図書館企画「自衛隊がやってくる」の中止を要請 〜市民団体 2023.11.14

要請書を読み上げる須田会長(右側中央)。

 みどり市立笠懸図書館が11月23日に「自衛隊がやってくる」と銘打った主催イベントを企画していることに対し、「笠懸図書館に『自衛隊がやってくる!』ことに反対する市民の会(会長=須田章七郎さん)が11月7日(火)、保志教育長と森笠懸公民館長に中止を求める要請書を提出しました。

 自衛隊の広報から提案を持ちかけられたことから、笠懸図書館では市内でも災害救助に当たってくれた自衛隊の仕事を知ってもらう機会として企画を決めたということで、南極の氷や装備品などの展示、戦車や軍艦の塗り絵、戦闘機のペーパークラフト、ミニ制服などの体験を行うというものです。子どもたちに参加を呼びかけるために保育園、幼稚園、小学校などにチラシの配布をすでに行っているということです。

 要請書を提出した市民の会からは須田会長のほか、桐生・みどり地区の平和委員会や新日本婦人の会の会員ら合わせて5人が教育庁舎を訪れ、須田会長が要請書を読み上げ、趣旨を説明したのち対応した伊佐山社会教育課長と森館長に要請書を手渡しました。要請書は、災害における自衛隊の働きには感謝しているが、ロシアによるイスラエル侵攻や中東でのハマスとイスラエルとの戦争で多くの人が犠牲になっている状況の中で、子どもたちが戦争のための武器などに触れる機会を図書館が持つというのはあまりにも市民感情を軽視したものであるとして、イベントの中止を求めています。同席した会員も、「多くの人が殺されている。子どもや孫たちには武器に親しみを持ってほしくない」「みどり市には平和を訴える内容の『非核平和都市宣言』がある。宣言の理念に立ち返ってほしい」と、イベントの問題点を訴えました。

 要請書を受け取った伊佐山課長は、「自衛隊の仕事を知ってもらうための企画で、参加も任意であることを理解していただきたい。市民感情への配慮が足りなかったところもあり、内容について再考の余地はある」と話し、森館長は、「内容については図書館に帰って再検討したい」と話しました。須田会長は最後に、「中止を望むが、少なくとも災害にかかわるものに限るなどしてほしい。そして検討した結果を知らせてほしい」と訴え、会談を終了しました。

 

 

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