来年度予算、最大規模333億円 〜みどり市 2025.2.18

記者会見をする須藤市長。

 2月13日(木)に行われたみどり市定例記者会見で、令和7年度当初予算の概要、一般会計3月補正予算の概要のほか、みどモスオリジナルナンバープレートの交付、金婚・ダイヤモンド婚慶祝事業について発表がありました。

予算規模は前年比60億円増

 みどり市は人口減少対策が喫緊の課題だとし、ライフステージごとに切れ目のない支援を実現し、こどもを産み育てる環境づくりを進め、「将来にわたり 住み続けたい 選ばれるまちづくり」を目的として、未来への投資と財政の持続性確保を両立させるための予算を編成しまとしています。一般会計の予算規模は総額333億2,000万円で、前年比60億5,000万円、率にして22.2%の上昇となっています。

最重点施策は「出産・子育て環境及び教育環境の充実に向けたこども未来施策」

  計画の最初に挙げられているのが子育て支援で、新たに婚活・結婚支援事業として1,198万円の予算を確保し、婚活セミナーやパーティーのほか、結婚生活支援として結婚に伴う住宅取得費やリフォーム、引っ越し費用に30万円または60万円が支給されます。妊娠・不妊治療は20万円まで自己負担がなくなります。産後ケアについてはこれまでの2割負担から1割へと軽減されるほか、月に4,000円のおむつ用品券が支給されます。 乳幼児では、保育料や給食費の完全無償化により一人あたり143万円の負担軽減。小中学校の給食費も無償化され53万円の負担軽減となり、保護者の負担額は合計で200万円が軽減されることになります。このほか、新規で受験生のワクチン接種費用の助成、給付型奨学金制度も新設・拡充されます。

 また、居場所づくりの取り組みとして、旧笠懸幼稚園跡地を利用した教育支援センター設置やフードバンク事業、 西鹿田グリーンパークや屋内遊び場など学校外のこどもの居場所の拡充を図るとしています。このほか、小・中学校体育館へのエアコン設置、特色ある英語教育、個々に合わせた授業サポートが計画されています。市では「群馬県内トップ みどり市の子育て支援」を掲げ、「結婚前から子育てを全力サポート」とまちづくりの方針を示しかたちです。

 移住支援については8,000万円の予算を確保し、移住元を「東京圏」から「県外」に緩和し、世帯100万円の給付となっています。また、Uターン推進事業費が新規事業となり、1,012万円の予算で居住要件や就業条件が整えば20万円が支給されます。

 子育てや居住支援のほかにもさまざまな市の活性化策が盛り込まれていて、デジタルを活用したまちづくりの推進も予算化されています。

 電子通貨事業として8,238万円を計上。みどモスpayを活用し、ボランティアやイベント参加でポイントを発行します。決済額の1%を市が徴収しSDGs未来都市関連事業に活用するとしています。

 デジタル化では、リモート相談窓口・Web会議システムの導入事業として2,445万円を確保し、行政手続きのオンライン化や簡素化を図ります。

 スポーツと健康づくりでは、みどり市元気プロジェクトは1,386万円の予算で健康増進事業を行います。西鹿田グリーンパーク事業と温泉施設整備事業は継続となっています。また、市民体育館整備事業(増築)に4,730万円を計上し、令和11年開催の国スポ・全スポ開催後も利用できるように整備します。このほか、鹿田山周辺のウォーキング環境整備事業や大間々グラウンドリニューアル事業が予定されています。

 環境整備では、災害に向けた共助の推進事業として2,096万円を確保し、防災アドバイザーによる人材育成や自主防災組織との連携を強化します。このほか公共施設の照明LED化に2億円余、森林資源を活用したバイオマスの利用促進では1億7,432万円の予算となっています。

 市民に身近なところでは、EVの普及促進が2,100万円となっていて、EVやEVインフラ、V2H、太陽光発電システムなど脱炭素推進の補助メニューを充実させます。

 食品ロスゼロを目指してフードバンク事業を新規に設け989万円、環境・ゴミ問題を考えるイベントに372万円盛り込まれています。

「コンパクトで魅力のある」まちなみづくりの形成を目指す

 みどり市はこども未来基金事業を柱に、「住みたいまち」の実現に向けさまざまな施策を打ち出しています。その中で都市基盤の構築では、土地利用計画事業に1億3,073万円を計上して、岩宿駅周辺整備や大間々中心市街地再生など、「コンパクトで魅力のある」まちなみづくりの形成を目指すとしています。

 「稼げる」まちづくりの推進として、産業団地の整備と企業誘致に5億4,514万円を計上、商品開発や販売促進の支援として869万円の予算を確保します。このほか旧サンレイク草木の整備に14億635万円、農業生産構造の定着予算が5,165万円、モンベルとの提携による地域活性化が510万円となっています。

 その他、東町花桃活性化事業や相澤忠洋氏をテーマにした映画制作費、富弘美術館の改修費、市制20周年記念事業費として84万円ほどが見込まれています。

物価高騰対策で全市民に「みどもすpay」5000円分を配布 〜3月補正予算

 3月補正予算は、これまでの歳入歳出予算の総額に4億921万を追加するもので、補正後の歳入歳出予算の総額は323億9,482万になります。主な補正内容は、 @物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を支援するための補正、A温泉施設及び滞在型宿泊施設整備推進のための補正、です。

 物価高騰対策としては、電子地域通貨ポイント付与事業として2億7,909万円を計上していて、全ての市民に1人あたり5,000円分の「みどモスpay」を付与するもので、世帯全員分のカードが書留で送付されます。スマホにアプリポイントを移行するか、カードをそのまま加盟店でも利用できることから、高齢者やデジタルが苦手な人も使いやすいシステムなりそうです。 

※みどモスオリジナルナンバープレートの交付、金婚・ダイヤモンド婚慶祝事業については別記事でお伝えします。

 

 

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