話した茂木さんの講演と、久々の市民同士の話し合いを通じ、公民館の役割や期待が大きいことが改めて確認できたようです。この大会を機に、それぞれの公民館が再び活気のある新しい時代の公民館の姿を目指していくことが期待されます。

 

 

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