岩宿駅北口広場はロータリー方式に 〜5区公民館で説明会〜 2023.9.12

図1 岩宿駅周辺交差点改良工事計画案
図2 駅前交差点の十字路案とT字路案
図3 北口駅前広場
図4 北口駅前広場
図5 南口駅前広場

 8月9日(水)、みどり市笠懸町5区公民館において、「岩宿駅周辺交差点改良事業に関する説明会」が開催され、区役員や駅周辺住民をはじめとする5区区民が参加し、当局の説明に耳を傾け、意見を述べました。

 岩宿駅周辺の交差点改良事業については、2020年10月に近隣住民に向けて行われた説明会で多くの問題点が指摘され、検討して再度説明会を開くことになっていました。

 説明会では、まずみどり市都市計画部建設課長より「岩宿駅を核とした総合的まちづくりプラン」についての説明がありました。これは市当局が市民アンケートや市民参加のワークショップ、都市計画審議会などの意見を反映させて策定したもので、短期的課題として「駅前広場整備や駅へつながる道路のアクセス改善など、安全で快適な利用ができる駅前環境づくり」の具体的な整備計画が示されました。

 北口広場の再整備では、岩宿駅へのアクセス道路を前回の説明会で提案されたT字路ではなく、十字路とする案を採用とするとしています(図2)。また、広場は(図3、4)のようなロータリー方式による再整備を行い、駐車場や駐輪場スペースの拡大も図るとしています。

 南口駅前広場については、中期的には南口周辺エリアの開発に合わせて駅舎の橋上化、南口駅前広場の改修を一体的に実施するとし、短期計画として暫定的整備を行うというものでした(図5)。

 次に桐生土木事務所の担当より、「岩宿駅周辺交差点改良事業について」の説明がありました。それによると岩宿駅前交差点の課題は、@右折車線がない、Aきれいな十字交差点になっていない、B歩道が狭い、歩道がないなどで、自動車、歩行者、自転車が混在し危険な状態であるとしています。阿左美岩宿交差点の課題は、@右折車線がない、A時間帯によって右折禁止になっている、B時差式信号になっている、C歩道が狭い、歩道がない、ということで改善の必要性が述べられました。

 次にこれまでの経過として、前回の説明会等で出た住民意見に対しての説明がありました。「岩宿駅前交差点を十字路からT字路交差点にすると、岩宿駅へのアクセスが悪くなる」、「駅前広場の計画と道路の計画は同時進行で考えたほうが良い」、「自転車道の整備案について、短区間では効果が低い。起終点部で既存の道路に戻る箇所が危ない」、「JR両毛線跨線橋(沼見橋)の拡幅や架け替えを検討する必要がある」との意見があったとした上で、岩宿駅前交差点は図3のように、広場のロータリー化と合わせた形で十字路交差点とするとしました。この件に関しては、前回提案が撤回され十字路案が採用されたことで、住民からの意見は出ませんでした。JR跨線橋(沼見橋)の拡張や架け替えについては、事業規模等の観点から当時業者では扱えないため、将来の課題とするとの説明がありました。これに対して、「渋滞緩和には沼見橋の拡幅が必要。老朽化も進んでいる」との意見がありましたが、「シミュレーションでは拡幅が必ずしも渋滞緩和につながらない。橋は点検、維持管理がされている」として橋の拡幅は将来の課題とされました。計画案の全体は図1,歩道や自転車道の案は図5の通りとなっています。

 また、「自転車通学の高校生が多く、岩宿駅前交差点付近だけでなく阿左美沼までの拡幅が必要」との意見に対しては、市の都市計画課建設課長が、「両毛線踏切の拡幅についてJRと話し合いをしており、市としても延長道路の拡幅については検討をしている」と答え、少なくともJR踏切までの道路は改善される見通しとなりました。

 今回の説明会は岩宿駅へのアクセスについて住民の意見が一部反映された形となったこともあり、おおむね理解が得られたようでした。しかし岩宿駅周辺整備の大きな課題は残ったままです。

 今回は岩宿駅周辺交差点改良事業に引っ張られる形で、北口広場や南口広場の改善整備が提案されるに至りましたが、「岩宿駅を核とした総合的まちづくりプラン」策定にとりかかるまでは計画の俎上に上っていませんでした。 今回中期的課題としながらも、駅舎の橋上化や南口周辺エリアの開発に併せた駅前広場の改修が構想されています。沼見橋の拡幅も重要な課題です。桐生卸売市場の土地の一部に食品スーパーのベルクが進出するとの話があるなど、周辺環境は急速に変化してきています。中期課題が絵に描いた餅にならぬよう、当局には状況を的確にとらえた迅速な 対応と計画が求められています。

 

 

過去の記事indexへ