なつかしい養蚕の風景〜桑摘みを今も 2023.6.6
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桑の葉を軽トラックに積む長竹さん。 |
6月1日(木)正午過ぎ、みどり市笠懸鹿郵便局の東側の市道を南に向かっていると、桑の枝を摘み2台の軽トラックに忙しく積み込む2人の男性の姿に足が止まり、珍しく懐かしい景色に、「こんにちは、忙しいところすいません」と声を掛けました。
桑の収穫をしていたのは、笠懸町鹿の長竹敏次さんとお手伝いの男性でした。
「今回は、2.5kgの種の蛾蚕をして、いまカイコは5齢目に入っています(カイコはふ化してから一週間ほどで初眠に入り、脱皮します。眠や脱皮を繰り返し、1齢から5齢へと成長してゆきます)。今日はすでに一度桑の収穫をしましたが給桑に間に合わずに、再度桑摘みをしていて、あと2、3日で熟蚕になります」と話してくれました。カイコ1匹は一生のうちに約100g(乾物20g)の桑の葉を食べ、そのほとんどは5齢で88%、4齢で9%、1〜3齢で3%ということです。
ここの桑畑は3反5畝ほど(約3,500u)。他にも桑畑があるそうで、長竹さんは養蚕を5月から年4回行っているそうです。笠懸町内では養蚕をしている家は久宮に1軒ありましたが、今年は休んでいると聞いているそうです。
長竹さんは、桐生市内で浴用タオルの製造を出発点として設立された会社・有限会社ミヤマ全織の代表者でした。会社は、群馬県安中市の碓氷製糸場でホルマリンなどの防腐剤を使用しない独自の技術で製糸された生糸「ぐんま200」を使用し、国内で養蚕から加工・製造まで一貫して行なう“群馬シルク100%”にこだわった製品のあかすり、ボディタオルを製造しています(ブランド名『上州絹屋』)。また、みどり市笠懸町に平成5年に西鹿田工場、平成20年に久宮工場を新設しているそうです。